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医療費の負担を軽くする公的制度

更新・確認日:2018年11月12日 [ 履歴 ]
履歴
2018年11月12日 「公的医療保険の仕組み」と「医療費の負担を軽くするための制度」を合わせて1ページに再構成し、 「2.高額療養費制度」に厚生労働省の資料(PDF)へのリンクを追加しました。

1.公的医療保険が適用される費用

治療にかかる費用には、公的医療保険が適用されるものと適用されないものがあります。

公的医療保険には、会社員が加入する健康保険のほか、自営業の方や、会社を退職した方が入る国民健康保険など、いくつかの種類があります。その種類によって、手続きの窓口や、受けられるサービス内容が異なることもありますので、一度確認しておきましょう。
表1 公的医療保険の種類
保険の種類 被用者保険 (職域を土台とした保険) 地域保険 高齢者医療制度
健康保険 船員保険 共済組合 国民健康保険 長寿医療制度
(後期高齢者医療制度)
運営する保険団体(保険者) 組合管掌健康保険(組合健保) 全国健康保険協会管掌健康保険 協会けんぽ(前・政府管掌健康保険) 全国健康保険協会船員保険部 各共済組合 各都道府県
各市区町村
後期高齢者医療広域連合
問い合わせ窓口 各健康保険組合 全国健康保険協会の各都道府県支部 各市区町村の窓口 各市区町村の窓口
主な加入者 会社員とその扶養家族 船員とその扶養家族 公務員とその扶養家族 75歳未満でその他の保険に加入していない方 75歳以上の方
65歳以上75歳未満で一定の障害がある方(要認定)

1)公的医療保険が適用される費用

手術代、検査代、薬代といった直接的な治療費です。費用全体のうち患者さんが支払う割合は、70歳未満の成人では3割などと自己負担割合が決められ、残りは公的医療保険から支払われます。

2)公的医療保険が適用されない費用

開発中の試験的な治療(先進治療など)や、試験的な薬(治験)・医療機器を使った治療費、入院中の差額ベッド代などには公的医療保険が適用されません。

公的医療保険が適用されない治療やサービスについては、通常実施前に患者さんや家族に説明があります。

3)公的医療保険が適用されない(保険適用外)診療を受けた場合

全額が自己負担となります。

また、保険適用の治療と併せて公的医療保険が適用されない治療を受けた場合は、原則として保険適用分も合わせた全額が自己負担となります。

ただし、「先進医療」や「医薬品、医療機器、再生医療等製品の治験に係る診療」など、厚生労働省が認めた治療については、保険適用外の診療と、保険診療の併用が認められ、保険適用の治療部分については公的医療保険の給付の対象になります。

4)治験について

治験薬(試験薬)の費用とその治験(試験)に関する検査費用は、治験依頼企業(製薬会社)が負担します。ただし初診料など、治験に関係ない治療に関しては、一般の公的医療保険適用の自己負担分がかかります。

2.高額療養費制度

治療にかかる費用のうち、公的医療保険が適用される費用については、高額療養費制度を利用することができます。

この制度では、ひと月(月の1日~末日)に医療機関や薬局の窓口で支払った額が一定の金額を超えた場合に、その超えた金額が払い戻されます。
払い戻しまでには少なくとも3カ月程度の期間を要しますが、事前に「限度額適用認定証」(住民税非課税世帯の方は「限度額適用・標準負担額減額認定証」)の手続きを行うことで、ひと月の支払額そのものを自己負担限度額までとすることができます。認定証については、加入している、健康保険組合、協会けんぽ、市区町村(国民健康保険・後期高齢者医療制度の窓口)などにお問い合わせください。

費用の算出にあたっては、原則、以下のようなルールが適用されます。
・ 月の初めから終わりまでの暦月ごとに計算
・ 医療機関ごとに計算
・ 同じ医療機関でも入院と外来は別計算
・ 同じ医療機関でも医科と歯科は別計算
・ 入院時の食費負担や差額ベッド代などは対象外

ご本人が負担する費用の上限額(自己負担限度額)は年齢や所得に応じて定められています。また、条件によっては、同じ月の別の医療機関の受診や入院、同一世帯の家族の受診などについても合算できる場合があります。

3.高額医療・高額介護合算療養費制度

世帯内の同一の医療保険の加入者の方について、毎年8月から1年間にかかった医療保険と介護保険の自己負担額を合計し、基準額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。基準額は、その世帯の所得や年齢構成によって定められます。
「高額療養費制度」が「月」単位で負担を軽減するのに対して、この制度は「年」単位で負担を軽減する制度となります 
手続きの窓口は、各市区町村役場の介護保険の窓口、加入する公的医療保険の窓口です。

外部サイトへのリンク全国健康保険協会(協会けんぽ) 高額療養費・高額介護合算療養費

4.所得税の医療費控除

1月1日から12月31日までの1年間に一定以上の医療費の自己負担があった場合に、納めた税金の一部を還付する制度です。また、翌年の住民税額は、控除が反映された所得額をもとに算出するので割安になります。手続きの窓口は、お住まいの住所地を所轄する税務署です。

