1.発生要因
血縁のある家族に膵臓がんになった人がいること、糖尿病や慢性膵炎、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)にかかっていること、喫煙や飲酒、肥満などが膵臓がんを発生するリスクを高めることがわかっています。
なお、両親、兄弟姉妹、子どものいずれかで膵臓がんになった人が2人以上いる場合を家族性膵がんといいます。家族性膵がんの家系の人は、そうでない人よりも膵臓がんが発生するリスクが高いことが分かっており、早期診断や治療のための調査や研究が行われています。心配なことは、まずはがん相談支援センターや身近な医療機関にご相談ください。遺伝を専門とする医師の診察や遺伝カウンセリングが受けられる場合もあります。
発生要因に関するがん情報サービスの記載方針を掲載しています。
2.予防と検診
1)予防
日本人を対象とした研究結果では、がん全般の予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、身体活動、適正な体形の維持、感染予防が有効であることが分かっています。
特に男性では、膵臓がんを予防するためには、禁煙することが効果的であるといわれています。
2)がん検診
がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。わが国では、厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(令和3年一部改正)」で検診方法が定められています。
しかし、膵臓がんについては、現在、指針として定められている検診はありません。気になる症状がある場合には、医療機関を早めに受診することをお勧めします。人間ドックなど任意で検診を受ける場合には、検診のメリットとデメリットを理解した上で受けましょう。
なお、検診は、症状がない健康な人を対象に行われるものです。がんの診断や治療が終わった後の診療としての検査は、ここでいう検診とは異なります。
更新・確認日:2023年02月20日 [ 履歴 ]
履歴
2023年02月20日 | 「膵癌診療ガイドライン2022年版」「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(令和3年10月1日一部改正)」を確認し、更新しました。 |
2020年09月08日 | 「膵癌診療ガイドライン2019年版」より、内容の更新をしました。 |
2017年07月25日 | 「膵癌診療ガイドライン 2016年版」より、内容の更新をしました。4タブ形式に変更しました。 |
2014年10月14日 | 「4.疫学・統計」を更新しました。 |
2013年04月12日 | 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。 |
2006年10月20日 | 内容を更新しました。 |
1995年12月25日 | 掲載しました。 |