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胃がん

胃がん 療養

1.経過観察

治療後は、定期的に通院して検査を受けます。検査を受ける頻度は、がんのステージ(病期)や治療法によって異なります。

内視鏡治療のあとの経過観察は、病理診断の結果により異なります。年に1〜2回の内視鏡検査を基本として、CT検査などの画像検査をする場合もあります。

手術(外科治療)のあとの経過観察では、回復の度合いや再発の有無を確認するために、定期的に通院して検査を受けます。頻度は状況により異なりますが、少なくとも手術後5年間は通院が必要です。

薬物療法のあとは、はじめは1週間ごと、病状が安定してきたら2〜3週間ごとに定期的に通院します。その後は、治療によりがんを取りきることが難しい進行・再発胃がんに対する薬物療法を受けた場合には2〜3カ月に一度、術後補助化学療法を受けた場合には、半年ごとにCT検査などでがんの状態を確認します。

2.日常生活を送る上で

規則正しい生活を送ることで、体調の維持や回復を図ることができます。禁煙すること、飲酒をひかえること、バランスのよい食事をとること、適度に運動することなどを日常的に心がけることが大切です。

症状や治療の状況により、日常生活の注意点は異なりますので、体調をみながら、担当医とよく相談して無理のない範囲で過ごしましょう。

また、患者会や患者サロンなどでは、同じ病気や障害など、共通する経験を持つ人から情報を聞いたり、交流をしたりすることができます。患者会や患者サロンなどの情報は、がん相談支援センターで入手することもできます。

1)内視鏡治療後の日常生活

胃の機能が大きく損なわれないので、早めに体力が回復し、基本的には食事も治療前と同じようにとれます。退院後2〜3週間以内にもとの日常生活に復帰できることが多いです。

2)手術(外科治療)後に起こる症状と食事の注意点

胃を切除したあとには、小胃しょうい無胃むい症状、ダンピング症候群や逆流性食道炎が起こりやすくなります。また、貧血や骨粗しょう症になったり、体重が減ることも多いため、特に食事のしかたや内容に注意しましょう。

水分で固形物を流し込むような食べ方は避け、「少量ずつ」「何回かに分けて」「よくかんで」「ゆっくり」食べることを基本として、新しい胃腸の状態に応じた食べ方に少しずつ慣れていくことが大切です。人によって、手術後の食事の状況や好みは異なり、新しい胃腸の状態に慣れるまでには、数カ月~1年ほどかかることもあります。自分に合った食事のしかたは、栄養士などの医療者に相談してみましょう。

(1)小胃・無胃症状

小胃・無胃症状とは、手術によって胃が小さくなる、または無くなることによって、食事が少ししか入らなくなったり、すぐにおなかがいっぱいになるという症状です。このような症状により、それまでと全く同じように食事をとることが難しくなる場合には、以前よりも食事回数を増やし、少量ずつ時間をかけて食べる必要があります。時間とともに少しずつ慣れ、だんだんと食べられるようになっていくことが多いです。

(2)腹痛と下痢

胃を切除すると食べ物を十分に消化できなかったり、食べ物が急に小腸に入ったりするため、下痢や腹痛が起こりやすくなります。内服薬で改善することもあるため、症状が気になる場合は担当医に相談しましょう。

(3)ダンピング症候群

胃の切除・再建後には、これまで胃の中で混ぜられ少しずつ腸に入っていった食べ物が、直接急に腸に流れ込むために、動悸どうき、発汗、めまい、脱力感、震えなどの症状があらわれることがあります。これをダンピング症候群といいます。胃全摘術や幽門ゆうもん側胃切除術など胃の幽門部を切除したときに起こりやすく、食後すぐあとに起こる早期ダンピング症候群と、2〜3時間後に起こる後期ダンピング症候群があります。

早期ダンピング症候群は、未消化の食べ物が急に小腸に入ることで起こります。動悸、発汗、めまい、脱力感などの症状があらわれます。症状が出たとしても、通常は30分以内に治まることがほとんどです。食事の回数を増やし、1回の量を減らして、ゆっくりとよくかんで食べることが予防になります。

後期ダンピング症候群は、ごはんや麺類、パン、甘いジュースなどの炭水化物(糖質)を一度にたくさんとった場合に腸で急速に吸収されて、インスリン(血糖を下げるホルモン)が大量に分泌され、血糖が下がり過ぎることで起こります。めまいや脱力感、発汗、震えなどの症状があらわれることがあります。症状が起こりそうだと感じたら、すぐにアメなどをなめて糖分を補給しましょう。血糖値が上がることで、症状は良くなります。予防のためには、一度にたくさんの炭水化物をとるのをひかえることが大切です。

