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子宮頸がん

子宮頸がん 予防・検診

1.発生要因

子宮頸がんの発生には、その多くにヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papillomavirus)の感染が関連しています(わずかですが、HPV感染と関係のない子宮頸がんもあります)。HPVは性交渉で感染することが知られています。しかし、多くの場合、感染しても免疫によって排除されます。HPVが排除されず感染が続くと、一部に子宮頸がんの前がん病変や、子宮頸がんが発生すると考えられています。また、喫煙により、子宮頸がん発生の危険性が高まります。

危険因子については、がん情報サービスの発生要因の記載方針に従って、主なものを記載することを原則としています。記載方針については関連情報をご覧ください。

2.予防とがん検診

1)予防

日本人を対象とした研究では、がん全般の予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、身体活動、適正な体形の維持、感染予防が有効であることが分かっています。

HPVの複数ある型のうち、子宮頸がんの発生と関連が深い一部の型のHPV感染を予防するワクチンが接種可能になっています。しかし、ワクチン接種を受けたとしても、定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。

HPVワクチンについて

HPVワクチンは初めての性交渉前に接種することが望ましいと考えられています。厚生労働省では、安全性や効果などについての専門家の評価を受け、令和4年4月から、他の定期接種と同様に、HPVワクチンの接種対象年齢(小学校6年生から高校1年生の女子)の人への勧奨(接種のお知らせの個別送付)を再開しています。また、対象年齢の時期が積極的な勧奨を差し控えていた期間と重なったために接種機会を逃した女性へのキャッチアップ接種も行われています。具体的には、平成9年度~平成19年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性で、過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていないという2つの条件を満たす場合に、令和7年3月までの間、HPVワクチンを公費で接種できます。なお、条件付きで期間を延長する検討がされていますので、詳しくは厚生労働省のページをご覧ください。

万が一、HPVワクチンを接種した後に気になる症状があらわれたときには、接種を行った医師またはかかりつけの医師に相談の上、協力医療機関の受診を検討してください。全国に設置された協力医療機関では、接種後に生じた症状の診療を行っています。

ヒトパピローマウイルス感染症や、HPVワクチンの効果と標準的なスケジュール、相談先などについて紹介しているページです。
キャッチアップ接種について詳しい情報を紹介しているページです。
HPVワクチンの効果や安全性、日本での接種状況について、動画で分かりやすく紹介しているページです。

2)がん検診

がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。わが国では、厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(令和6年一部改正)」で方法が定められています。

20歳以上は2年に1回、子宮頸がん検診を受けましょう。ほとんどの市町村では、がん検診の費用の多くを公費で負担しており、一部の自己負担で受けることができます。

がん検診の内容は、問診と視診、子宮頸部の細胞診と内診です。必要に応じてコルポスコープ検査を行うこともあります。検査の結果が「要精密検査」となった場合は、必ず精密検査を受けましょう。精密検査は、一般的には、コルポスコープ下の組織診・細胞診・HPV検査などを組み合わせて行います。

厚生労働省の指針では、死亡率減少効果が確実で、不利益(偶発症、過剰診断、偽陰性・偽陽性)が少ないがん検診だけが推奨されています。現時点で子宮頸がん検診では、細胞診が推奨されています。

なお、がん検診は、症状がない健康な人を対象に行われるものです。症状をもとに受診して行われる検査や、治療後の経過観察で行われる定期検査は、ここでいうがん検診とは異なります。

HPVワクチンと子宮頸がん検診について

HPVワクチンには、子宮頸がんの前がん病変を予防する効果が認められています。公費で受けられるワクチンは3種類あります。2価ワクチン(サーバリックス)と4価ワクチン(ガーダシル)では、子宮頸がんを起こしやすいHPV16型と18型の感染を防ぐことができ、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぐことができるといわれています。また、令和5年4月からは9価ワクチン(シルガード9)が公費で使えるようになり、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぐことができるといわれています。しかしHPVの感染を100%予防できるわけではないため、ワクチン接種を受けたとしても、定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。

子宮頸がん検診の目的や流れについて、動画で分かりやすく説明しているページです。
更新・確認日:2024年12月12日 [ 履歴 ]
履歴
2024年12月12日 「2.予防とがん検診」を更新しました。
2023年03月27日 HPVワクチンについてを一部更新しました。
2023年02月28日 内容を更新しました。
2019年10月10日 「子宮頸癌治療ガイドライン2017年版」「子宮頸癌取扱い規約病理編第4版(2017年)」より、内容の更新をするとともに、4タブ形式に変更しました。
2016年07月13日 「6.疫学・統計」を更新しました。
2013年08月13日 「6.疫学・統計」を更新しました。
2012年11月08日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2012年05月01日 内容を更新しました。
1996年04月01日 掲載しました。
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