- 日時
- 2019年09月12日(木)17:30~19:00
- テーマ
- がんゲノム医療と遺伝性腫瘍への取り組み
(四国がんセンター/国立がん研究センター中央病院発信)
司会 四国がんセンター 臨床研究センター長 上月 稔幸
本邦において、2018年4月よりがんゲノム医療の普及のための体制整備が進んだ。本年6月、OncoGuide NCC オンコパネルシステムとFoudationOne CDxがんゲノムプロファイル検査が保険承認されるに至った。一方でこれら検査を行うことで、遺伝性腫瘍の可能性が判明し、その場合には適切な対応が望まれる。
今回、がんゲノム医療の現状と遺伝性腫瘍への対応について、3名の演者にご講演いただく。
1.NCCオンコパネルを用いたがん遺伝子プロファイリング研究(TOP-GEARプロジェクト第2期)における生殖細胞系列病的バリアント検出症例の特徴と遺伝カウンセリング
国立がん研究センター中央病院 遺伝子診療部門 認定遺伝カウンセラー 田辺 記子
国立がん研究センター中央病院では、国内先駆けとなる腫瘍組織のがん関連遺伝子プロファイリング検査「NCCオンコパネル」の開発と実施を進め、本年6月より保険適応検査として実施されている。2016年5月以降、NCCオンコパネルはMatched-Pair解析を採用し、生殖細胞系列病的バリアントの特定可能である。本カンファレンスでは、1)2016年5月~2018年3月における生殖細胞系列病的バリアント検出症例に関するまとめと考察 2)保険診療下における状況 3)診療科間連携と遺伝カウンセリング、に関して述べたい。
2.当院での遺伝性腫瘍への取り組み
四国がんセンター 遺伝性がん診療科 医師 山本 弥寿子
当院では2000年に家族性腫瘍相談室を開設、カウンセリングからサーベイランスまで一貫して自施設で行えるよう徐々に診療体制を拡大してきた。遺伝性腫瘍診療は未発症の血縁者も対象となる等、通常の臨床では馴染みのない対応を要する。今後、コンパニオン診断やがんゲノム医療により、その需要はさらに増加し、全国的に診療体制整備は急務であると思われる。当院での遺伝性腫瘍に対する取り組みを紹介する。
3.遺伝カウンセラーの立場から見たがんゲノム医療
四国がんセンター 遺伝性がん診療科 認定遺伝カウンセラー 松山 裕美
昨年立ち上げた「がんゲノム医療外来」では、認定遺伝カウンセラーが「がんゲノム医療コーディネーター」を兼任してきた。当院では、遺伝子の検査を用いる治験が外来で多数実施されており、がんゲノムプロファイリング検査の前に治験に入るケースも少なくない。がんゲノム医療コーディネーターとして携わった外来の立ち上げおよび診療体制の整備・運用における問題点、具体的な症例、今後の課題について報告させて頂く。