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AYA世代の人へ

~15歳から30歳代でがんと診断された人へ~
更新・確認日:2020年10月14日 [ 履歴 ]
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2020年10月14日 掲載しました。
AYA世代とは、Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の頭文字をとったもので、主に、思春期(15歳~)から30歳代までの世代を指しています。AYA世代は、多くの人にとって親から自立したり、生活の中心が家庭や学校から社会での活動に移行したりしていくなど、大きな転換期を迎える時期でもあります。このような時期にがんと診断されると、心身にさまざまな影響を受けることがあります。また、成人のがんに比べて情報が少なく見つけることが難しいなど、不安を抱く人も少なくありません。

このページは、AYA世代でがんと診断された人に向けて、困ったときや悩んだときのために、知っておくと役に立つと思われる情報をまとめています。

1.AYA世代のがんの特徴

AYA世代は、15歳から30歳代と対象が広く、年代によって状況が異なることから、15~19歳をA世代、20歳代以降をYA世代として分けることがあります。

日本では、毎年約2万人のAYA世代が、がんを発症すると推定されています。AYA世代でがんを発症する人は、1年間でがんを発症する人100人のうち2人程度です。年代別にみると、15~19歳が約900人、20歳代は約4,200人、30歳代は約16,300人です(2017年)。

AYA世代には、子どもから大人への移行期も含まれるため、小児で発症することが多いがんと成人で発症することが多いがんの両方の種類が存在します。そのため、AYA世代に多いがんの種類は、年代によって違いがあります。

15~19歳で発症することが多いがんは、小児期と同じように、白血病、生殖細胞から発生するはい細胞腫瘍・性腺せいせん腫瘍、リンパ腫、脳腫瘍、骨腫瘍などです。しかし、20~29歳では、胚細胞腫瘍・性腺腫瘍、甲状腺こうじょうせんがんが白血病よりも多く、30~39歳では、女性乳がん、子宮けいがん、大腸がんなど成人に多いがんが多くなります。
関連情報
がんの種類ごとにより詳しい情報を紹介しています。
それぞれのがんの解説

患者数やがんの初期症状などが掲載されています。
小児・AYA世代のがん罹患(がん登録・統計)がん登録・統計サイトへのリンク
外部サイトへのリンクAYA世代のがんとくらしサポート こころとからだ がんと症状
国立がん研究センター研究開発費「AYAがんサバイバー向け療養サイトの評価に関する研究」によって、作成・運営されているサイトです。AYA世代でがんと診断された方に向けた、暮らしに役立つ情報や、同様の体験をした経験者の体験談を読むことができます。

2.医師や病院を探す

20歳代までのAYA世代に多いがんの種類はまれなものが多く、がん全体としては患者数が少ないため、家の近くの病院に専門の医師がいないこともあります。

このうち15~19歳は、小児期のがんと同じ種類であることが多く、心身ともに発達の過程にあるため、小児科で診察を受けることが勧められています。

なお、小児科で診療を受け始めた場合には、年齢とともに体や病気の状態が変化していくため、成人の診療科を受診するタイミングを考えていくことが必要となります。これまで受診していた小児科の医師に相談し、成人の診療科でも自分がかかったがんを専門とする医師や、診療経験がある医師を見つけていきましょう。

20歳以上の人の場合には、まずは成人の診療科を受診することが勧められます。ただし、がんの種類によっては、小児科の治療法の方が成人の診療科の治療法よりも効果があるという研究結果もあります。小児科と成人の診療科のどちらで治療を受けるのがよいのか、どの治療法を選択するのがよいのか、医師と相談するのがよいでしょう。

また全国には、専門的ながん医療の提供や、患者や家族への相談支援などを行う「がん診療連携拠点病院」が整備されています。さらに、小児がんの医療や支援を提供する中心施設である「小児がん拠点病院」もあります。どちらにもがんやがんによって起こるさまざまな生活上のことなどを相談できる「がん相談支援センター」があります。

「がん相談支援センター」では、その病院を受診していなくても、誰でも無料で相談することができます。どのように病院や医師を見つけていくかを相談したり、病院を一緒に探してもらったりすることもできます。しばらく受診していないときや引っ越しをしたときなど、どの病院を受診してよいかわからない場合にも、がん相談支援センターに相談してみましょう。
関連情報
病院は以下のような方法でも探すことができます。

