「がんのことは、どのように調べればいいの?」
「わたしに必要な情報って、何だろう」
「テレビで見た最先端医療が気になる……」
「インターネットで検索すると、いろんな情報があって混乱する」
1.主治医は、一番大切な、あなたの情報源
主治医は、あなたの診断や治療に関してもっとも重要な情報源になります。あなたにとって、今、どのように対応するのが医学的に一番良いか、医学の専門家として責任を持って提案します。
まずは主治医の説明をよく聞きましょう。そして、知りたいことは遠慮せずに聞いてみましょう。
とくに確認したいのは、「正確ながんの名前」「そのがんの詳しい性質」「がんの広がり(病期/ステージ)」です。
主治医と話すときには、
①あとから見直せるようにメモをとりましょう
専用のノートを作り、日付を入れて順番に書くとよいでしょう。家族や信頼できる人に同席してもらうのもよい方法です。また、会話を録音できることもありますが、施設によっては禁止されているところもありますので、録音したいときには「録音してもよいですか?」と聞いてみましょう。
②質問リストをまとめておきましょう
質問したいことを忘れないように準備しておくと便利です。がん相談支援センターで一緒に考えてもらうこともできます。主治医にリストを渡して、読んでもらうのもよいでしょう。
2.国立がん研究センター「がん情報サービス」が検索の入り口
インターネット上には膨大な情報があります。中には、すでに使われなくなった古い治療法や、ある人にとっては当てはまるけれど今のあなたには当てはまらないもの、効果が科学的に確認されていないものを、保険外で患者負担が高額となる自由診療として提供しているもの、なども数多く存在します。自分に合った確かな情報を見つけ出すことは、非常に難しいかもしれません。
まずは「がん情報サービス」をご利用ください
インターネットで情報を探すときには、「確かな」入り口から入ることが大切です。
その情報は大丈夫ですか?
読む前にチェック!
当てはまったら要注意です。
①情報が古くありませんか?
医療は日進月歩。現時点で最良の内容ではないかもしれません。
②保険診療で受けられない治療ではありませんか?
一部の民間のクリニックや病院において「自由診療として行われる治療(免疫療法など)」は、効果が証明されておらず、医療として確立されていません。安全に受けられない場合もあります。
③こんな言葉が入っていませんか?
「必ずよくなる」「〇〇すれば治る」「奇跡の」「特別な」「副作用がない」「どんながんにも効く」「がんが消えた」…… これらは宣伝文句として使われることが大半です。
④「わたしはこれでがんが治った!」ブログや動画
ある人に効果があった治療法が、そのままあなたのがんにも効くかはわかりません。
3.確かな情報源から自分に合った情報を探すことが大切です
「がん情報サービス」など、確かな情報源からあなたに合った情報を見つけましょう。情報は、がんと診断されたあなたが、これからどうしたいかを考え、決めていくために使うものです。情報を探すときには、何をするために、どのようなことを知りたいのかを考えてみましょう。
気になる情報が見つかったら……
ひとりで判断しないことが大切です
その情報は確かな情報ですか?要注意な情報はありませんか?主治医や看護師、まわりにいる医療スタッフに相談してみましょう。インターネット上の情報の場合は、見つけた情報を印刷して、確認してもらうとよいでしょう。
がん相談支援センターでは、あなたに必要な情報を探すお手伝いをします。
「インターネットや本を調べてみたところ、医師から提案された治療以外に『遺伝子治療』や『免疫療法』、『がんに効く○○』など、たくさんの治療法であふれていました。何がよいことなのかわからなくなってしまい、がん相談支援センターで聞いてみました。標準治療と自由診療の違いなどについて教えていただき、混乱が解消されました。相談できてよかったです」
まとめ
- 何が確かな情報かあなただけで判断せず、あなたにとって最善の方法を一緒に考えてくれる主治医やまわりの医療スタッフ、そして、がん相談支援センターに相談してください。
- 確かな情報源として「がん情報サービス」を利用しましょう。