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子宮頸がん

子宮頸がんについて

1.子宮について

子宮は女性の骨盤内にある臓器で、大きさは成人女性で鶏の卵程度です。子宮は、上部の袋状の「子宮体部たいぶ」と、子宮の入口にあたる「子宮頸部けいぶ」に分けられます。子宮頸部は子宮体部とちつのあいだにあり、さらに、子宮体部に近い筒状の部分と、腟の中に突き出した部分とに分かれます。子宮頸部の周囲には基靱帯きじんたいなどの組織があり、子宮を支えています。また、子宮体部の左右からは卵管と呼ばれるくだが伸びていて、子宮の左右にある卵巣から放出される卵の通り道になっています(図1)。

子宮は妊娠したときに胎児を育てる器官です。筋肉でできており、内側は子宮内膜と呼ばれる粘膜でおおわれています。子宮内膜は、卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)というホルモンの作用を受けると、受精卵の着床に備えて増殖して厚くなりますが、受精卵が着床しなければはがれおちます。これを月経といい、初経から閉経するまでのあいだ、およそ4週間に一度の周期で繰り返します。

2.子宮頸がんとは

子宮頸がんとは、子宮頸部にできるがんのことです。大部分の子宮頸がんは、CIN(子宮頸部上皮内腫瘍)やAIS(上皮内腺がん)という、がんになる前の状態を経てからがんになります。腟に近い側にできた場合には、婦人科での観察や検査がしやすいため発見されやすくなりますが、より奥の筒状の部分にできると、発見が難しいこともあります。また、早期に発見すれば比較的治療しやすく予後の良いがんですが、進行すると治療が難しいことから、早期発見が極めて重要です。

子宮頸がんは、進行すると骨盤の中のリンパ節に転移したり、子宮頸部の周りの組織に広がったり、子宮から離れた肺などの臓器に転移したりすることがあります。

なお、子宮体部にできるがんは「子宮体がん」とよばれ、子宮頸がんとは区別されます。子宮体がんについては、「子宮体がん(子宮内膜がん)」のページをご覧ください。

子宮頸がんについて、動画でわかりやすく説明しているページです。
子宮体がん(子宮内膜がん)についての情報は、こちらをご覧ください。

3.症状

がんになる前の状態であるCINやAISの時期には症状がなく、おりものや出血、痛みもありません。

子宮頸がんが進行すると、月経中でないときや性交時の出血、においを伴う濃い茶色やうみのようなおりもの、水っぽいおりものや粘液がたくさん出るなどの症状がみられることがあります。がんが子宮の外に広がると、多量の出血、骨盤や下腹部、腰の痛み、尿や便に血が混じる、下肢のむくみなどの症状が出ることもあります。少しでも気になる症状があるときには、ためらわずに婦人科を受診しましょう。

更新・確認日:2023年02月28日 [ 履歴 ]
履歴
2023年02月28日 「子宮頸癌治療ガイドライン 2022年版」「子宮頸癌取扱い規約 臨床編 第4版」より内容を更新しました。
2019年10月10日 「子宮頸癌治療ガイドライン2017年版」「子宮頸癌取扱い規約病理編第4版(2017年)」より、内容の更新をするとともに、4タブ形式に変更しました。
2016年07月13日 「6.疫学・統計」を更新しました。
2013年08月13日 「6.疫学・統計」を更新しました。
2012年11月08日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2012年05月01日 内容を更新しました。
1996年04月01日 掲載しました。
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