1.経過観察
治療後は、定期的に通院して検査を受けます。検査を受ける頻度は、がんの進行度や治療法によって異なります。
治療を行ったあとの体調や再発の有無を確認するために、定期的に通院します。特に、乳頭がんや濾胞がんでは、10年あるいは20年たってから再発する可能性がありますので、長期の経過観察が必要になります。手術(外科治療)後1〜2年間は1〜3カ月ごと、手術後2〜3年間は半年ごとぐらいの通院が一般的です。ただし、甲状腺の全摘術などによって甲状腺や副甲状腺のホルモン薬を飲んでいる場合には、その処方期間に合わせた通院が必要になります。
通院の際には、内視鏡検査、首の触診、画像検査などを行います。なお、受診の間隔や検査の内容は体の状態などによって異なります。担当医と相談しながら通院しましょう。
2.日常生活を送る上で
規則正しい生活を送ることで、体調の維持や回復を図ることができます。禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、適度な運動などを日常的に心がけることが大切です。
症状や治療の状況により、日常生活の注意点は異なりますので、体調をみながら、担当医とよく相談して無理のない範囲で過ごしましょう。
手術後の日常生活
基本的には食事や運動などの制限はありません。首の創が気になるときはスカーフを巻くなどの方法がありますが、半年ほどで気にならなくなることが多いです。
放射性ヨウ素内用療法後の日常生活
放射性ヨウ素内用療法を実施する前後には、ヨウ素を制限した食事をします。治療後、体内から出る放射線量が基準値を下回ってから退院となりますが、退院後数日はごく少ない量の放射線が出ます。そのため、周囲の人への被ばくに気を付けた生活が必要となります。この期間を過ぎれば、食事や活動に制限はなくなります。退院後の生活の注意点については、担当医や看護師に確認をしましょう。
性生活について
性生活によって、がんの進行に悪影響を与えることはありません。また、性交渉によってパートナーに悪い影響を与えることもありません。
しかし、がんやがんの治療は、性機能そのものや、性に関わる気持ちに影響を与えることがあります。がんやがんの治療による性生活への影響や相談先などに関する情報は、「がんやがんの治療による性生活への影響」をご覧ください。
なお、薬物療法中やそのあとは、腟分泌物や精液に薬の成分が含まれることがあるため、パートナーが薬の影響を受けないように、コンドームを使いましょう。また、薬は胎児に影響を及ぼす可能性があるため、治療中や治療終了後一定期間は避妊しましょう。経口避妊薬などの特殊なホルモン薬を飲むときは、担当医と相談してください。
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