1)インターネットでがん診療連携拠点病院などを探す

「小児がん拠点病院」や「がん診療連携拠点病院」は、「病院を探す」で探せます。

2)がん相談支援センターで、がんの種類別の診療数で病院を探してもらう

AYA世代のまれながんである場合にも、がんの種類や年代別に、病院ごとの診療経験件数を検索してもらうことが可能です。がん診療連携拠点病院などのがん相談支援センターで、「施設別がん登録件数検索システム」を使って病院を検索してもらえます。

3.正しい情報を探す

がんと診断されて、病気や治療のこと、治療の副作用や後遺症、体や心への治療の影響など、気になることがあるのではないでしょうか。ほかにも、治療中や治療後の生活、家族や周りの人との関わり方、学校生活や社会生活、病気との向き合い方など、知りたいことが出てくるかもしれません。

さらにもっと詳しく知りたいと思ったときには、自分で情報を調べることもあるでしょう。しかし、情報を調べるときには注意も必要です。

がんに関する情報はたくさんありますが、すべてが正しいとは限りません。また、自分の状況に合った情報ではないこともあります。 中には、患者や家族の不安につけこむような情報もあるので注意が必要です。SNSで発信された情報の場合も同様です。誤った情報に惑わされないためにも、信頼できる情報の探し方や情報を見極めるポイントを知っておくことが大切です。

以下の関連情報では、「がん情報を探すときの5つのポイント」と、「がん情報を見極めるときの3つのポイント」を提示していますのでご覧ください。

4.医療者に質問する・相談する

病院には、担当の医師以外にも、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカーなど、質問に答えてくれ、相談にのってくれる医療者がたくさんいます。病気や治療について知りたい、心配事を相談したいと思ったときには、こんなことを聞いてもいいのかと悩まず、あなたにとって身近で話しやすい医療者に、質問や相談をしてみましょう。

誰に相談してよいかわからないときや、相談するタイミングがないときには、がん相談支援センターを訪ねてみてください。病気や治療のこと、気持ちのこと、誰に相談できるかなど、様々な相談について 一緒に考えてくれます。
関連情報
医療者との対話のヒント、医療者に相談するときのポイントが掲載されています。
医療者との対話のヒント
外部サイトへのリンクAYA世代のがんとくらしサポート 情報の集め方 医療者とのかかわり方

がん相談支援センターについて紹介しています。
あなたを支える「がん相談支援センター」

5.治療について考える

治療法は、がんの種類や進行の程度、体の状態、年齢、あなたの希望なども含めて総合的に検討し、担当の医師とともに決めていきます。

1)治療を選択する

科学的に最良の治療である「標準治療」がある場合には、保険診療(公的医療保険)で受けることができます。しかし、20歳代までのAYA世代の人がかかることの多いがんでは、「標準治療」がないこともあり、その場合は研究段階の医療(臨床試験、治験など)によって治療することもあります。

研究段階の医療とは、新しい薬や、複数の治療を組み合わせて行う治療法などの効果や安全性を確認するために行う医療です。研究段階の医療は、研究内容を審査するための体制や、緊急の対応ができる体制が整った医療機関で受けることが大切です。

なお、AYA世代のがんは、がんの種類によっては、小児科の治療法の方が、成人の診療科の治療法よりも効果があるという研究結果もあります。治療を選択する際には、担当の医師とよく相談する必要があります。

治療法についてわからないことや疑問に思うことは、遠慮せずに医師に質問しましょう。がんや治療に関するさらに詳しい情報については、関連情報をご覧ください。
■治療に関する医療者への質問の例
  • 小児科と成人の診療科、どちらで治療を受けていくのがよいでしょうか?
  • 他の治療法はありますか?
  • 参加できる臨床試験はありますか?
関連情報
それぞれのがんの解説や治療方法を掲載しています。
それぞれのがんの解説
小児がんの解説小児がん情報サイトへのリンク

臨床試験の基礎知識や参加に関するQ&Aを掲載しています。
臨床試験について

2)副作用について知る

病気や治療は、あなたの体や心、生活に少なからず影響を及ぼします。手術の傷跡や、薬物療法の副作用である脱毛や皮膚の変化、体重の増減に悩むことがあるかもしれません。治療を終えて時間がたってから体に影響が出てくる晩期合併症が起こることもあります。また、生殖機能や性生活にも影響することもあります。

治療が始まる前に、どのような副作用が起こる可能性があるのかについて、医療者に確認しておくことが大切です。それによって、副作用が出たときの対応方法をあらかじめ考えておくことができます。
■副作用に関する医療者への質問の例
  • どのような副作用が、いつごろ始まってどのくらいの期間続きますか?治療が終わってしばらくしてから出てくる副作用はありますか?
  • 副作用が起きたときには、どうしたらいいですか?
  • 外見の変化が心配です。どこか相談できるところはありますか?

