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便秘

~がんの治療を始める人に、始めた人に~
更新・確認日:2018年11月15日 [ 履歴 ]
履歴
2018年11月15日 更新しました。
2004年12月02日 更新しました。
1997年03月24日 掲載しました。

ポイント

1.便秘について

便秘とは、便を十分にかつ快適に出し切れない状態です。

2.原因

主な原因には、食事や水分が十分にとれないこと、がんの治療に用いる薬の副作用、がんによる大腸の圧迫などがあります。

3.便秘になったときは

多くの場合、下剤を使います。それでも便秘が改善されないときには、便秘を生じやすい薬を減らすことなどを検討します。

4.ご本人や周りの人ができる工夫

  • できる範囲で体を動かす
  • 水分や食物繊維をとる
  • 落ち着いて排便できる環境や生活リズムを整える

5.こんなときは相談しましょう

  • 3日以上排便がないときや、下剤を使って1~2日たっても便が出ないときには担当医や看護師に相談しましょう。
  • 毎日排便があるか、量や硬さがどのようであるかを記録しておくと、診察の際に担当医に伝えるのに役立ちます。

1.便秘について

便秘とは、便を十分にかつ快適に出し切れない状態です。便秘が続くとおなかが張って苦しくなったり、吐き気や食欲低下につながったりすることもあるため、早めに対処することが大切です。

2.原因

がんの治療中に起こる便秘は、多くの場合、生活環境や生活リズムの変化などとも関わりながら、次のようなさまざまな原因が重なって起こります。

  • 食事や水分が十分にとれない、運動量が減る、気分が落ち込む
  • がんの治療に用いる薬(細胞障害性抗がん剤や分子標的薬など)や痛み止め(医療用麻薬)の副作用
  • がんによる大腸の圧迫や閉塞
  • 加齢、糖尿病、甲状腺機能低下症など

3.便秘になったときには

便秘の治療では、1日の排便回数が何回になるかということよりも、心地よい排便ができるようになることが大切です。

多くの場合、下剤を使います1,3)。それでも便秘が改善されないときには、便秘を生じやすい薬(医療用麻薬など)を減らす、下剤の量を調整するなどを検討します1)

便秘および便秘の予防に用いる薬のタイプには、のみ薬、坐薬(ざやく)、浣腸(かんちょう)があります。
薬の種類には、便に水分を含ませ軟らかくする薬(酸化マグネシウム)、腸を刺激し大腸の動きを促進する薬(センナ等)、腸液の分泌を促し便を軟らかくする薬(ルビプロストン等)、医療用麻薬による便秘を予防し改善する薬(ナルデメジン)などを用いることがあります1~3)

薬の種類や量は、症状の強さや効果の具合によって担当医や薬剤師、看護師と相談しながら調整していきます。

4.ご本人や周りの人ができる工夫

便秘の原因によっては、ご本人や周りの人が工夫できることもあります。

1)できる範囲で体を動かす

無理のない範囲で体を動かすことは、便秘の予防につながります1,3,4)。外出したり歩いたりできない場合には、ベッドの上でおなかを動かしたり、ベッドからいすに移る運動をしたりするだけでも、腸を刺激して排便を促す効果があります。おなかをやさしくマッサージする方法や、腰やおなかを温める方法もよいでしょう3)

2)水分を摂取する

水分を十分にとり、脱水を予防することは便秘の予防に効果的です1,3~5)。摂取する水分量の目安は、個人により異なりますが、一般的には1日に1.5L程度です2,3)

3)食物繊維をとるなどの食事を工夫する

適度に体を動かし、水分を摂取していても便秘が続く場合には、食物繊維(特に水溶性食物繊維)を多く含んだものを食べることが効果的です1,3~5)。食物繊維は、主に豆類、きのこ、海藻、果物などに多く含まれます3,4)。ただし、体の状態によってはとりすぎるとよくない場合もあるので、医師と相談しましょう。また、ヨーグルトのような乳酸菌などの生きた微生物を含む食品は、適正な量をとると便秘を和らげる効果があるといわれています2,3)

病気の状態によっては食事や水分の制限もありますので、医師と相談しながら、食べられるものを、バランスよく食べることが大切です。

4)落ち着いて排便できる環境を整える

落ち着いて排便ができるトイレの環境を整えましょう3)。便意を感じたらすぐトイレに行き、我慢しないようにしましょう3,4)。我慢しすぎると腸の活動が悪くなり、便意を感じにくくなります3,5)。また、便意がなくても毎日決まった時間にトイレに行き、排便する習慣をつけることもよいといわれています3)

5)生活リズムを整えるなどのその他の工夫

排便のリズムを整えるためにも、生活リズムを整え、十分に睡眠をとり、ストレスをためないようにすることが大切です3,5)
排便するときには、肘を膝につけた前かがみの姿勢がよいといわれています2,3)

5.こんなときは相談しましょう

およそ3日以上排便がないとき、下剤を使って1~2日たっても便が出ないとき、腹痛や嘔吐(おうと)があるときには担当医や看護師に相談しましょう4)

また、おなら(排ガス)が出ない、腹痛がある、嘔吐する、おなかがひどく張る(腹部膨満感がある)と感じた場合には、腸閉塞の可能性もあるためすぐに担当医や看護師に伝えましょう。

下剤は、自分の判断で始めたりやめたりせず、まずは薬剤師や担当医に相談してからにしましょう。

また、毎日排便があるか、量や硬さがどのようであるかを記録しておくと、診察の際に担当医に伝えるのに役立ちます。

6.「便秘」参考文献

1) 日本緩和医療学会 ガイドライン統括委員会編.がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン2017年版,金原出版
2) 日本消化器病学会関連研究会 慢性便秘の診断・治療研究会編.慢性便秘症診療ガイドライン2017,南江堂
3) 日本がん看護学会監修.病態・治療をふまえたがん患者の排便ケア.2016年,医学書院
4) American Cancer Societyウェブサイト.https://www.cancer.org/,Constipation;2015(閲覧日:2018年11月10日)
5) National Cancer Instituteウェブサイト.https://www.cancer.gov/,Gastrointestinal Complications (PDQ®)–Health Professional Version;2018(閲覧日:2018年11月10日)
6) 森田達也 他 監修.緩和ケアレジデントマニュアル.2016年,医学書院

7.その他の関連情報

1) 外部サイトへのリンク(公財)神戸医療産業都市推進機構 がん情報サイト PDQ® 日本語版 消化管の合併症(PDQ®)

 ※海外の医療事情に基づく情報が含まれており、日本では認められていない治療や薬、行われない補完代替療法等の情報も含まれています。

●本ページの情報は、がん情報サービスの編集方針に従って作成しています。
必ずしも参照できる科学的根拠に基づく情報がない場合でも、有用性や安全性などを考慮し、専門家および編集委員会が評価を行っています。

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