1.子どもががんと言われた親の心に起こること
がんという診断を受けることで、わが⼦を失うかもしれないという恐怖で⼼がいっぱいになる⽅が多いでしょう。何がいけなかったのだろうかと思い悩んだり、早く気付けなかったという罪悪感にさいなまれたり、⾒守ることにつらさを感じたりすることもあるかもしれません。ご家族も気分が悪くなったり、体調を崩したりすることがあります。
⼦どもががんになると、家族の⽣活は大きく変わります。精神的な衝撃を受ける中で、担当医から説明される治療について理解し、⼦どもに伝え、判断していかなければなりません。検査や治療の際には、親が付き添って病院に泊まり込む場⾯もあるでしょう。⾯会時間のみで帰宅できる場合でも、体と⼼には負担がかかります。無理をせず休めるときに休むことも⼤切です。
不安を抱えながら仕事も続け、さらにきょうだいの世話もしなくてはなりません。つらいときは、周囲に助けを求めましょう。医療者やがん相談⽀援センターはもちろん、⽀援団体など、⼩児がんの子どもと家族を⽀えようという⼈や機関があります。抱え込まずに、これらを利⽤しましょう。
つらい感情が持続し、⽣活に⽀障が生じる場合は専⾨家による⼼のケアを受けることをお勧めします。「療養中の⼦どもに申し訳ない」などと考えずに、ぜひ相談してください。ご家族の受診の費⽤に関しても健康保険が適⽤されます。
2.きょうだいへのケア
親の関⼼が、1⼈の⼦どもに集中してしまうと、きょうだいは寂しい思いをします。親に⽢えられなかったり、何かあっても相談できないという場合があるかもしれません。また、病気の⼦どもだけが⼤事にされているように感じてしまうこともあります。
しかしそれよりも、⾃分も家族の⼀員であるのに、何が起こったのかはっきり理解できないまま、取り残されているという疎外感が、寂しさの原因になる場合もあります。理解できる範囲で病気のことや今後の⾒通しについて、医療者や親がしっかりと、きょうだいに説明をしておくことが⼤切です。病院によっては⾯会に年齢制限があるなど、⼊院中にきょうだいを会わせるのが難しい場合もありますが、できるようであれば会わせたり、電話で話すなどしましょう。
通学している場合はきょうだいの担任にも事情を伝えるなど、早めに対応して周りの⼈の協⼒を得るようにしましょう。
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