患者会や患者サロンは、同じ病気や症状をもつ患者同士が悩みや不安について語りあう場です。家族や医療者には話しにくいことでも話題にできたり、話すことで気持ちが軽くなったり、療養生活に役立つ情報を共有できることもあります。
1.患者会・患者サロンとは?
患者同士が集まる場に参加して、同じような悩みをもつ当事者たちが話しあうことで、「悩んでいるのは自分だけではない」と思えて、前向きに治療に取り組めたという人もいます。実体験にもとづくアドバイスが、療養生活で役立つ場面もあるでしょう。「患者会」は同じ病気や症状の患者体験をもつ人が集まり、自主的に運営しているものが多く、活動内容はさまざまです。
がん診療連携拠点病院や自治体が、患者さんや家族の声を受けて、病院内や地域の公民館などに設置した「患者サロン」も最近では増えています。

2.どうやって利用する?
患者会や患者サロンの情報は、がん相談支援センターで得られます。インターネットからも探すことができ、ネット上の患者コミュニティサイトでの交流もあります。患者会や患者サロンでは、定例会のほかイベントを開催しているところもあります。会により目的や活動内容はさまざまなので、実際に見学する機会をもつといいでしょう。
3.利用時の注意
体験談は自分にあてはまるとは限りません。体験談を参考にする場合は、同じがんでも、自分とは病状や生活などが異なることを念頭に置いて話を聞くとよいでしょう。
また、患者会や患者サロンの雰囲気が自分には合わないと感じたときには、無理に参加する必要はありません。退会や休会することもできます。
注意!

Column
がん患者の家族会
がん患者の家族は「第二の患者」ともいわれ、本人と同等、ときには本人以上の精神的・身体的負担を感じることがあるといわれています。
患者会や患者サロンには、家族が参加できるところもあります。また、家族だけが参加する日を設けているところもあります。家族会では、本人への声かけや接し方、家族ならではの悩みや抱えている気持ちを話すことができます。