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薬物療法 もっと詳しく知りたい方へ

更新・確認日:2019年09月11日 [ 履歴 ]
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2019年09月11日 「薬物療法(化学療法)」の内容を更新し、ページタイトルを変更しました。
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2006年03月15日 更新しました。
1999年10月05日 掲載しました。

1.薬物療法とは

「薬物療法」は、がんを治したり、あるいは、がんの進行を抑えたり、がんによる身体症状を緩和したりすることを目的として行います。

薬物療法には、「化学療法」「内分泌療法(ホルモン療法)」「分子標的療法」などの種類があります。化学療法という言葉がよく使われますが、「細胞障害性抗がん薬」という種類の薬を使う治療のことを、化学療法ということがあります。

一方、がんとその薬物療法による症状をやわらげるために鎮痛剤や制吐剤などを使って症状を抑える治療を「支持療法」といいます。

関連情報
ここでは、「薬物療法」について紹介します。

1)目的

薬物療法の目的には、「治癒」と「延命・症状緩和」があります。

(1)治癒

治癒とは、がんが治ることです。がんが治癒可能であるかどうかは、どんな種類のがんがどの程度の進行具合(病期)で発見されたかによって決まります。一部の血液やリンパのがんなどでは薬物療法のみで治癒を目指すことができますが、多くのがんでは、薬物療法のみで治癒を目指すことは困難であり、手術(外科治療)や放射線治療と併用することがあります。

それぞれのがんの治療については、以下の「それぞれのがんの解説」の中の「治療」の項目をご覧ください。

(2)延命・症状緩和

がんが進行していた場合や手術後に再発した場合など、治癒が困難な状況で薬物療法を行うことがあります。この場合の薬物療法は、延命やがんによる身体症状の改善を目的としています。がんの種類によりますが、薬物療法を行わない場合と比べて数カ月から数年程度の延命が期待できます。

2)薬物療法と他の治療との組み合わせについて

薬物療法を行う場合には、治療をする時点で一番良い効果や安全性が確認された治療である「標準治療」に基づいて、薬物療法だけで治療する場合と、手術や放射線治療と組み合わせる場合(集学的治療)があります。

用語集 関連情報
「集学的治療(準備中)」

(1)薬物療法だけで治療する場合

がんが進行していて、手術や放射線治療よりも薬物療法の方がより良いと考えられる場合や、白血病や悪性リンパ腫などの血液・リンパのがんの場合には、薬物療法だけで治療することがあります。1種類の薬を使うこともあれば、作用の仕方の違う何種類かの薬を組み合わせて治療することもあります。

(2)手術と組み合わせる場合

手術と薬物療法を組み合わせる場合、手術の前後(術前・術後)ではそれぞれ目的が異なります。

「術前薬物療法」の目的は、再発リスクを低くすること以外に、腫瘍を薬で縮小させることで手術しやすい状態にすること、正常組織をできるだけ切除せずに残すこと、薬の治療効果をあらかじめ確認することなどです。

「術後薬物療法」の目的は、がんの再発する可能性を減らすことです。手術でがんを肉眼的に切除しても、体内に確認できないほど小さながんが残っていて、やがて再発する場合があります。がんの種類や性質、進行具合などのさまざまな状況から、再発の可能性が高いと想定される場合には、術後に薬物療法を行うことです。

術前・術後薬物療法は、臨床試験などで効果が示された、特定のがんの種類や状態の人に行われるものであり、手術をするすべての人に術前・術後薬物療法が行われるわけではありません。

(3)放射線治療と併用する場合

放射線治療を薬物療法と併用することを「化学放射線療法」といいます。薬物療法と併用することで、放射線のあたる部分の治療効果を高めることと、全身への薬物療法の効果が期待でき、治癒の可能性を高めることができます。

