本文へ移動
HOME > それぞれのがんの解説 > 子宮体がん(子宮内膜がん) 基礎知識

全ページ表示がんの冊子でんし冊子子宮体がん(子宮内膜がん)(しきゅうたいがん[しきゅうないまくがん])

更新・確認日:2019年07月11日 [ 履歴 ]
履歴
2019年07月11日 「子宮体がん治療ガイドライン2018年版」「子宮体癌取扱い規約 病理編 第4版(2017年)」より、内容の更新をするとともに、4タブ形式に変更しました。
2016年07月13日 「4.疫学・統計」を更新しました。
2013年12月13日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2006年10月01日 内容を更新しました。
診療の流れ、セカンドオピニオンなど、本格的に治療を始める前に知っておいていただきたい情報については以下の「治療にあたって」をご参照ください。

1.子宮について

子宮は女性の骨盤内にある臓器で、大きさは成人女性で鶏の卵程度です。子宮は、下部の筒状の「子宮頸部(けいぶ)」と、上部の袋状の「子宮体部(たいぶ)」に分けられます。子宮頸部の下は腟(ちつ)につながり、子宮体部の左右からは卵管が出ています。また、子宮の左右には卵巣があります。基靱帯(きじんたい)は、子宮頸部の周囲にある組織(子宮傍組織)の1つで、子宮を支えています(図1)。
子宮は、妊娠したときに胎児を育てる器官です。筋肉でできており、内側は子宮内膜と呼ばれる粘膜でおおわれています。子宮内膜は、卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)というホルモンの作用を受けると、受精卵の着床に備え、増殖して厚くなり、妊娠しなければはがれおちます。これを月経といい、この周期は閉経するまで通常4週間隔で繰り返されます。
【図1 子宮の構造と周囲の臓器】
図1 子宮の構造と周囲の臓器
図1 子宮の構造と周囲の臓器の図
閉じる

2.子宮体がん(子宮内膜がん)とは

子宮がんは、子宮体部にできる「子宮体がん」と、子宮頸部にできる「子宮頸がん」に分類されます。子宮体がんは、子宮内膜から発生することから、子宮内膜がんとも呼ばれます。
この他に、子宮の筋肉の層から発生する腫瘍があり、良性のものを子宮筋腫といい、悪性のものを子宮肉腫(がん肉腫や平滑筋肉腫など)といいます。子宮肉腫は子宮体がんと比べて発生頻度はまれで、悪性腫瘍ですが子宮体がんとは異なるものです。
ここでは、子宮体がん(子宮内膜がん)について解説します。

3.症状

子宮体がんで、最も多い自覚症状は出血です。月経ではない期間や閉経後に出血がある場合は注意が必要です。出血の程度には、おりものに血が混ざり、褐色になるだけのものもあります。他には、排尿時の痛みや排尿のしにくさ、性交時の痛み、下腹部の痛みなどの症状があり、進行した場合は腹部膨満感(おなかが張る感じ)があらわれることもあります。
これらのような気になる症状がみられたら、早めに婦人科を受診し、早期発見につなげましょう。

4.組織型分類(がんの組織の状態による分類)

子宮体がんは、がんの組織の状態により、類内膜(るいないまく)がん、漿液性(しょうえきせい)がん、明細胞(めいさいぼう)がんなどの組織型に分類されます。この中で最も多いのは類内膜がんです。漿液性がんと明細胞がんは悪性度が高いとされています。

5.関連する疾患

子宮の病気の1つに、子宮内膜が異常に分厚く増殖した状態となる子宮内膜増殖症があります。増殖した細胞が正常ではない場合は、子宮内膜異型増殖症と呼ばれます。子宮内膜異型増殖症を発症すると、子宮体がんが発生する可能性が高かったり、すでにがんになっていたりすることがわかっています。

6.患者数(がん統計)

子宮体がんは、日本全国で1年間に約16,000人が診断されます。子宮体がんと診断される人は40歳ごろから増加して、50歳から60歳代でピークを迎えます1)2)

7.発生要因

子宮体がんは、エストロゲンという女性ホルモンの刺激が長期間続くことが原因で発生する場合と、エストロゲンとは関係ない原因で発生する場合があります。
エストロゲンが関係していると考えられる原因には、出産経験がないこと、閉経が遅いこと、肥満、エストロゲンを産生する腫瘍があげられます。その他に、乳がんの治療で使われるタモキシフェンや、更年期障害の治療で使われるエストロゲンを補充する薬を単独で使用することが、子宮体がんの発生に関係しているといわれています。ただし、エストロゲンについては、黄体ホルモンを併用することによって、子宮体がんの発生する危険性が高くならないことがわかっています。
エストロゲンとは関係ない原因には、糖尿病、血縁者に大腸がんになった人がいること、遺伝性腫瘍の1つであるリンチ症候群があります。若くして大腸がんや子宮体がんになった家族や親戚がいる場合は、「遺伝性腫瘍・家族性腫瘍」もご参照ください。

8.予防と検診

1)予防

日本人を対象とした研究結果では、がん予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、身体活動、適正な体形、感染予防が効果的といわれています。

2)検診

がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。わが国では、厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(平成28年一部改正)」で検診方法が定められています。
しかし、子宮体がんについては、現在、指針として定められている検診はありませんが、一部の自治体では子宮体部の細胞診による検診を行っているところもあります。気になる症状がある場合には、婦人科を早めに受診することをお勧めします。人間ドックなど任意で検診を受ける場合には、検診のメリットとデメリットを理解した上で受けましょう。
なお、検診は、症状がない健康な人を対象に行われるものです。がんの診断や治療が終わった後の検査は、ここでいう検診とは違います。

9.「子宮体がん」参考文献

1)国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」地域がん登録2015年全国推計値,2019年
2)厚生労働省.がん登録 全国がん罹患数 2016年速報,2019年
3)日本婦人科腫瘍学会編.子宮体がん治療ガイドライン2018年版,金原出版
4)日本産科婦人科学会・日本病理学会編.子宮体癌取扱い規約 病理編 第4版.2017年,金原出版
5)日本臨床腫瘍学会編.新臨床腫瘍学 改訂第5版.2018年,南江堂
6)日本産科婦人科学会・日本女性医学学会編.ホルモン補充療法ガイドライン2017年度版,日本産科婦人科学会事務局
がんについて相談したいときは…
がん相談支援センターとは
がん相談支援センターを探す
よりよい情報提供を行うために、アンケートへの協力をお願いいたします。
アンケートページへ
用語集
このページの先頭へ