がんやがんの治療は、日常生活に影響します
がんの治療中は、入院や定期的な通院、自宅での療養が必要となるため、学業や仕事、家事や育児、介護などのこれまでの日常生活に影響が出る場合が多くあります。
これまで通りの生活を続けながら治療を受ける人もいますが、今まで家庭や職場などで担ってきた役割を一時的に変わってもらうことや、サポートが必要になる人もいます。
周りの人に話し、力を借りてください
周りの人に病気や治療のことを知ってもらうことで、心配や不安なことを相談したり、一時的に役割を代わってもらったりするなど、治療を受けながらの生活への理解とサポートを得やすくなります。また、相談しやすくなり、心配ごとが思いもよらぬかたちで解決することもあります。
周りの人に病気や治療のことを必ず伝えなければならないわけではありませんが、できれば家族や友人、職場の上司や同僚、学校の先生などに病気のことを伝え、力を借りてください。
自分のペースで伝えましょう
診断されたばかりのときは、「病気のことを周りの人に伝えたくない」と思うことや、「病気のことを伝える余裕がない」と思うことがあるかもしれません。そのようなときに、急いで周りの人に病気のことを伝える必要はありません。
病気のことを伝えるのは、治療方針や治療のスケジュールなどが決まり、落ち着いて話ができるようになってからでも遅くはありません。
誰に伝えるかを考えましょう
家族や親しい友人などのあなたにとって身近な人にはできるだけ伝えましょう。伝えることで心配をかけてしまうと思うかもしれません。しかし伝えていなければ、家族や親しい友人はあなたの変化に気付いても、実際に何が起こっているか分からず、かえって心配するかもしれません。
職場の上司や学校の先生など、自分が担っていた役割を交代してもらいたいときや、何らかのサポートをしてもらいたい場合には、治療が始まる前にどんなことをしてもらうと助かるかを伝え、調整しておくと安心です。
どんなことを伝えるかを考えましょう
病気のこと、検査や治療の予定、医師から説明されたこと、あなたがどのような生活を送っていきたいか、病気や治療によって生活にどのような影響があるかなどを伝えるとよいでしょう。ただ、全てのことを伝える必要はありません。相手によって、伝える内容や範囲は変えてかまいません。
以下は、どんなことを伝えるかを考えるときのヒントです。あらかじめメモにまとめておくことで、落ち着いて話をすることができます。
- 知っておいてもらいたいことを中心に伝える(全てを細かく伝える必要はない)
- 伝えることと伝えないことを事前に整理しておく
- 質問されそうなことへの答えを考えておく
- これまでと同じように役割を担うことが難しくなる場合に、協力してもらいたいことなどを書き出しておく
さらに、病気のことを伝えたあとは、どんなふうに接してもらいたいか(今までと同じように接してほしい、疑問に思うことは聞いてほしい等)、してほしくないこと(気を使いすぎないでほしい、科学的根拠が不十分な情報や体験談は伝えないでほしい等)についても伝えておくとよいでしょう。
がん相談支援センターにも相談できます
周りの人に伝えるかどうかや、伝え方、伝える内容に悩んだときには、がん相談支援センターをご利用ください。がん相談支援センターでは、周りの人にどう伝えるかといった、周りの人とのかかわりについても相談することができます。がん相談支援センターに関する詳しい情報は、関連情報をご覧ください。