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診断から復職まで(求職者の方向け)

更新・確認日:2019年03月26日 [ 履歴 ]
履歴
2019年03月26日 冊子第3版の内容に更新しました。
2014年12月22日 冊子第2版の内容に更新しました。
2013年10月25日 掲載しました。
Q9主治医は「治療しながら働ける」と言うのですが、副作用を考えると、自分では無理だと思います。主治医と自分の意見に相違がある場合はどうしたらよいでしょうか。     
A9復職を考えるときには誰でも「会社に迷惑をかけるのではないか」と不安になります。最終的に「働くかどうか」を決めるのはあなたご自身ですが、自分が必要以上に弱気になっていないか、立ち止まって考えてもよいでしょう。

また、主治医はあなたの仕事の詳細を把握しているでしょうか?副作用には個人差もありますから、ご自分の状況について、具体的な働き方を説明したり、これまでの経過を時系列でまとめたりして、医師に仕事をよく理解してもらった上で意見を聞きましょう。
ありがたかった主治医のサポート
術前抗がん剤治療に決まったので、休職すべきか主治医に相談。「外来治療が可能なので、一度受けてどんな感じかわかってから決めてもいいのではないか」とアドバイスされ、結局、休職せずに完了できました。主治医からは、どんな仕事でどんなところへの出張や外出が多いか、通勤時間や路線の混雑具合などを聞かれました。主治医も働く女性なので理解があると感じました。

当時、わが社では毎年1月に海外のリゾート地でその年の戦略や方向性を発表しトレーニングを行っていました。しかし手術が1月に決まったため私は参加できず、取り残されたような悔しさと不安を感じ、主治医に訴えたことがあります。主治医は「手術の遅れは命に関わるけど、仕事は元気になったらすぐに取り戻せる。海外出張なんて、きっとまたすぐに行けるようになるから!」と励ましてくれました。本当に翌年、アメリカ出張をして、主治医の言葉をありがたく思い出したものです。

〈女性 診断時48歳 乳がん 正社員〉
Q10自分はできるだけ早く元の職場に復帰したいと考えていますが、家族は「療養に専念したほうがいい」と強く言います。私にとって仕事は生きがいであり、やめたくないので口論になってしまいます。治療と就労が両立できるように、家族には自分を支えてほしいのですが…。     
A10ご家族としては、職場復帰によってあなたの体調や病気に悪影響が出ることが、何より心配なのです。「職場復帰したい」「やめてほしい」というお互いの主張をぶつけあうだけでなく、なぜそう思うのかを少し冷静に話し合ってはいかがでしょうか。あなたの人生にとって仕事がどういう意味をもつのか、ご家族はどういうところが心配なのか、時間をかけて話し合ううちに、誤解がとけたり、相手の立場や考えへの理解が深まったりするかもしれません。話し合いが感情的にならないように、誰か信頼できる第三者(親戚や友人など)に同席してもらうのもよいでしょう。

もちろん、職場復帰が体調面から現実的なのかどうか、主治医や職場関係者と十分に話し合うことが必要なのはいうまでもありません。また、家族の反対を押し切って職場復帰したのだから、と無理をすることも禁物です。

ご家族との関係について、患者会などでほかの方の体験談やご家族の意見を聞くことも参考になります。
家族とのコミュニケーション
妻には病院からの診断名を告げられた日に、医師から伝えられた内容を説明しました。私自身もわからないことだったので、その後いろいろ情報を集めて話をしました。病院で一緒に医師の説明を聞く機会は何度かありましたが、毎回は困難だったので、私の口からの不十分な説明で余計不安になっている部分があったように感じます。病状や治療の件については、なるべく専門家から直接話を聞く機会を多くとる方がよいと思います。

正直なところ、私の「心」の部分(不安など)はうまく話し合いができませんでした。心配し、気を使ってくれていることは伝わってくるし、本当にありがたいと感謝しています。ただ、私の立場からは不安なところを見せたくない、感じさせたくないという気持ちが働き、平穏な態度をとり続けてしまうところがあります。あまり気を使われると本人にとっては余計に「負担」になってしまう部分もあります。格好つけたがりの性格なので、弱い部分を見せたくないだけかも知れませんね。

患者本人はある意味「割り切る」ことができますが、周りの家族にとってはそれができず、この部分が非常に難しい点だと感じます。また妻にとっては「気を使う」ことで彼女自身を安心させている部分があるようにも思います。

本人もそうですが、それを支える家族にとっても、専門家や第三者の意見を聞き、相談できる機会を多く持つことが重要な気がします。自分だけ、家族だけで抱え込まないことが大切です。

〈男性 診断時41歳 胃がん 正社員〉
家族だって驚いた
夫が進行した胆管がんとわかったときには、とても動転しました。〈まさか!〉という気持ちで手術までは無我夢中。自分の病状をよく理解している彼がこの状況をどう受け止めているのか、知りたくても真正面から聞く勇気もありませんでした。

それでも何とか無事退院できたとき、彼がこれからの日々をどう過ごしたいのか、きちんと聞いておかなくては、と思いました。ひょっとしたら、仕事より優先したいことがあるのではないか、日々の過ごし方が大きく変わるのではないか、と思ったからです。

夫は年度単位でスケジュールが動く仕事をしていたので、ある日思い切って「来年度の仕事はどうするの?」 と聞いてみました。彼はきょとんとして、「するよ。当然でしょ、なぜ?」と即答。…聞いてよかったですね。大好きでやりがいのある仕事を続けるのが彼の意思なら、そこをしっかりサポートしようと思うことができました。幸い、その後の体調が予想よりも安定しているので、早まって職場をやめるようなことをせず、結果オーライだったと思います。

誰でも人生に限りがありますが、それが現実として見えたとき、たとえ家族であっても互いの気持ちを口にすることは難しいものですね。でも、思い切って聞いたことをきっかけにして「これからの話」がタブーにならず、少しずつ冷静に話ができるようになったような気がします。

〈女性 50代 家族〉
Q17どれくらい回復したら仕事に復帰できるのでしょう。治療後の体調がイメージできないので、休職期間を決めかねています。何か目安はあるでしょうか。     
A17仕事も病気も人それぞれですので、「休職期間はこのくらいがめど」と一概には言えません。治療計画についてできるだけ詳しく医師に説明し、意見を聞くとよいでしょう。

長期入院していた場合は、想像以上に足腰が弱っていたり、体力全体が落ちていたりするケースが多いものです。勤務に加えて、通勤にもエネルギーを使います。仕事に必要な体力が十分回復しているかどうか正確に予測することはプロの産業医であっても本当に難しいです。その確認のために職場復帰前に通勤のリハーサルをする方もいます。

復職直後はがんばってしまいがちですが、少しずつ仕事量を増やすような配慮がしてもらえるといいと思います。その際、産業医・産業看護職がいたら仲介に入ってもらうといいと思います。そのような配慮が得られた場合、ぜひ皆さまに感謝の言葉をかけてください。あなたの仕事が少ないということはほかの誰かが代わりにやっているということですので、そういったコミュニケーションが職場の円滑なコミュニケーションの秘訣です。
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