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地域相談支援フォーラム in 長崎 開催記録(1日目)

「がん相談支援“他県の取り組みに学ぼう”(情報交換会)」
更新・確認日:2015年04月08日 [ 履歴 ]
履歴
2015年04月08日 掲載しました。

■プログラム

平成27年1月31日(土)13:00~17:00 場所:長崎大学病院 第4講義室
全体テーマ「つなげよう!がん相談支援の輪」
(1日目) テーマ「がん相談支援“他県の取り組みに学ぼう”(情報交換会)」
開会あいさつ
各県からの報告
グループワーク・全体共有
講評

■概要

長崎県がん診療連携協議会 相談支援ワーキンググループ他主催によって開催されたフォーラム「つなげよう!がん相談支援の輪」は、九州・沖縄8県の相談員を対象として平成27年1月31日(土)、翌2月1日(日)に長崎大学病院にて開催され、各日約130人のがん相談支援に携わる相談員に加え、長崎県内外の医師7人、自治体のがん対策主管課担当者6人、患者団体のオブザーバー4人が参加しました。(企画公募型の地域ブロックフォーラムとしては九州・沖縄地区での初開催ですが、関連8県のがん専門相談員の合同研修会は、平成24年12月に熊本で開催された地域相談支援フォーラムを含め、今回で3度目となります)。平成26年2月に福岡で開催された地域相談支援フォーラムでは、当時の実行委員間で関連8県の相談支援部会の活動報告が行われ「極めて有意義な内容であり、実行委員にとどめずより多くのがん専門相談員に聞いてもらうとよい」との声が多かったことから、今回の長崎でのフォーラムでも、参加者各自が隣県の相談支援センターの活動から学ぶ機会を1日目に設けることになりました。
玉城結さん 写真
当日は「がん相談支援“他県の取り組みに学ぼう”(情報交換会)」のテーマで、玉城結さん(諫早総合病院)の総合司会のもと、主催者である若尾文彦センター長(国立がん研究センターがん対策情報センター)と芦澤和人幹事長(長崎県がん診療連携協議会)の開会のあいさつで始まりました。
若尾文彦センター長 写真
若尾センター長からは、平成18年にがん診療連携拠点病院整備指針において、相談支援センターが明記されて9年がたつが、世論調査の結果を見てもまだまだ知らないという人が多くいること、がん相談をどのように知ってもらい、どのように利用してもらうか、九州・沖縄の仲間たちと考える機会にしたいとあいさつが述べられました。
芦澤幹事長 写真
続いて芦澤幹事長からは、開催地である長崎らしさを出すために、県内外の実行委員で今日まで準備をしてきたフォーラムであること、参加者みんなで長崎に来てよかったといえるフォーラムにしたいとあいさつが述べられました。

<各県からの報告>

中島誠司さん(長崎原爆病院)、久永佳弘さん(南九州病院) 写真
最初のプログラムは中島誠司さん(長崎原爆病院)、久永佳弘さん(南九州病院)が座長を務め、この1年間のがん相談に関する新たな取り組み、そして長崎フォーラム2日目のテーマ「離島・がん医療空白地域の現状を知ろう~相談者を支えるネットワークづくり いま私たちができること~」につなげるために、各県の離島・がん空白地域におけるがん診療と相談支援体制の現状と課題について、九州・沖縄8県の相談員、行政担当者から報告されました。(各県資料をご参照ください)

手水眞理子さんと大隈輝美さん 写真
長崎県 発表資料(PDF:348KB

発表者:手水眞理子さん(長崎みなとメディカルセンター)
大隈輝美さん(長崎県医療政策課)

長崎県がん診療連携協議会にある7つのワーキンググループ(WG)の1つである相談支援ワーキンググループでの取り組みとして、特に広報活動について紹介されました。年に2回のがん相談員研修会開催や、平成26年3月に同WG、県、長崎市立図書館のコラボレーションで「がんと向き合うサポートブックながさき-あなたに伝えたいこと」を発行したこと、また、県と長崎市立図書館、拠点病院の共同で同図書館に「がん情報コーナー」を設置し、館内で定期的に開催している講演会、相談会に拠点病院の相談員が積極的に協力していることが紹介されました。

大分県からの報告風景 写真
大分県 発表資料(PDF:307KB

発表者:井口桜子さん(済生会日田病院)
嶋川由紀さん(大分大学医学部附属病院)
梶原清司さん(大分県福祉保健部健康対策課)

