1.発生要因
前立腺がんのリスクを高める要因として、前立腺がんの家族歴(家族や血縁者に前立腺がんにかかった人がいる)、高年齢が明らかにされています。その他にも肥満、食品(カルシウムの過剰摂取など)、喫煙などについて多くの研究が行われていますが、まだ明らかではありません。
※危険因子については、がん情報サービスの発生要因の記載方針に従って、主なものを記載することを原則としています。記載方針については関連情報をご覧ください。
2.予防とがん検診
1)予防
日本人を対象とした研究では、がん全般の予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、身体活動、適正な体形の維持、感染予防が有効であることが分かっています。
前立腺がん全般については、現在のところ、特有の予防法は確立されていません。
2)がん検診
がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。わが国では、厚生労働省の「がん予防重点健康教育およびがん検診実施のための指針(令和6年一部改正)」でがん検診の方法が定められています。
しかし、前立腺がんについては、現在は指針として定められているがん検診はありません。気になる症状がある場合には、医療機関を早めに受診することをお勧めします。なお、職場や市区町村の検診を受ける場合や、人間ドックなど任意でがん検診を受ける場合には、そのメリットとデメリットを理解した上で受けましょう。
なお、がん検診は、症状がない健康な人を対象に行われるものです。症状をもとに受診して行われる検査や、治療後の経過観察で行われる定期検査は、ここでいうがん検診とは異なります。