3)妊よう性について考える

妊よう性とは、「妊娠するための力」のことです。がんの治療では、性別やがんの種類にかかわらず、治療が生殖機能に影響することがあります。そのため、性別やがんの種類にかかわらず、妊娠するための力が弱くなったり、その力を失ったりすることがあります。しかし近年では、将来自分の子どもを持つ可能性を残す「妊よう性温存」が可能なこともあります。治療を始める前に、将来子どもを持つことを望むのかについて、考えてみることも大切です。

妊よう性についてわからないことや困ったことがあるときには、話しやすい医療者に相談してみましょう。がん相談支援センターにも相談することができます。
■妊よう性に関する医療者への質問の例
  • 私の病気や治療は将来子どもを持つことに影響しますか?
  • 将来子どもを持つために、がんの治療の前にできることはありますか?
  • 妊よう性を温存することは、がんやがんの治療にどのような影響がありますか?
関連情報
妊よう性や妊よう性を温存する方法について紹介しています。
妊よう性 はじめに
妊よう性 男性患者とその関係者の方へ
妊よう性 女性患者とその関係者の方へ
なお、自治体によっては、妊よう性温存にかかる費用の一部を助成する制度がある場合があります。詳細は、お住まいの県や市区町村のホームページの情報や担当の窓口にご確認ください。

6.治療後の生活について考える

治療が完了したあとは、長期的なフォローアップ(経過観察)のために、定期的に検査を行います。定期検査は、晩期合併症、再発や転移の早期発見に役立ちます。早く気付くことができれば、その分早く対処できます。また、気持ちのサポートや日常生活を送る上でのアドバイスも受けることができます。

なお、小児科でがんの治療を受け始めた場合には、長期的なフォローアップのための通院でも、成人の診療科を受診するタイミングを考える必要があります。

また、AYA世代は、就学や就職、結婚などに伴う転居によって、通院先や担当の医師が変わることもあります。それに備えて、これまでにあなたが受けてきた検査や治療の記録を整理してまとめておくことが大切です。検査や治療の記録は、通院先や担当の医師が変わった場合に、適切な治療を受けるための助けになります。

検査や治療の記録は、これまで治療を受けていた病院からもらうことができます。また、治療が終わってからの通院の頻度や、治療後の生活について、わからないことや疑問に思うことなども、遠慮なく医療者に尋ねてみてください。
■治療後のフォローアップや生活に関する医療者への質問の例
  • どのくらいの期間、定期的に検査を受ける必要がありますか?
  • 治療が終わってからは、どのような生活をしていけばよいですか?
関連情報
長期的なフォローアップ、治療や検査などの記録について掲載されています。
外部サイトへのリンクAYA世代のがんと暮らしサポート 心とからだ 身体への影響と対処 長期的な健康管理

7.家族や周りの人との関わり、お金、学校、仕事について考える

がんと診断されて、家族のこと、お金のこと、学校のこと、仕事のこと、将来のことなど、さまざまなことが頭をよぎり、心配になったかもしれません。また、心に大きな衝撃を受けて何も考えられないような気持ちになったり、さまざまなことで悩んだり、どうしていいかわからなくなることもあるでしょう。
関連情報
がんと告げられたときに起こるかもしれない心への影響と対処や、ストレスを和らげるためのヒント、生活のヒントなどを紹介しています。
生活・療養

ほかの人の体験談が役に立つこともあります。以下では、がんを経験した年齢やがんの種類、病気との付き合い方や家族との関係、生活のミニヒントなど、さまざまなテーマ別に体験談を探し、読むことができます。
外部サイトへのリンクAYA世代のがんとくらしサポート 体験談

1)家族や周りの人との関わり方について考える

親、兄弟、恋人・パートナー、子どもとの関わりは生活の中で切り離せないことです。どのように接したらよいのか悩んだときには、話しやすい医療者やがん相談支援センターのがん専門相談員に相談してみましょう。患者会などの同じような経験をしたことがある人と出会える場があるかについても、相談することが可能です。
■家族や周りの人との関わり方に関する質問の例
  • 家族や周りの人に、どうやって病気について伝えたらよいでしょうか?
  • 家族や周りの人との関係に悩んでいます。どうしたらよいでしょうか?
  • 家族や周りの人との関係について、同じように悩んだ経験がある人と話すことができる場はありますか?
関連情報
親や、兄弟、恋人・パートナー、子どもとのコミュニケーションについて掲載されています。
外部サイトへのリンクAYA世代のがんとくらしサポート 家族・恋人

