1.口腔がんについて
1)口腔がんとは
口腔がんとは、口腔(口の中)にできる悪性腫瘍です。
舌、上下の歯肉(歯ぐき)、頬粘膜(頬の内側)、硬口蓋(上あご)、口腔底(舌と下側の歯ぐきの間)、口唇(くちびる)にできます。
組織型分類(がんの組織の状態による分類)では、口腔がんの約90%が粘膜組織から発生する扁平上皮がんです。
2)症状
口腔がんでは、がんができた粘膜の色が赤くなったり、白く変色したり、形が変わったりします。口の中にしこりができる、口内炎がなかなか治らないなどの症状があらわれることもあります。
歯ぐきにがんができたときには、歯を支える組織にがんが浸潤(周囲に染み出るように広がっていくこと)し、歯がぐらついたり、入れ歯が合わなくなってきたりすることがあります。
進行したときの症状としては、粘膜のただれ、痛みや出血がある、口が開けにくい、食事が飲み込みにくい、話しにくい、などがあります。
首のリンパ節に転移したときには、しこりに気付くこともあります。
口の中に違和感があると感じたときには、鏡で口の中を確認してみましょう。
気になる症状があるときは、耳鼻咽喉科、歯科、口腔外科などを早めに受診することが大切です。
2.検査
がんの疑いがあるときや治療中・治療後に受けることの多い検査についての情報は、「がんの検査について」をご参照ください。
3.治療
口腔がんの治療に関する情報が掲載されています。
4.療養
「症状を知る/生活の工夫」には、がんの治療に伴う症状や自宅での生活の工夫などに関する情報を掲載しています。
がんと診断されてからの仕事については「がんと仕事」、医療費や利用できる制度、相談窓口などのお金に関する情報は「がんとお金」をご参照ください。また、「がん相談支援センター」でも相談することができます。
「地域のがん情報」では、各都道府県等が発行しているがんに関する冊子やホームページへのリンクを掲載しています。併せてご活用ください。
5.臨床試験
国内で行われている口腔がんの臨床試験が検索できます。
がんの臨床試験を探す チャットで検索
※入力ボックスに「口腔がん」と入れて検索を始めてください。チャット形式で検索することができます。
がんの臨床試験を探す カテゴリで検索 口腔がん
※「カテゴリで検索」では、広い範囲で検索します。そのため、お探しのがんの種類以外の検索結果が表示されることがあります。
- 臨床試験への参加を検討したい場合には、今おかかりの担当医にご相談ください。
- がんの種類によっては、臨床試験が見つからないこともあります。また、見つかったとしても、必ず参加できるとは限りません。
6.患者数(がん統計)
口腔がんは、日本全国で1年間に約11,400人が診断されます。男女別でみると、男性では1年間に約6,800人、女性では約4,700人と男性に多い傾向があります。
年齢別でもっとも多いのは、60歳代です。また、口腔がんの約6割は舌がんです。
7.相談先・病院を探す
情報や病院などが見つからないときにはご相談ください。
8.関連する情報
がんの治療を始めるにあたって、参考となる情報です。
9.参考資料
- 厚生労働省ウェブサイト.がん登録 全国がん登録 罹患数・率 報告 平成29年報告;2020年(閲覧日2020年5月11日)https://www.mhlw.go.jp/
- 口腔癌診療ガイドライン改訂合同委員会編.口腔癌診療ガイドライン 2019年版.2019年,金原出版.