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リンパ浮腫

リンパ浮腫Q&A

~がんの治療を始める人に、始めた人に~
  • Q1 手術のあと、どれくらいの期間、リンパ浮腫に気をつける必要がありますか?

    A1

    手術でリンパ節を切除した場合は、手術直後にリンパ浮腫が起こることもあれば、何年も経ってから起こることもあります。手術した側の腕や脚のむくみには、生涯気をつける必要があります。

  • Q2 リンパ浮腫かなと思ったら、どこに相談すればよいですか?

    A2

    まずは、治療を受けた病院に相談しましょう。治療を受けた病院を受診することが難しい場合は、リンパ浮腫の診療を行っている病院に受診ができるかどうか相談しましょう。

    リンパ浮腫外来があるがん診療連携拠点病院の検索には、がん情報サービスの「病名から病院を探す」を利用することができます。病院の探し方が分からないときや、症状に不安があるときなどは、がん相談支援センターで相談しましょう。

    病名(がんの種類)を入力し、「対応可能な診療と特徴」から「リンパ浮腫外来」を選択してください。
  • Q3 リンパ浮腫は治りますか?

    A3

    リンパ浮腫は一度起こると完治は難しいとされていますが、適切な治療を受けることで症状を軽くしたり、悪化を防いだりすることができます。そのため、リンパ浮腫を早く見つけて早期に治療を受けることや、日常生活でむくみの観察やスキンケアを続けることが大切です。

  • Q4 リンパ浮腫を予防する方法はありますか?

    A4

    リンパ浮腫を完全に防ぐことは難しいですが、日常生活の中でケアや工夫を取り入れることで、発症のリスクを減らすことができます。具体的な方法として、以下のものがあります。

    • スキンケアを行って皮膚の細菌感染(蜂窩ほうか織炎しきえん)を予防する
      (皮膚の清潔を保つ、保湿を心がける、傷をつくらないようにする)
    • 肥満を予防する
    • リンパ液の流れを促す
      (適度な運動を行う、皮膚の締め付けを避ける)
    • 体に大きな負担を掛けないようにする

    特に、肥満や蜂窩織炎はリンパ浮腫を発症するきっかけになることが少なくないため、注意するようにしましょう。

  • Q5 リンパ浮腫の予防や治療のために、マッサージを自分でしたり受けたりしてもよいですか?

    A5

    自分で行うマッサージや、お店などで受ける一般のマッサージは、リンパ浮腫の予防や治療には効果がありません。

    なお、リンパ浮腫の治療として行われるマッサージには、用手的ようしゅてきリンパドレナージがあります。このマッサージは、リンパ浮腫を起こしている部位に手のひらを密着させて、優しくストレッチをするように施術します。医師の指示のもと、訓練を受けた看護師や理学療法士、作業療法士などが行うもので、一般のマッサージとは異なります。
    リンパ浮腫を起こしている部位に一般のマッサージを行うと症状が悪化することがあるため、避けるようにしましょう。

  • Q6 腋窩えきかリンパ節郭清(わきの下のリンパ節の切除)を受けました。手術した側の腕で採血をしたり、血圧を測定したりしても大丈夫ですか?

    A6

    採血や血圧測定がリンパ浮腫を起こす原因になるといった科学的根拠はありません。ただし、すでにリンパ浮腫が起こっている腕での採血は控えましょう。
    採血や血圧測定に不安があるときは看護師に相談しましょう。

  • Q7 リンパ浮腫を起こしている場合、スポーツを控えた方がよいですか?

    A7

    リンパ浮腫を起こしている場合でも、必ずしもスポーツを控える必要はありません。ただし、急に激しい運動を始めることや、リンパ浮腫を起こしている皮膚に強い刺激が加わるような運動(バレーボールのように皮膚に接触が多いスポーツ)は症状を悪化させる恐れがあるので、注意しましょう。

    具体的な運動やスポーツの種類や強度については、担当医や看護師などに相談し、自分の状態に合った方法を選びましょう。

  • Q8 リンパ浮腫を起こしている皮膚が赤く腫れてきました。どうすればよいですか?

    A8

    傷口などから細菌に感染して炎症を起こす「蜂窩ほうか織炎しきえん」になっている可能性があります。蜂窩織炎の治療には、原因となっている細菌に対する抗菌薬の投与が必要になるため、できるだけ早く病院を受診するようにしましょう。38度以上の高熱が出ることもあります。なお、蜂窩織炎は、リンパ浮腫が起こったり悪化したりするきっかけになることがあります。

  • Q9 リンパ浮腫に用いる弾性ストッキングの購入費用は助成されますか?

    A9

    がんの手術後のリンパ浮腫の治療に使用される弾性ストッキング、弾性スリーブ、弾性グローブおよび弾性包帯などの費用は、療養費として申請することにより、購入費用の一部が戻ってくる場合があります。弾性着衣や弾性包帯を購入する前に担当の医師に確認しましょう。

参考文献

  1. 日本リンパ浮腫学会編.リンパ浮腫診療ガイドライン2024年版 第4版.2024年,金原出版.
  2. 日本リンパ浮腫学会編.患者さんのためのリンパ浮腫ガイドライン2025年版.2025年,金原出版.
  3. 日本婦人科腫瘍学会編.患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン第3版.2023年,金原出版.
  4. 日本乳癌学会編.患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版.2023年,金原出版.
  5. 日本がんサポーティブケア学会編.Q&Aで学ぶリンパ浮腫の診療.2019年,医歯薬出版.
  6. 日本がんサポーティブケア学会編.がん支持療法テキストブック.2022年,金原出版.
  7. 宇原久.がん患者の皮膚障害アトラス.2024年,医学書院.
  8. American Cancer Societyウェブサイト.(閲覧日:2025年4月23日)https://www.cancer.org/cancer/managing-cancer/side-effects/swelling/lymphedema.html

作成協力

更新・確認日:2025年09月05日 [ 履歴 ]
履歴
2025年09月05日 内容を確認し、更新しました。
2019年10月15日 掲載しました。
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