1.日常生活を送る上で
病状や、術式、治療の状況により、日常生活の注意点は異なります。自分の体調をみながら、担当医と注意点などをよく相談して無理のない範囲で過ごしましょう。
1)治療別の日常生活の注意点について
(1)手術(外科治療)後の日常生活
手術後の活動の範囲や運動については、担当医からよく説明を受けましょう。創部が落ち着き、体力の回復状況に合わせて、まずは散歩などの軽い運動から始め、あせらず、少しずつ運動量を増やしていきましょう。運動を始めるのは、家事などの日常生活が元通りにできるようになってからです。創部の痛みや違和感、熱感など気になることがありましたら、遠慮なく担当医に相談しましょう。
(2)放射線治療後の日常生活
放射線皮膚炎の予防的ケアが大切です。照射された部位は刺激を与えないように、擦ったり、かいたりしないようにしましょう。放射線皮膚炎は、放射線治療特有の症状であり、治療には放射線に関する専門的知識が必要です。症状があらわれてしまった場合には、放射線腫瘍医の指示を受けましょう。また、放射線治療が終了して数カ月から数年たってから起こる症状(晩期合併症)もありますので、気になる症状があれば担当医に報告しましょう。
(3)薬物療法後の日常生活
近年、抗がん剤や支持療法の進歩に伴い、通院によって抗がん剤治療を行う外来化学療法が増えています。仕事や家事、育児、介護など今までの日常生活を続けながら治療ができる一方で、いつも医療者がそばにいるわけではないという不安があるかもしれません。医療スタッフへ予想される副作用や出現時期、その対処法について事前に確認し、外来時には疑問点や不安点などを相談しながら治療を進めるとよいでしょう。
2)家族や親しい人の理解を得る
治療後は、体力の回復が第一です。家事などもすべてを急に始めるのではなく、家族に協力してもらいながら徐々に体を慣らしていきましょう。
性生活については、女性器の手術を受けた方の多くが不安を感じます。不安を軽減するため、まずは、性交渉にこだわらず、「抱きしめてもらう」「手をつないで眠る」といったことをパートナーと相談してみましょう。また、治療にもよりますが、性交痛がつらい、など悩んだりしたときは、ひとりで抱えこまずにパートナーに話してください。パートナーと一緒に担当医に相談することも大切です。がん相談支援センターの相談員に話を聞いてもらうといったことなども役に立つかもしれません。
2.経過観察
再発の早期発見と、治療に伴う合併症に対処するために、定期的な外来通院と検査を行います。
経過観察は、治療後1~2年目は1~3カ月ごと、3~5年目は6カ月ごと、6年目以降は1年ごと、を目安としています。
問診、視診、触診、細胞診や生検、胸部X線検査、腫瘍マーカー検査、CT検査などを行い、再発だけでなく合併症の有無についても確認します。
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