1.パラガングリオーマについて
1)パラガングリオーマとは
パラガングリオーマは、胸部、腹部、膀胱、頭頸部(脳と目を除いた首から上の部位)などにある傍神経節という組織から発生する腫瘍です。傍神経節腫と呼ばれることもあります。
パラガングリオーマは、交感神経系由来のものと副交感神経系由来のものに分けられます。
交感神経系由来のパラガングリオーマは胸部、腹部、膀胱などから発生し、血圧や心臓の働きを調整するカテコラミンというホルモンを過剰に分泌する特徴があります。
一方で、副交感神経系由来のパラガングリオーマは、頭頸部に発生することが多いです。交感神経系由来のパラガングリオーマとは異なり、カテコラミンの分泌が過剰になることはありません。
パラガングリオーマと同じようにカテコラミンを過剰に分泌する腫瘍として、副腎髄質に発生する褐色細胞腫があります。パラガングリオーマと褐色細胞腫は同じ性質を持つ腫瘍ですが、発生する部位によって異なる呼び方をします。
なお、パラガングリオーマと褐色細胞腫の約30~40%は、遺伝性腫瘍(生まれつきもっている遺伝子の変化が関わっている腫瘍)であることが報告されています。褐色細胞腫や遺伝性腫瘍についての詳細は関連情報をご参照ください。
2)症状
交感神経系由来のパラガングリオーマでは、カテコラミンが過剰に分泌されることによって、血圧や血糖値が高くなることがあります。また、頭痛や動悸、便秘、汗をかきやすい、疲れやすい、不安な気持ちが強くなるなど、さまざまな症状が起こることもあります。
副交感神経系由来のパラガングリオーマでは、腫瘍ができた場所によって耳鳴りや神経障害などが起こる場合があります。腫瘍ができてもすぐに症状が出ないこともあります。
3)さらに詳しい情報
パラガングリオーマは、診断される人が人口10万人あたり6例(人)未満のがんです。このように、診断される人が少ないがんのことを希少がんといいます。パラガングリオーマや治療に関する詳しい情報は、国立がん研究センター希少がんセンターのウェブサイトで公開されています。
2.相談先・病院を探す
希少がんの電話相談窓口や病院の探し方に関する情報は関連情報のページをご覧ください。
なお、がんに関する相談窓口「がん相談支援センター」は、全国の「がん診療連携拠点病院」「小児がん拠点病院」「地域がん診療病院」に設置されています。がんや治療、仕事やお金、生活の工夫や利用できるサポートなど、困ったときにはどのようなことでも相談することができます。情報や病院などが見つからないときにもご相談ください。
3.検査・治療や療養などに関する一般的な情報
がんの診断から治療までの流れや治療などに関する情報は関連情報のページをご覧ください。
作成協力
国立がん研究センター希少がんセンター