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喫煙はがんの原因になる

これまでの研究から、喫煙が肺がんをはじめとするさまざまながんの原因となることが、科学的に明らかにされています(図1)。また、たばこを吸う本人以外がたばこの煙にさらされる「受動喫煙じゅどうきつえん」も、肺がんの原因となることが明らかとなっています。

がんを予防するためには、たばこを吸わないことが最も効果的です。現在たばこを吸っている人も、禁煙することによってがんになるリスクを下げることができ、周りの人の健康への影響も少なくすることができます。

図1 喫煙している本人がなりやすいがんの種類(科学的に因果関係が明らかなもの)
図1 喫煙している本人がなりやすいがんの種類(科学的に因果関係が明らかなもの)の図
厚生労働省ウェブサイト.喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書;2016年.より作成

喫煙はがんの治療に悪い影響を及ぼし、新たに発生するがんの原因になる

がん患者がたばこを吸うと、治療の効果を下げる原因になると考えられています。手術を受ける場合には、麻酔の効きが悪くなるだけでなく、合併症が起こりやすくなります。また、薬物療法や放射線治療の効果が下がることも報告されています。

さらに、たばこを吸っているがん患者では、がんの再発や、別の新たながん(二次がん)が発生しやすいことが明らかになっています。

禁煙はすぐに、そして長期的な健康上のメリットがある

がんや心臓の病気などの喫煙による悪影響は、禁煙によって抑えることができます。禁煙の効果はすぐに現れ、長期間持続します。禁煙することによって病気を予防し、長生きする可能性が高まります。

たばこを吸う人の割合と禁煙目標

日本における喫煙率は、男性が27.1%で、女性は7.6%です(2019年)。日本では、10年間で喫煙率を4割減らし、2024年に12%に下げることを目標としていますが、達成は難しい状況です。

加熱式たばこについて

加熱式たばこの煙には、ニコチンや発がん性物質などの有害物質が含まれており、健康への悪影響が懸念されています。

禁煙治療について

日本では、保険診療で禁煙治療が受けられます。未成年者や、若年の喫煙者、加熱式たばこを使用している人も保険診療で治療を受けることができます。

望まない受動喫煙を防ぐために

法律が改正され、2020年4月からは多数の人が利用する施設は原則屋内禁煙になりました。また、標識に注意して行動することで、たばこの煙を避けることができるようになります。

関連リンク

国立がん研究センターでは、厚生労働省より2016年に公表された「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」(通称、「たばこ白書」)、および2020年に全面施行された改正健康増進法の要点をとりまとめたリーフレットを作成し、公表しています。

「喫煙と健康」リーフレット
更新・確認日:2022年08月30日 [ 履歴 ]
履歴
2022年08月30日 構成を変更し、更新しました。
2020年05月29日 加熱式たばこと受動喫煙に関する情報を追加し、更新しました。
2017年10月16日 「がんの発生原因」から「がんの発生要因と予防」に移動しました。
2017年10月05日 掲載しました。
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