大分県がん診療連携協議会情報提供・相談支援専門部会のもとに、「がん相談支援センター実務者情報交換会」が年3回開催されているとのことでした。実務者情報交換会では、相談者からのフィードバック体制づくり、患者団体との連携、相談の質の向上、広報・周知活動などの課題を抽出して議論し、今後の具体的な取り組みを計画していることや、大分県健康対策課と協働し、地域のがんサポートブックの作成、がん患者の就労支援についての検討をしていることが紹介されました。

佐賀県からの報告風景 写真
佐賀県 発表資料(PDF:922KB

発表者:石丸浩美さん(佐賀大学医学部附属病院)
大石美穂さん(佐賀県医療センター好生館)
田島祥嗣さん(佐賀県健康福祉本部健康増進課)

佐賀県がん診療連携協議会に位置づけられた相談支援センター連絡会では、年に4回の連絡会と研修会、年1回、多職種を含めた研修会を計画していると紹介されました。また、連絡会で内規を作成し、会の位置づけの意識統一と、活動の維持向上を図っていると述べられました。がん相談支援センターの広報・周知において行政と連携し、県が作成するチラシや広報誌で、積極的にがん相談支援センターの紹介を掲載している取り組みが紹介されました。

熊本県からの報告風景 写真
熊本県 発表資料(PDF:351KB

発表者:片山佳代さん(熊本市民病院)
藤本真之介さん(熊本県健康福祉部健康づくり推進課)

熊本県がん診療連携協議会がん専門相談員ワーキンググループでは、平成26年5月から3グループを編成して、研修企画と運営、療養ハンドブックの作成、そして広報・周知活動に取り組んでいることが紹介されました。また県内のがん相談支援センターへのアンケートから明確になった、就労支援や希少がんなどの情報提供に、相談員が困難を感じている状況に対して、行政と連携して情報の集約を行うなどの対策が検討されていると報告されました。

福岡県からの報告風景 写真
福岡県 発表資料(PDF:651KB

発表者:織田久美子さん(社会保険田川病院)
篠原晋さん(福岡県保健医療介護部健康増進課)

福岡県では平成26年度からの新たな取り組みとして、県全域のがん相談員を対象としてスキルアップを目的とした研修と、県内を4つのブロックに分け、連携業務に携わるSW、看護師等を対象として、地域の関係者の連携強化を目的とした2種類の研修を実施している取り組みが紹介されました。また、平成27年5月の博多どんたく港まつりにおいて、がん相談支援センターを広報するための企画がされていることが報告されました。

沖縄県からの報告風景 写真
沖縄県 発表資料(PDF:606KB

発表者:神谷八重子さん(沖縄県立中部病院)

沖縄県がん診療連携協議会 相談支援部会では、広報・周知活動として、がん検診をテーマにしたラジオ番組へ、医師や行政担当者とともに相談員が出演したこと、新聞2紙に定期投稿してがん相談支援をアピールしていることが報告されました。また症例の少ない小児がんの相談にも対応するために、「おきなわ小児がん相談マニュアル」を作成し、医療機関や市町村や保健所に配布したという取り組みが紹介されました。

鹿児島県からの報告風景 写真
鹿児島県 発表資料(PDF:262KB

発表者:野村瑞穂さん(鹿児島大学医学部・歯学部附属病院)
塩屋公子さん(鹿児島県保健福祉部健康増進課)

鹿児島県がん診療連携協議会 相談支援センター部門会では年に2回、部門会を開催し、研修や事例検討を行う際、企画を持ち回りで担当することで、各病院が主体的に取り組んだ活動が行われていることが紹介されました。また、PDCAサイクルを意識し、県内の課題を可視化して、広報・周知、患者サロンの周知・充実、地域との連携強化、多職種とのカンファレンス実施、との大項目ごとに解決に向けた取り組みを行っていることが報告されました。

グループワーク風景 写真
各県からの発表に続いて行われた50分間のグループワークでは、参加者が12のグループに分かれて、「他県の取り組みに学ぼう」という総合テーマのもと、(1)県レベルでのがん相談員の横のつながり、(2)がん相談支援センターの広報活動、の2つからどちらかのテーマを選び、各グループに分かれて討議を行いました。各グループでは、各自が日々の現場の課題を持ち寄り、各県からの発表から学んだことや、自県での取り組み、新たなアイデアを出し合って活発な議論が交わされました。

