1.肺神経内分泌腫瘍について
1)肺神経内分泌腫瘍とは
肺神経内分泌腫瘍とは、肺の神経内分泌細胞から発生する腫瘍です。
肺神経内分泌腫瘍は、細胞の形などから神経内分泌がんとカルチノイドに分けられ、さらに次のように分けられます。

小細胞がんは肺門(肺の中心部の太い気管支の周り)に、大細胞神経内分泌がんは肺野(肺門以外の肺の本体部分)に、カルチノイドは気管支にできることが多いです。
小細胞がんとカルチノイドは、肺野で発生する場合もあります。
肝臓や骨、脳などへ転移することがあるといわれています。
2)症状
気道の近くにできた場合には、咳や胸の痛み、嗄声(声のかすれ)、痰に血が混じるといった症状が出ることがあります。その他にも、転移した部位の症状で発見されることもあります。
小細胞がんでは、がん細胞がつくるさまざまなホルモンによって、筋力が低下する、血圧が高くなる、食欲がなくなる、倦怠感が出るなどの症状があらわれる場合があります。
カルチノイドでは、皮膚の発赤、肥満になる、下痢、血管が拡張するなどの症状があらわれる場合があります。
腫瘍ができても、すぐに症状が出ないこともあります。
2.検査
がんの疑いがあるときや治療中・治療後に受けることの多い検査についての情報は、「がんの検査について」をご参照ください。
3.治療
肺神経内分泌腫瘍の治療に関する情報が掲載されています。
4.療養
「症状を知る/生活の工夫」には、がんの治療に伴う症状や自宅での生活の工夫などに関する情報を掲載しています。
がんと診断されてからの仕事については「がんと仕事」、医療費や利用できる制度、相談窓口などのお金に関する情報は「がんとお金」をご参照ください。また、「がん相談支援センター」でも相談することができます。
「地域のがん情報」では、各都道府県等が発行しているがんに関する冊子やホームページへのリンクを掲載しています。併せてご活用ください。
5.臨床試験
国内で行われている肺神経内分泌腫瘍の臨床試験が検索できます。
がんの臨床試験を探す チャットで検索
※入力ボックスに「肺神経内分泌腫瘍」と入れて検索を始めてください。チャット形式で検索することができます。
がんの臨床試験を探す カテゴリで検索 胸部の希少がん
※「カテゴリで検索」では、広い範囲で検索します。そのため、お探しのがんの種類以外の検索結果が表示されることがあります。
- 臨床試験への参加を検討したい場合には、今おかかりの担当医にご相談ください。
- がんの種類によっては、臨床試験が見つからないこともあります。また、見つかったとしても、必ず参加できるとは限りません。
6.患者数(がん統計)
肺神経内分泌腫瘍は、1年間に新たに診断される人が100,000人あたり1人未満と少ないがんです。
7.相談先・病院を探す
情報や病院などが見つからないときにはご相談ください。
8.関連する情報
がんの治療を始めるにあたって、参考となる情報です。
9.参考資料
- 日本肺癌学会編.臨床・病理 肺癌取扱い規約第8版.2017年,金原出版.
- 日本肺癌学会編.患者さんのための肺がんガイドブック 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む 2019年度版.2019年,金原出版.
- Matsuda T,et al.Rare cancers are not rare in Asia as well: The rare cancer burden in East Asia.Cancer Epidemiology.2020;Volume 67,doi/10.1016/j.canep.2020.101702.