●医療費控除の対象となる主な費用について
  • 医師や歯科医師による診療または治療に伴う費用
  • 通院交通費(ガソリン代や駐車料金は除く)、医師などの送迎費、入院時の部屋代(必要がある場合)や食事代、医療器具の購入費・賃借料など
  • 介護保険サービス(介護予防サービスも含む)利用料のうち、療養上の世話の対価に相当する部分
  • 訪問看護、訪問リハビリテーション(リハビリ)、通所リハビリ(デイケア)、医療機関や介護老人保健施設でのショートステイなど
  • 治療目的でのマッサージ・指圧師、鍼灸(しんきゅう)師、柔道整復師などの施術費用
  • 医薬品代(治療または療養のために、薬局・薬店で購入した市販薬も含む)など
外部サイトへのリンク国税庁 医療費を支払ったとき

5.石綿(アスベスト)による健康被害の救済制度

過去に石綿(アスベスト)を取り扱う業務に従事していた人たちが、石綿を原因とした肺がんや中皮腫などを発病した場合、労災補償の対象となります。労災保険(労働者災害補償保険)の給付を受けるためには、仕事が原因でその病気を発病したと労働基準監督署長から認定を受ける必要があります。申請方法などは、労働基準監督署にお問い合わせください。

この病気は、潜伏期間が長い(平均40年前後)ことから、原因の特定が難しいとされています。労災保険制度で補償されない場合や、「石綿による健康被害の救済に関する法律」が施行される前に死亡した方の遺族は、「石綿健康被害救済制度」による救済給付や特別遺族給付金を受けられる場合があります。

1)アスベスト関連窓口

(1)中皮腫、肺がんなどアスベストが原因で病気になった方の補償・救済制度

●業務でアスベストを扱っていた方の申請窓口(労災保険制度)
外部サイトへのリンク厚生労働省 都道府県労働局(労働基準監督署)所在地一覧

●アスベストが原因で病気になった方の申請窓口(救済制度)
労災保険等の対象とならない方に対し、医療費などの救済給付を支給する制度です。
外部サイトへのリンク(独)環境再生保全機構 アスベスト(石綿)健康被害の救済(救済給付の概要)

(2)アスベスト・アスベスト関連の病気に関する情報

●アスベストとその健康被害、救済制度についての解説
外部サイトへのリンク(独)環境再生保全機構作成パンフレット「アスベスト(石綿)と健康被害」(PDF)

●アスベスト関連疾患の診断・治療の中核となる医療機関
全国の労災病院25施設に「アスベスト疾患ブロックセンター」「アスベスト疾患センター」を設置し、患者さんからの問い合わせに専門医が対応しています。
外部サイトへのリンク(独)労働者健康安全機構 アスベスト疾患センター一覧

6.子どもの医療費の助成について

1)乳幼児医療費助成制度、子ども医療費助成制度

子ども(主に中学生まで)の医療費の一部または全額を自治体が負担する制度です。自治体ごとに、助成基準(扶養義務者の所得制限など)が異なるため、詳細はお住まいの市区町村の児童福祉担当の窓口にお問い合わせください。

2)小児慢性疾患医療費助成制度

小児がんと診断された場合には、健康保険のほかに、「小児慢性特定疾病医療費助成制度」が利用できます。対象は18歳未満の児童で、18歳になったあとも引き続き治療が必要であると認められる場合は20歳未満まで対象となります。

この医療費助成制度では自己負担限度額(月額)が生計中心者の所得に応じて定められ、それを超えた額は免除されます。なお、医療費助成の対象となるのは、都道府県知事または指定都市・中核市の市長が指定した「指定医療機関」で受診した際の医療費です。

外部サイトへのリンク小児慢性特定疾病情報センター 医療費助成

7.ひとり親家庭医療費助成制度

ひとり親家庭の医療費が助成される制度です。子どもが18歳に達した年度の末日(障害がある場合は20歳未満)まで、親と子の自己負担額の全部または一部が助成されます。

自治体により助成基準(扶養義務者の所得制限など)が異なるため、詳細はお住まいの市区町村の児童福祉担当窓口にお問い合わせください。

8.障害者の医療費の助成制度

心身に重度の障害がある方の医療費の自己負担分の全額が助成される制度です。自治体により助成基準が異なるため、詳細はお住まいの市区町村窓口にお問い合わせください。

9.無料低額診療事業

生活に困窮している方が、無料低額診療を実施している医療機関で、無料または低額で診療を受けられる制度です。自己負担額は相談により決められます。実施医療機関または、お住まいの管轄の福祉事務所(市役所の福祉担当など)にご相談ください。

10.医薬品副作用被害救済制度

医薬品を適正に使用したにもかかわらず副作用による健康被害が生じた場合に、医療費などの給付が行われます。ただし損害賠償請求ができるものは除きます。

外部サイトへのリンク独立行政法人医薬品医療機器総合機構 医薬品副作用被害救済制度

11.その他治療に関わる費用について注意すること

治療に際しては、治療費以外にも費用がかかることがあります。

入院時の差額ベッド代(室料差額)は、治療費以外の費用のうち大きなものですが、本人の希望で個室を選んだ場合は、全額自己負担となり、高額療養費の対象からも外されます。このほか、通院の交通費、遠方の方が通院治療を受けるために宿泊施設を必要とする場合の費用、保険請求のための書類作成費用、諸雑費などの費用がかかることがあります。

このような費用については、公的な助成がありませんので注意が必要です。
よりよい情報提供を行うために、アンケートへの協力をお願いいたします。
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