1.褐色細胞腫について
1)褐色細胞腫とは
褐色細胞腫は、副腎髄質から発生する腫瘍です。約30~40%は、家族内で発症する遺伝性腫瘍であるといわれています。
副腎髄質は、左右の腎臓の上にある副腎の中心部分です。副腎は、左右の腎臓の上にあり、中心部を副腎髄質、外側を副腎皮質といいます。副腎髄質は、血圧や心臓の働きを調節するカテコラミンと呼ばれるホルモンを分泌しています。
褐色細胞腫は、カテコラミンを過剰に分泌する特徴があります。
褐色細胞腫と同じようにカテコラミンを過剰に分泌する腫瘍に、パラガングリオーマがあります。パラガングリオーマは、副腎髄質以外の場所で発生します。
なお、副腎皮質から発生する悪性腫瘍は「副腎皮質がん」と呼ばれ、褐色細胞腫とは区別されます。
2)症状
褐色細胞腫がカテコラミンを過剰に分泌することによって、血圧や血糖が高くなることがあります。頭痛がする、動悸がする、汗をかきやすい、便秘になる、不安な気持ちが強くなるなどの症状が起こることもあります。
2.検査
がんの疑いがあるときや治療中・治療後に受けることの多い検査についての情報は、「がんの検査について」をご参照ください。
3.治療
褐色細胞腫の治療に関する情報が掲載されています。
4.療養
「症状を知る/生活の工夫」には、がんの治療に伴う症状や自宅での生活の工夫などに関する情報を掲載しています。
がんと診断されてからの仕事については「がんと仕事」、医療費や利用できる制度、相談窓口などのお金に関する情報は「がんとお金」をご参照ください。また、「がん相談支援センター」でも相談することができます。
「地域のがん情報」では、各都道府県等が発行しているがんに関する冊子やホームページへのリンクを掲載しています。併せてご活用ください。
5.臨床試験
国内で行われている褐色細胞腫の臨床試験が検索できます。
がんの臨床試験を探す チャットで検索
※入力ボックスに「褐色細胞腫」と入れて検索を始めてください。チャット形式で検索することができます。
がんの臨床試験を探す カテゴリで検索 腹部の希少がん
※「カテゴリで検索」では、広い範囲で検索します。そのため、お探しのがんの種類以外の検索結果が表示されることがあります。
- 臨床試験への参加を検討したい場合には、今おかかりの担当医にご相談ください。
- がんの種類によっては、臨床試験が見つからないこともあります。また、見つかったとしても、必ず参加できるとは限りません。
6.患者数(がん統計)
褐色細胞腫は、新たに診断される人が、1年間に10万人あたり1人未満と少ないがんです。
7.相談先・病院を探す
情報や病院などが見つからないときにはご相談ください。
8.関連する情報
がんの治療を始めるにあたって、参考となる情報です。
9.参考資料
- 日本内分泌学会「悪性褐色細胞腫の実態調査と診療指針の作成」委員会編.褐色細胞腫・パラガングリオーマ診療ガイドライン2018.2018年,診断と治療社.
- Matsuda T,et al.Rare cancers are not rare in Asia as well: The rare cancer burden in East Asia.Cancer Epidemiology.2020;Volume 67,doi/10.1016/j.canep.2020.101702.