- 日時
- 2019年12月12日(木)17:30~19:00
- テーマ
- せん妄の多職種ケア
(都立駒込病院/国立がん研究センター東病院/宮城県立がんセンター発信)
司会 東京都立駒込病院 精神腫瘍科・メンタルクリニック 秋月 伸哉
せん妄は高齢入院患者のケアにおいて重要な問題であり、多職種による包括ケアが予防、治療として有効であることが示されている。国内の医療環境で実践できる多職種ケアプログラムの開発、実践について紹介する。
1.多職種によるせん妄対応 DELTAプログラムの開発
国立がん研究センター東病院 精神腫瘍科
先端医療開発センター精神腫瘍学開発分野 小川 朝生
高齢者の診療機会が増えるにつれ、せん妄を合併する事例も増加し、系統立てた対応が求められている。せん妄は、身体・環境的負荷が誘発・促進因子となって現れる意識障害であり、その原因に対して系統的な対応をすることにより、発症を予防できる可能性がある。当院では、わが国の医療体制でも実施可能な簡便な系統的対応方法を目指して、教育介入を中心としたプログラムの開発を一貫して進めてきており、その経緯について紹介する。
2.都立駒込病院におけるDELTAプログラム導入について
都立駒込病院 看護部 リエゾンチーム 野村 優子
当院では、看護師が「何か変?」と感じていてもせん妄の評価に自信がなく、せん妄の予防や早期対応を系統的に行うことが課題となっていた。そこで国立がん研究センター東病院で開発されたDELTAプログラム(多職種によるせん妄の早期対応プログラム)を一部改変し、2015年から2019年にかけて全病棟に導入した。今回は、当院でのプログラムの導入のプロセスとスムーズな導入のための工夫、導入の結果について紹介する。
3.宮城県立がんセンター DELTAプログラムの導入・運用への工夫
宮城県立がんセンター 緩和ケアセンター 早坂 利恵
せん妄はがん患者において最も頻度の高い精神症状であり、医療事故、意思決定の障害、医療者の疲弊など多岐にわたる問題との関連が指摘されている。当院においてもせん妄への対応は必須課題であるが、実際にはせん妄に対する理解が十分ではなく難渋しているのが現実であった。2018年から2109年にかけてDELTAプログラムを3病棟に導入しており、今回は、導入・運用への工夫について紹介する。