1.加熱式たばことは
加熱式たばこは、専用の道具を使って、たばこの葉やその加工品を電気で加熱し、発生する煙(エアロゾル)を喫煙するもので、IQOS、glo、ploom TECHなどがあります(図1)。加熱式たばこは、喫煙者の20%以上が使用しています。中でも、若い喫煙者では加熱式たばこを使用する人が多く、20~30代では男性で約40%、女性で約50%に達しています。
図1 日本で販売されている加熱式たばこ(2022年7月現在)
2.加熱式たばこの健康への影響
加熱式たばこの煙には、ニコチンや発がん性物質などの有害な物質が含まれています。加熱式たばこのパッケージの注意文言(健康警告)にも「加熱式たばこの煙(蒸気)は、発がん性物質や、依存性のあるニコチンが含まれるなど、 あなたの健康への悪影響が否定できません。」「加熱式たばこの煙(蒸気)は、周りの人の健康への悪影響が否定できません。健康増進法で禁じられている場所では喫煙できません。」と書かれています。
一方で、たばこの製造・販売企業は、加熱式たばこは従来のたばこに比べて健康被害が少ない、加熱式たばこに換えることで健康被害を少なくできるなどと宣伝しています。しかし、加熱式たばこは販売されてから間がなく、研究が十分に行われていないため、現段階で健康への長期的な影響について予測することは難しい状況です。そのため、健康被害が少ないと宣伝することに対しては、科学的な観点で、専門家の間から疑問の声が強くあがっています。
日本では、加熱式たばこを使用している人も、要件を満たせば保険診療で禁煙治療を受けることができます。禁煙治療の詳細については、関連情報をご覧ください。
3.参考資料
- 厚生労働省ウェブサイト.喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書;2016年(閲覧日2022年8月25日)https://www.mhlw.go.jp/
- World Health Organization. Heated tobacco products: information sheet - 2nd edition; 2020(閲覧日2022年8月25日)https://www.who.int/