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膵・消化管神経内分泌腫瘍(すい・しょうかかんしんけいないぶんぴつしゅよう)

更新・確認日:2019年05月09日 [ 履歴 ]
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2019年05月09日 新規掲載しました。

1.膵・消化管神経内分泌腫瘍とは

膵・消化管神経内分泌腫瘍(NET[ねっと]:Neuroendocrine tumor)は、神経内分泌細胞に由来する神経内分泌腫瘍(NEN[ねん]:neuroendocrine neoplasm)の1つで、細胞の分化度が高いこと(高分化~中分化型)が特徴です。

膵・消化管神経内分泌腫瘍の発生部位は、膵臓と消化管ですが、消化管においては直腸が多いとされています。

膵・消化管神経内分泌腫瘍は、発生部位や進行度のほか、以下の観点から分類されます。

1)悪性度の違いによる分類(WHO分類)

細胞増殖に関連するタンパク質であるKi67の値や核分裂像の比率を用いた分類です。
  • 消化管神経内分泌腫瘍:NET G1/G2、NECの3つに分類されます(2019年WHO分類では、膵と統一され、4つに分類される予定です)。
  • 膵神経内分泌腫瘍:NET G1/G2/G3、NEC G3の4つに分類されます。

2)ホルモン症状の違いによる分類

ホルモンが過剰に産出される機能性(症候性)と、ホルモン症状を認めない非機能性(非症候性)に大別されます。また、機能性(症候性)は、関連するホルモンの種類によってさらに細分化されます(表1)。

また、まれですが、遺伝子変異が発生に関連している場合には、遺伝子の種類によっても分類されることがあります(多発性内分泌腫瘍症1型、フォンヒッペル・リンドウ病、神経線維腫症1型、結節性硬化症といった分類があります)。

2.症状

膵・消化管神経内分泌腫瘍の症状は、機能性(症候性)と非機能性で異なります。

1)機能性(症候性)神経内分泌腫瘍

機能性(症候性)神経内分泌腫瘍は、過剰に産生されるホルモンの種類によって症状が異なります(表1)。
表1 機能性(症候性)神経内分泌腫瘍の種類と症状
機能性(症候性)神経内分泌腫瘍の種類 症状 関連するホルモン・機序
インスリノーマ 低血糖症状(めまい、空腹感、手足のふるえなど)
※食事の摂取で症状が回復する特徴があります
インスリンが過剰に増えてしまう
ガストリノーマ 胃酸の分泌亢進による、腹痛や胸やけ、なかなか治らない消化性潰瘍、食道炎、下痢など ガストリンが過剰に増えてしまう
グルカゴノーマ 壊死性遊走性紅斑、貧血、体重減少、糖尿病など グルカゴンが過剰に増えてしまう
VIPオーマ 大量の水様性下痢(1日3L以上の下痢)、低カリウム血症(手足のだるさ、こわばり、脱力感、筋肉痛、呼吸困難感など) VIP(血管作動性腸管ペプチド)が過剰に増えてしまう

2)非機能性(非症候性)神経内分泌腫瘍

ホルモンによる症状はなく、腫瘍が大きくなるにつれて腹部腫瘤(しゅりゅう)を触れられるようになったり、腹痛、黄疸(おうだん:皮膚や白目の部分が黄色に染まる状態)などの症状が出現します。

3.患者数(がん統計)

神経内分泌腫瘍のうち、消化管神経内分泌腫瘍は、新たに診断される患者さんの人数が10万人あたり4人、膵神経内分泌腫瘍は、新たに診断される患者さんの人数が10万人あたり1人と少ないがんです。
関連情報
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4.「膵・消化管神経内分泌腫瘍」参考文献

1)日本臨床腫瘍学会編.新臨床腫瘍学 改訂第5版.2018,南江堂
2)日本神経内分泌腫瘍研究会(JNETS)編.膵・消化管神経内分泌腫瘍(NET)診療ガイドライン .2015,金原出版
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