(4)逆流性食道炎

胃の入り口(噴門ふんもん)を切除した場合、胃液や腸液、胆汁などの消化液が逆流して食道に炎症が起こる逆流性食道炎になることがあり、胸やけや胸がつかえるなどの症状があらわれることがあります。横になると消化液が逆流しやすくなるため、食事は就寝2〜4時間前までにとるようにしましょう。また、胆汁の量が増えるため脂肪の多い食事はひかえましょう。症状に応じて、薬を服用することもあります。

(5)貧血

胃酸には、ヘモグロビンを作るために必要な鉄を体に吸収されやすい形に変える働きがあります。しかし、胃全摘後や幽門側胃切除後には、胃酸の分泌が減るため、鉄欠乏性貧血になりやすくなります。

また、胃は、赤血球を作るために必要なビタミンB12の吸収に働く「内因子」というタンパク質を分泌しています。胃全摘後には、内因子が分泌されなくなるため、B12が不足し、貧血につながっていきます。ただし、ビタミンB12は数年は肝臓に蓄積されるため、ビタミンB12が少なくなることによる貧血の症状は、一般的には胃切除から数年後にあらわれます。

十分な量の鉄やビタミンB12を食事で補うことは難しいため、定期的に血液検査を受け、必要があれば鉄剤やビタミン剤を補充する治療を受けることもあります。

(6)骨粗しょう症

胃切除後には、カルシウムの吸収が悪くなるため、骨が弱くなり、骨折しやすくなります。必要に応じてカルシウム剤やビタミンD製剤を服用するとともに、筋力を強化するための運動も大切です。

3)薬物療法中の日常生活

近年では、新しい薬の登場や支持療法の進歩などにより、通院で薬物療法を行うことが増えています。通院による薬物療法には、自宅での生活を続けながら治療を受けられるメリットがあります。しかし、仕事や家事、育児、介護などを治療前と同じように担うことが難しくなることもあります。予想される副作用やその時期、対処法については、医師や薬剤師、看護師からの事前の説明をよく聞いて確認しておき、特に体調の悪いときには周囲にサポートを求めるなど、自分にできる工夫を探してみましょう。

通院は、疑問や不安に思うことを医療者に伝えるよい機会です。気付いたこと、気になることを日ごろからメモしておくと役立ちます。また、どんなときに病院に連絡する必要があるか、薬物療法が始まる前に医療者に確認しておきましょう。

4)性生活について

治療を受けている期間や治療終了後の性交渉が、がんの進行に悪い影響を与えたり、パートナーに悪い影響を与えたりすることはありません。そのため、性交渉を控える必要はありません。ただし、薬物療法中やそのあとは、腟分泌物や精液に薬の成分が含まれることがあるため、パートナーが薬の影響を受けないように、コンドームを使いましょう。また、薬は胎児にも影響を及ぼすため、治療中や治療終了後、子どもを望む場合でも一定期間は避妊しましょう。経口避妊薬などのホルモン剤を飲むときは、担当医と相談してください。

なお、がんやがんの治療は、性機能そのものや、性に関わる気持ちに影響を与えることがあります。がんやがんの治療による性生活への影響や相談先などに関する情報は、関連情報「がんやがんの治療による性生活への影響」をご覧ください。

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がんと診断されてからの働き方についてQ&A形式で紹介しています。
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治療で不安なこと、痛みやつらさ、治療費のことなど、がんに関するさまざまな相談に対応する窓口について紹介しています。
各都道府県等が発行しているがんに関する冊子やホームページへのリンクを掲載しています。
更新・確認日:2026年01月13日 [ 履歴 ]
履歴
2026年01月13日 「胃癌治療ガイドライン医師用 2025年3月改訂【第7版】」「患者さんのための胃がん治療ガイドライン 2023年版」より、内容を更新しました。
2022年07月26日 「胃癌治療ガイドライン医師用 2021年7月改訂【第6版】」より、内容を更新しました。
2020年03月16日 「さまざまな症状への対応 貧血」へのリンクを追加しました。
2019年04月08日 「胃癌治療ガイドライン医師用 2018年1月改訂(第5版)」「胃癌取扱い規約 第15版(2017年10月)」により、内容を全面的に更新をするとともに、4タブ形式に変更しました。
2015年10月31日 「胃癌治療ガイドライン 2014年第4版」などにより、「経過観察と検査」などを更新しました。
2012年12月04日 内容を更新しました。
2012年10月26日 更新履歴を追加しました。
2012年06月18日 内容を更新しました。
2012年06月05日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2007年04月02日 掲載しました。
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