- 日時
- 2019年10月24日(木)17:30~19:00
- テーマ
- がん診療連携拠点病院における緩和ケア病棟の運用
(新潟県立がんセンター新潟病院/国立がん研究センター東病院/静岡県立静岡がんセンター発信)
司会 緩和ケア科 本間 英之
本邦の緩和ケア病棟は増加と共に国の施策の変化、特に保険請求点数の入院期間に応じた段階的減少と一定要件による医療機関毎の差別化が影響し、施設特性によって期待される役割を変化させざるを得ない。今回はがん診療連携拠点病院における緩和ケア病棟が果たす役割と実運用について、病院規模等が異なる3病院から発表頂き、がん携拠点病院における緩和ケア病棟のあるべき姿を議論したい。
1.がん診療連携拠点病院の緩和ケア病棟が果たすべき役割は何か?
~国立がん研究センター東病院における緩和ケア病棟の運用から考える~
緩和治療科 松本 禎久
当院は10年以上前より急性期型の緩和ケア病棟運用に取り組んできていた。近年は、近隣の緩和ケア病床数が増加し、当該地域における当院緩和ケア病棟の役割を再考する必要があると考えられる。また、抗がん治療が進歩し以前よりも柔軟な運用を行うことが重要であると考えられる。当院における緩和ケア病棟の運用や緩和医療科外来での取り組みについて紹介し、今後の方向性について議論したい。
2.静岡がんセンター緩和ケア病棟の現状
緩和治療科 柳原 恵梨
静岡がんセンターでは、2002年の設立から緩和ケア病棟を有しており、2019年現在は病棟担当医師5名で2つの緩和ケア病棟、計50床を運営している。入院患者の多くが院内紹介からなり、多様ながんに対応しているが、必ずしも当院での療養が最適ではない例もある。東静岡の緩和医療に関する医療資源の特性から、当院で治療を終えた患者が地域に戻りにくい実情もあるが、在宅医療をはじめ地域医療の成長も著しく、更なる地域連携の発展が望まれる。
3.新潟県初のがん診療連携拠点病院 緩和ケア病棟を開設して
緩和ケア科 中島 真人
当院は本年2月1日に新潟県内のがん診療連携拠点病院で最初の緩和ケア病棟を開設した。当施設は、院内の入院患者に対し抗がん治療担当科と連携し、切れ目のない高次緩和ケアを提供するだけでなく、当院と周辺の緩和ケア施設あるいは在宅緩和ケアを結ぶ県内のモデルケースとしての役割を果たす必要がある。これまでの緩和ケア病棟の運用状況を振り返り、医療資源の限られた地方の急性期病院における緩和ケア病棟の役割を検討する。