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周りの人とのコミュニケーション

未成年の子どもがいるがんと診断された方へ:子どもとのかかわりを考えるときに

がんと診断されたとき、動揺するのは無理もありません。気持ちが不安定になったり、やり場のない思いがあらわれたりすることは自然な心の反応です。

このような状況の中では、「これから子どもを育てていけるのか」「子どもを世話しながらどうやって治療を受けていこうか」「子どもに病気のことを伝えた方がいいのだろうか」「子どもに心配をかけてしまう」など、さまざまな心配や不安、悩みや困りごとを抱えることもあるでしょう。また、子どもと向き合う気持ちになれなかったり、子どもにきつくあたってしまったりすることがあるかもしれません。

このページでは、主に未成年の子どもがいる方に向けて、まずはあなた自身のことを優先してよいことや子どもとのかかわりについてなど、知っておいていただきたいことをまとめました。特に、病気について子どもと話すことや、利用できる制度に関する情報を中心に紹介しています。

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まずはがんの治療や体調を優先しましょう

子育てをしているときは、子どもに合わせた生活を送ることが多く、自分のことは後回しになりがちですが、まずは自分のがんの治療や体調を優先しましょう。そのためには、制度やサービスを活用し、状況に合わせて、育児や家事、仕事などについて、家族や友人など周りの人にサポートを依頼することも考えてみましょう。

制度やサービスの利用方法が分からなかったり、サポートを依頼できる人がいなかったり、相談先が分からない場合などは、まずはがん相談支援センターに相談しましょう。治療のことや治療中の生活について分からないことや困ったこと、心配なことは、担当医や看護師などの医療者にも相談することができます。何を相談してよいか分からないときには、困ったことを書き出しておき、まずは聞いてみることから始めてみましょう。

がん相談支援センターについて紹介しています。

子どもとのかかわりや、病気について子どもに話すかどうかは人それぞれです

治療や体調、気持ちの状態によっては、これまでと同じようにいかないこともありますが、がんと診断されたあとも、子どもとコミュニケーションをとっていくことが大切だといわれています。

しかし、体調や気持ちがすぐれないときは、子どもとコミュニケーションをとることが難しいことがあるかもしれません。そのようなときには、無理をする必要はありません。できるときにできる範囲で、体調がすぐれない理由を伝え、子どものことを大切に思っている気持ちを伝えられるとよいでしょう。

また、病気について子どもと話すかどうかは、がんと診断された本人の意向、病気や治療の状況、子どもの年齢や発達、家族関係、家族の生活、育児の方針などによって異なります。子どもと話さない人、話せない人、話すかどうか迷っている人、話したいけれどどうしたらよいか分からない人、話したあとの接し方に悩んでいる人、さまざまな考えや思いがあるでしょう。

病気について子どもと話すかどうかに正解はありませんし、考えが変わるのも自然なことです。大切なことは、子どもと接する家族や周りの大人が、病気について子どもと話すことに関する考えや方針を共有しておくことです。

以下のページ「病気について子どもに伝える」では、がんについて子どもに話すことについて、「伝えたくない・伝えられない方へ」「伝えることを迷っている方へ」「伝えたいけれど、どうしたらよいか分からない方へ」に分けて、ヒントを紹介しています。

子どもとのかかわりについての悩みや困りごとは、まずは相談してみませんか

子どもとのかかわりや、子育てをしながらの治療や生活に関する悩みや困りごとは、ひとりで抱え込まず、まずは話せる誰かに相談してみませんか。一緒に子育てをするパートナーや家族、いろいろなことを相談している友人など、誰かに話すことで、今の状況や気持ちが整理でき、気分が少し軽くなるかもしれません。担当医や看護師などの医療者や、「がん相談支援センター」にも、治療を受けながらの子どもとのかかわりやくらしについても相談することができます。

必要なときには、保育所や幼稚園の教職員、学校の担任や養護教諭、スクールカウンセラー等の教職員など、信頼でき、子どものことをよく知る周りの大人にも、可能な範囲で状況を伝え、子どもの様子を見守ってもらうように協力を依頼しておくのも一つの方法です。

また、同じような経験をした人と話したり、話を聞いたりすることで、気持ちが軽くなったり、参考になる情報が得られることもあるかもしれません。患者会や患者サロン、ピアサポートなどの患者同士が出会える場、支え合う場を利用したいと思ったときには、がん相談支援センターで情報を得ることができます。

国立がん研究センター研究開発費「AYAがんサバイバー向け療養サイトの評価に関する研究」によって、作成・運営されているサイトです。病気や治療がAYA世代がん経験者の心やからだ、くらしに与える影響や、対応するときのヒント、体験談などが紹介されています。なお、AYA世代とは、Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の頭文字をとったもので、主に、思春期(15歳~)から30歳代までの世代を指しています。
学校の先生に向けて、がんになった親を持つ子どもの変化、学校での支援の現状や具体例、家庭と学校、病院との連携などについて紹介されています。
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活用できる制度について

がんの治療にはさまざまな費用がかかりますが、負担を軽くする制度を利用できる場合があります。また、仕事が継続できるよう、制度を活用してサポートを受けることもできます。医療費や利用できる制度、相談窓口などのお金に関する情報は「がんとお金」、がんと診断されてからの仕事については「がんと仕事」をご参照ください。

主に、子どもが未就学児や小学生の場合には、子育て支援の制度を利用できる場合があります。自治体によって利用できる制度や内容は異なるため、詳しくは、お住まいの市区町村の子育て支援を担当する窓口や、地域子育て支援拠点にお尋ねください。なお、支援の制度によっては、事業所に直接相談する必要がある場合もあります。

保育認定

子どもが未就学の場合、保護者の病気を理由として、保育所や認定こども園の利用に必要な保育認定を受けることができます。

一時預かり

保育認定を受けていない場合であっても、保護者の病気や休息などを理由に、保育所、幼稚園、認定こども園などで未就学児を一時的に預かる制度を利用できることがあります。

放課後児童クラブ

子どもが小学生の場合、放課後児童クラブを利用できることがあります。

子育て短期支援

自治体によって異なりますが、子どもが未就学児~18歳までの場合、一時的に児童養護施設等で預かる子育て短期支援を利用できることがあります。

また、日曜日や祝日等の休日に保育を実施する「休日保育」や、夜間に保育をする「夜間保育」を行っている自治体もあります。

なお、子どもにとって、いつもと違うところで過ごすことは大きなできごとです。制度を使っていつもと違う環境で子どもを預かってもらうことを検討するときには、可能な場合には、家族や親族と事前に相談できるとよいでしょう。

ファミリー・サポート・センター

地域にファミリー・サポート・センターがある場合は、事前に会員登録をしておくことで、受診の際の預かりや保育施設等の送迎などのサポートを依頼できることもあります。利用できる子どもの年齢やサポートの内容は、自治体によって異なります。

国の子育て支援制度に関する情報が掲載されています。
ファミリー・サポート・センターの事業について紹介されています。
全国のファミリー・サポート・センターを検索できるサイトです。

作成協力

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更新・確認日:2024年01月26日 [ 履歴 ]
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2024年01月26日 ファミリー・サポート・センター 関連情報のリンク先を更新しました。
2022年12月21日 掲載しました。
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