1.基底細胞がんについて
1)基底細胞がんとは
基底細胞がんは皮膚がんの一種です。皮膚は、表面に近い部分から、表皮、真皮、皮下組織に分かれます。基底細胞がんは、表皮の一番下の層にある基底細胞や、毛包(毛根を包む組織)を構成する細胞から発生する腫瘍です(図1)。
体の表面のどこにでもできますが、顔に発生することが多いがんで、転移することはまれです。発生要因としては、紫外線、放射線などが関係していると考えられています。
2)症状
基底細胞がんの多くは、わずかに盛り上がった直径1~2mm程度の黒い点が、皮膚の表面にあらわれます。次第に数個の黒い点が集まり、円や楕円の形に広がります。さらに進行すると中央がへこんで潰瘍化します。
2.検査
基底細胞がんが疑われた場合には、ダーモスコピー検査が行われます。ダーモスコピー検査とは、ダーモスコープというライトがついた拡大鏡を使って、皮膚の状態を詳しく観察する検査です。ライトをあてながら、病変部を10~20倍程度に拡大して詳しく観察します。悪性かどうか、目で診察した場合よりよく分かります。
ダーモスコピー検査でも診断が難しい場合には、皮膚の生検を行います。
がんの疑いがあるときや治療中・治療後に受けることの多い、その他の検査についての情報は、「がんの検査について」をご参照ください。
3.治療
基底細胞がんの治療に関する情報が掲載されています。
4.療養
「症状を知る/生活の工夫」には、がんの治療に伴う症状や自宅での生活の工夫などに関する情報を掲載しています。
がんと診断されてからの仕事については「がんと仕事」、医療費や利用できる制度、相談窓口などのお金に関する情報は「がんとお金」をご参照ください。また、「がん相談支援センター」でも、仕事やお金、生活の工夫や利用できるサポート等、困ったときにはどんなことでも相談することができます。
「地域のがん情報」では、各都道府県等が発行しているがんに関する冊子やホームページへのリンクを掲載しています。併せてご活用ください。
5.臨床試験
国内で行われている基底細胞がんの臨床試験が検索できます。
がんの臨床試験を探す チャットで検索
※入力ボックスに「基底細胞がん」と入れて検索を始めてください。チャット形式で検索することができます。
がんの臨床試験を探す カテゴリで検索 基底細胞がん
※国内で行われている基底細胞がんの臨床試験の一覧が出ます。
臨床試験への参加を検討する際は、以下の点にご留意ください
- 臨床試験への参加を検討したい場合には、担当医にご相談ください。
- がんの種類や状態によっては、臨床試験が見つからないこともあります。また、見つかったとしても、必ず参加できるとは限りません。
6.患者数(がん統計)
基底細胞がんは、1年間に診断される患者の数に関する正確なデータはありません。
7.相談先・病院を探す
情報や病院などが見つからないときにはご相談ください。
8.関連する情報
がんの治療を始めるにあたって、参考となる情報です。
9.参考資料
- 日本皮膚科学会,日本皮膚悪性腫瘍学会編.皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第3版.2022年,金原出版.
- 日本皮膚悪性腫瘍学会ウェブサイト.皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第3版 基底細胞癌診療ガイドライン2021;2021年(閲覧日2023年4月3日)http://www.skincancer.jp/
- 厚生労働省ウェブサイト.がん登録 全国がん登録 罹患数・率 報告 平成31年報告;2022年(閲覧日2023年4月3日)https://www.mhlw.go.jp/
2022年1月更新時作成協力
国立がん研究センター希少がんセンター
2023年06月07日 | 「皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第3版」より、内容を確認して更新しました。また、「3.治療」に、日本皮膚悪性腫瘍学会ウェブサイト「皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第3版 基底細胞癌診療ガイドライン2021」へのリンクを追加しました。 |
2022年01月19日 | 構成を変更し、「皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第3版 基底細胞癌診療ガイドライン 2021」より内容を更新しました。 |
2018年02月13日 | 「皮膚悪性腫瘍取扱い規約 第2版(2010年)」「科学的根拠に基づく皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン 第2版(2015年)」より、内容の更新をして再掲載しました。4タブ形式に変更しました。 |
2017年08月21日 | 掲載準備中として、公開を中止しました。 |
2007年09月03日 | 内容を更新しました。 |
1996年09月13日 | 掲載しました。 |