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さまざまな症状への対応

倦怠感けんたいかん(だるさ)

~がんの治療を始める人に、始めた人に~

1.倦怠感(だるさ)について

倦怠感(だるさ)とは、いつもの生活が送りづらくなるような疲れた感覚のことで、がんの治療中によくみられます。体がだるい、何もする気が起きない、身の置き所がない、集中力が低下するなどが起こります。

がんの治療中にみられる倦怠感は、原因によっては数カ月~数年続く場合があります。また、本人がつらくても、周囲の人に理解されにくいこともあります。

2.原因

倦怠感は、がんそのものや、がんに伴う症状、がんの治療の副作用などによって起こります。
倦怠感を引き起こす可能性のある原因は、主に以下があげられます。

  • 痛み
  • 貧血
  • 不眠
  • 栄養状態の変化
  • 筋力低下
  • 感染症
  • 脱水
  • 電解質異常(ナトリウムやカルシウムといった電解質の体内でのバランスが悪くなること)
  • 悪液質(がんなどの病気が関係する栄養状態の悪化、筋肉量の減少などが起こった状態のこと)
  • 不安、気分の落ち込み

3.倦怠感があるときには

倦怠感に対する有効な治療法は十分に確立されていません。まずは、倦怠感そのものではなく、原因となりうる痛み、貧血、不安、不眠などに対し、薬を使用するなどして治療を行います。また、体調が許す範囲で運動を行うことにより、倦怠感を改善できる場合もあります。

体の状態によっては、ステロイド薬を使うことがあります。しかし、感染症にかかりやすくなること、不眠などの副作用があるため、薬の使用については、担当の医師が慎重に判断します。

がんが進行した場合など、病状によっては、倦怠感を完全に取り除くことが難しい場合もあります。このような場合には、少しでも倦怠感を改善し、生活の中でうまく付き合っていけるようにすることが目標となります。

4.本人や周りの人ができる工夫

1)症状の把握

まずは、自分の倦怠感の症状が、どのようなパターンで現れるか把握しましょう。倦怠感が強い時間帯と弱い時間帯の症状の程度に合わせて、自分のペースで生活するよう心がけてください。倦怠感が弱い時間帯に、一日の中で優先度が高いと思う活動をするとよい場合があります(エネルギー温存・活動療法ともいいます)。倦怠感が強いときには、身の回りのことを身近な人や家族に手伝ってもらうのもお勧めです。

2)休息時間の確保

休息をとり、楽だと思える姿勢で休みましょう。クッションや抱き枕などを使って楽な姿勢を見つけることも1つの方法です。日中は、活動と休息のバランスをとることを意識しながら、少しずつこまめに休息をとると疲労を回復しやすくなります。夜、寝つきが悪かったり、ぐっすりと眠れないと感じたりしたときには、寝つきをよくする薬や不安を和らげる薬の処方を受けられる場合もあるため、担当の医師に相談してみましょう。

3)体調が許す範囲での運動

可能な範囲で、ウォーキングやヨガ、体操などの有酸素運動を行うことは、倦怠感を軽くするために効果的であるといわれています。また、ストレッチも全身の血液やリンパ液の流れをよくして倦怠感を軽くするのに役立ちます。

4)リラクセーションや気分転換

つらい症状を抱えながら治療を続けることは、心身ともにストレスがかかります。精神的に安定した状態を保つことは、倦怠感の軽減につながります。深呼吸や音楽、アロマテラピー、マッサージなど、自分がリラックスできる方法(リラクセーション)を見つけてみてください。調子がよいときは、散歩をしたり、趣味を楽しんだりする時間をつくって気分転換することをお勧めします。

5.こんなときは相談しましょう

倦怠感が続くときには、担当の医師や看護師に相談しましょう。倦怠感の程度を伝えるのは難しいものですが、「ぐっすり寝たのに疲れがとれない」「集中力が落ちている」「階段の上り下りで息切れがする」など、日々の生活の中で感じることや変化を具体的に伝えるようにしましょう。

6.関連情報

海外の医療事情に基づく情報が含まれており、日本では認められていない治療や薬、行われない補完代替療法等の情報も含まれています。

7.参考資料

  1. 日本リハビリテーション医学会 がんのリハビリテーション診療ガイドライン改訂委員会編.がんのリハビリテーション診療ガイドライン 第2版.2019年,金原出版.
  2. 日本がんリハビリテーション研究会編.がんのリハビリテーション診療ベストプラクティス 第2版.2020年,金原出版.
  3. 日本緩和医療学会編.専門家をめざす人のための緩和医療学 改訂第3版.2024年,南江堂.
  4. 日本がんサポーティブケア学会ウェブサイト.日本がんサポーティブケア学会ほか監.がん悪液質ハンドブック;2019年(閲覧日2025年10月1日) http://jascc.jp/about/publications/
  5. American Cancer Societyウェブサイト.Cancer-related Fatigue;2024年(閲覧日:2025年10月1日)https://www.cancer.org/
  6. European Society for Medical Oncologyウェブサイト.Patient Guide on Survivorship;2017年(閲覧日:2025年10月1日)https://www.esmo.org/
  7. 森田達也ほか監.緩和ケアレジデントマニュアル 第2版.2022年,医学書院.
  8. 佐々木常雄監.がん薬物療法看護ベスト・プラクティス.2020年,照林社.

本ページの情報は、「『がん情報サービス』編集方針」に従って作成しています。十分な科学的根拠に基づく参考資料がない場合でも、有用性が高く、身体への悪影響がないと考えられる情報は、専門家やがん情報サービス編集委員会が評価を行ったうえで記載しています。

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更新・確認日:2026年01月23日 [ 履歴 ]
履歴
2026年01月23日 内容を確認し、「だるさ・倦怠感けんたいかん」を「だるさ・倦怠感けんたいかん もっと詳しく」と統合し、タイトルを「倦怠感けんたいかん(だるさ)」に変更して更新しました。
2019年03月12日 更新しました。
2006年10月01日 掲載しました。
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