- 日時
- 2019年03月28日(木)17:30~19:00
- テーマ
- 免疫チェックポイント阻害薬の副作用とマネージメント
(国立がん研究センター中央病院発信)
司会 国立がん研究センター中央病院 先端医療科 北野 滋久
免疫チェックポイント阻害剤特有の有害事象として、免疫関連有害事象(immune-related adverse events:irAE)が出現する。特徴としては各々の有害事象は頻度が低いものがほとんどであるが、全身多岐にわたり出現し,その発現時期を予測することが難しく,ときに適切な対応や対処の遅れが致命的となることもありうるため、そのマネージメントに当たっては注意が必要である。
1.免疫関連有害事象(総論)
国立がん研究センター中央病院 先端医療科 北野 滋久
本総論では、免疫チェックポイント阻害剤の特有の作用機序にともなって生じる免疫関連有害事象について、その作用機序、特徴、診断方法、マネージメント方法について最近の知見を交えながら概説する。
2.免疫チェックポイント阻害薬による皮膚障害のマネージメント
国立がんセンター中央病院 皮膚腫瘍科 武藤 雄介
免疫チェックポイント阻害剤は悪性黒色腫を皮切りに、複数のがんへと適応が拡大されている。新規薬剤の出現により治療効果が期待できる一方で、治療に伴う免疫関連有害事象(irAE)が多数報告され、そのマネージメントが重要とされる。irAEの中でも皮膚障害を中心に頻度や特徴、そして実際に当科で経験した皮膚障害の事例を一部取り上げ解説する。
3.免疫チェックポイント阻害薬による肺臓炎のマネージメント
国立がんセンター中央病院 呼吸器内科 佐藤 潤
昨今の治療開発により、免疫チェックポイント阻害薬は多くのがん腫において標準治療の一部となっている。免疫関連有害事象の報告が蓄積されてきているが、その病態解明と治療法の確立は未だ途上過程にある。免疫関連有害事象としての肺障害は既知の抗がん剤に伴う肺障害とは異なる特徴を有しており、この病態に対する理解を深めると共に、当院における取り組みを紹介する。