がん相談支援センターについて紹介しています。
あなたを支える「がん相談支援センター」

2)お金について考える

治療を受けるにあたっては、お金が必要です。治療のための医療費や生活費などの経済的な問題に対して、公的な助成・支援制度、介護・福祉サービスを利用できることがあります。治療にかかるお金のことや、利用できる制度やサービスがあるかどうかなどについては、ソーシャルワーカーやがん相談支援センターのがん専門相談員などにも質問したり相談したりすることができます。
■経済面に関する質問の例
  • 治療費はどのくらいかかりますか?
  • 治療費以外にお金はかかりますか?
  • 医療費の負担を軽くする公的制度はありますか?
  • 傷病手当金の受給や保険料の支払い減免、生活費の助成など、利用できる制度はありますか?
関連情報
お金と生活の支援について、利用できる公的制度や相談窓口、生活費等の助成や給付などについて確認できます。
お金と生活の支援

AYA世代が活用できる医療費などの公的助成制度や、教育費、国民年金保険料の免除・納付猶予制度、相談窓口が掲載されています。
外部サイトへのリンクAYA世代のがんとくらしサポート 生活 経済的な支援

3)学校生活について考える

治療中や入院中は、これまでと同じように学校生活を送ることが難しくなるかもしれません。休学や復学、進学について、多くの人が悩んだり不安になったりします。そのようなときには、ひとりで悩まず、家族や友達、教職員、医療者など周りの人に相談してみてください。
■学校生活との両立に関する質問の例
  • 学校は休まないといけませんか?休むとすると、どのくらいの期間ですか?
  • 病気や治療について、学校の先生にはどのように説明したらよいですか?
  • 学校生活で気を付けることはありますか?
関連情報
治療中や治療後の就学、卒業、進学に関する支援、学校や教職員とのコミュニケーションについて掲載されています。
療養中の就学小児がん情報サイトへのリンク
外部サイトへのリンクAYA世代のがんとくらしサポート 学校 就学に関する支援
外部サイトへのリンクAYA世代のがんとくらしサポート 学校 教職員とのコミュニケーション

4)仕事について考える

これから就職する人、すでに仕事に就いている人、治療をしながらこれまでと同じように仕事を続けたいと考える人、一度休職してその後復職を計画する人など人それぞれです。新しく別の仕事に就きたいと考える人もいるかもしれません。

治療と仕事の両立に関することは、状況も選択も人によってさまざまです。仕事について考えるときには、自分の治療の状況や体の状態について担当の医師などの医療者にも確認し、知っておくことが大切です。

また、がん相談支援センターでは、治療と仕事の両立などこれからの働き方、職場への相談のしかた、就職活動、休職や復職などについても相談することができます。これからどのようにキャリアを積んでいくのかを考えるときには、他の人の体験が参考になるかもしれません。
■仕事との両立に関する医療者への質問の例
  • 仕事をする上で気を付けることや、制限されることはありますか?
  • 入院期間はどのくらいですか?いつごろ復帰できますか?
  • 職場や上司には、体の状態についてどのように伝えればいいでしょうか?
関連情報
これからの働き方や、職場への相談のしかた、就職活動のヒント、休職や復職、法的な権利や相談窓口が掲載されています。
がんと仕事のQ&A
外部サイトへのリンクAYA世代のがんとくらしサポート 仕事 就労に関する支援情報

これから就職を目指す若者や、働くことに悩みを抱える若い世代に向けた情報が提供されています。
外部サイトへのリンク厚生労働省 わかものハローワーク
外部サイトへのリンク厚生労働省 地域若者サポートステーション

8. 「AYA世代の人へ」参考文献

1) 平成27-29年度厚生労働科学研究費補助金(がん対策推進総合研究事業)「総合的な思春期・若年成人(AYA)世代のがん対策のあり方に関する研究」班編.医療従事者が知っておきたいAYA世代がんサポートガイド 第1版.2018年,金原出版
2) National Cancer Instituteウェブサイト;Adolescents and Young Adults with Cancer; 2018 (閲覧日2020年8月24日) https://www.cancer.gov/
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