全体共有では、まず、12グループのうちでテーマ(1)「がん相談員の横のつながり」を選んだ唯一のグループから、「研修を通したつながり」を中心とした発表がありました。
そこでは、研修会の企画、準備、運営は負担が大きいが、研修などを定期的に行うことで「顔の見える相談員のつながり」が少しずつできている。ただ、拠点病院数の多い県や、協議会などの組織が発展して規模が大きくなればなるほど、逆に顔を合わせる関係が減少する、というジレンマも語られました。
これらの解決策として、地域ごとにブロックを形成して、小回りの利く連携をとることで、相談員同士の横のつながりを綿密にすることで、充実したがん相談支援に還元する方法などが紹介されました。
グループ発表風景 写真
続いて、テーマ(2)「がん相談支援センターの広報活動」を選んで討議したグループから発表があり、会場全体で共有を行いました。多くのグループでは、院外での広報・周知活動の重要性はもちろんであるが、まずは相談員が活動の足場とする院内におけるさまざまな取り組みが大変重要であるという報告されました。

各グループからは、これまでさまざまな院外向けの広報活動を行ってきたが、まだがん相談支援センターの活動が医師、コメディカルスタッフをはじめ、院内スタッフに十分理解されていない、ということが課題としてあげられていました。このことに対する取り組みとして、相談員が相談対応をしたあとにどのように経過したかについて院内スタッフにフィードバックすることでがん相談支援センターの活動の「見える化」をしていくこと、多職種が集まる会議や事例検討会の場を通して活動を周知していくこと、これまでにあまり連携がとれていなかった部署やセクションに対して、重点的に周知活動を行うことや新人教育や研修会など教育の場を通してがん相談支援センターの役割を伝えていくことなどの活動があげられました。
取り組み紹介風景 写真
患者さん、ご家族に対する広報・周知活動として、掲示板やポスターを利用してすでに周知がなされているものの、病院内の掲示板は、さまざまな情報であふれかえっているため、その中に埋もれないよう、視覚的に「目につく」ポスターやリーフレットを置くこと、また置く場所についても、化学療法室や放射線治療の待合など、ゆっくり手にとって見ることのできる場所を吟味して工夫することが必要であると報告されました。その他、各病床の床頭台のテレビで、がん相談支援センターを紹介するビデオの放映や、医師から患者さん、ご家族へ「紹介カード」を用いて積極的にがん相談支援センターの利用をアピールしてもらうなど、「要となるスタッフの協力を得る」取り組みも紹介されました。

さらに、前半の各県からの報告において長崎県から紹介された、公共図書館でがんの講演会を行うといった公共図書館とがん相談支援センターとの連携の取り組みについて、いくつかのグループから自県でもぜひ連携を模索したい、という声が聴かれました。

これまでの九州・沖縄ブロックの地域相談支援フォーラムにおいても、がん相談支援センターの広報・周知について議論され、各施設、各県で数多くの取り組みがなされてきましたが、一朝一夕に進むものではなく、今回の全体共有であげられた取り組みを、さらにコツコツと、そして地道に進めていくことが重要であることが会場全体で確認され、グループワークと全体共有が終了しました。

このあと、若尾文彦センター長から、長崎フォーラム1日目の講評があり、今日の各県からの報告とグループワーク、全体共有を通した学びを持ち帰って、さらに各県で共有してがん相談支援のPDCAサイクルを回すこと、特に行っている取り組みのチェックを意識して進めてほしいこと、さまざまな課題の施設ごとの取り組みや県単位での取り組みについては、行政担当者とも協働して進めてほしいこと、そしてこの長崎フォーラム以降の取り組みを、本年11月に開催予定の鹿児島のフォーラムで共有できることを楽しみにしていると述べられました。
高山智子部長 写真
また、高山智子部長(国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報提供研究部)は、平成24年、25年度の九州・沖縄ブロック地域相談支援フォーラムから、今回の長崎フォーラムへと続く経過をふまえ、がん相談支援センターの現場の相談員と、行政担当者が一体となって連携をとり、協力し合って、各県のがん相談支援を発展させてきたことを発表で伺うことができて大変うれしく思っていること、またこれをさらに九州・沖縄ブロックとして発展させていってほしい旨が述べました。
続けて、高山部長からお知らせとして、がん相談支援の質のさらなる担保のために、平成27年度から更新される国立がん研究センターがん対策情報センターが提供する相談員研修の概略と、認定がん専門相談員認定事業、認定がん相談支援センター認定事業などが紹介され、九州・沖縄ブロック地域相談支援フォーラム in 長崎の1日目が終了しました。

■資料

・長崎県 発表資料(PDF:348KB
・大分県 発表資料(PDF:307KB
・佐賀県 発表資料(PDF:922KB
・熊本県 発表資料(PDF:351KB
・福岡県 発表資料(PDF:651KB
・沖縄県 発表資料(PDF:606KB
・鹿児島県 発表資料(PDF:262KB
用語集
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