3)薬を体内に入れる経路

薬を体内に入れる経路には、口からの服用(内服)や静脈への注射(静脈内注射・点滴)、皮膚への注射(皮下注射)や筋肉への注射(筋肉注射)などがあります。

(1)内服

内服とは、口から薬を飲むことです。

内服では、飲み込んだ薬が小腸などの消化管粘膜で吸収され、薬の成分が血液に流れ込み全身をめぐります。食事の前と後で、薬が体内に吸収される量や速度が変わることがあるため、どのタイミングで内服するのかは薬ごとに決められています。また、他の薬や特定の食べ物や飲み物と一緒に内服すると、薬の効果が弱くなったり、逆に強くなったりする場合があります。このため、内服の場合は、処方された薬に関して、指定された用法・用量や注意事項を守ることが大切です。
薬のイメージ画像

(2)静脈内注射・点滴

静脈への注射の方法には、薬を1回の注射ですべて入れる「静脈内注射」と、一定の時間をかけて注入する「点滴」の方法があります。多くの場合、前腕などの静脈から薬を注入しますが、血管の状態や治療の方法によっては、太い静脈(鎖骨の下や首、足の付け根の部分の静脈)から注入することもあります。

静脈内注射や点滴では、血管から薬の成分が全身にめぐります。前腕などの細い静脈に何度も点滴をすると、次第に血管がもろく弱くなり、点滴しにくくなることがあります。また、薬の一部が血管の外に漏れると、その周辺組織が傷ついたり、炎症を起こしたりすることがあります。
静脈内注射・点滴のイメージ図
そのため、鎖骨の下や首など体の深い部分にある太い静脈に点滴の管(カテーテル)を入れて薬を注入することもあります。カテーテルは、皮膚から太い静脈に挿入する場合と、太い静脈の近くの皮膚を切開して皮下を広げた後、「ポート」と呼ばれる装置を皮下に埋め込んで、皮膚の上から皮下に埋め込まれたポートに針を刺して薬を注入する場合があります(図1)。ポートを埋め込む時には局所麻酔をかけて痛みを取り除きます。埋め込んだ後は創(きず)が治ると痛みもよくなります。

ポートは患者自身や家族が管理方法を学ぶことで、自宅にいても安全に点滴をすることが可能になり、点滴が終了した後には自分で針を抜くこともできます。針を刺したり抜いたりする時には少し痛みを感じることがあります。
図1 埋め込み型のポート
埋め込み型のポートのイメージ図

(3)その他の方法について

内服や点滴以外に、皮膚への注射(皮下注射)や筋肉への注射(筋肉注射)があります。また、腫瘍に直接薬を注入したり(腫瘍内投与)、おなかの中(腹腔)や腰の骨の中(髄腔)、膀胱内に薬を注入したり、がんのある場所に流れる血管へ薬を注入したり(動脈注射)することもあります。がんの種類や場所によって、がんに薬がより届きやすい方法を選択します。

4)治療の実際

患者に合った治療法・スケジュールにより、薬物療法を行います。治療後は治療効果を見ながら継続して治療したり、他の治療法を検討したり、経過を観察したりします。

(1)治療法の選択

治療法は、治療の目的に沿って、それぞれの治療法の有効性と安全性の両方を考えて慎重に決めていきます。患者自身が治療法に関する正しい情報を理解した上で、決めていくことが望ましく、詳しい治療法については、担当の医療者から説明を受け、不明点があれば聞くようにしましょう。

(2)入院治療と外来治療

薬物療法は主に、入院期間中に治療する「入院治療」と、外来で通院しながら治療する「外来治療」に分かれます。どちらで治療をするのかは、患者の体調や各治療法のスケジュールなどを考慮して決めていきます。副作用を和らげる支持療法の発展により、薬物療法は外来治療が多くなっています。

(3)治療期間と治療効果の確認方法

薬物療法の治療期間はがんの種類や治療法によって異なり、「3週ごとの点滴を合計6回」や「毎日の内服を治療効果がなくなるまで」などさまざまです。多くのがんでは、治療の効果を、CTなどの画像検査によって、がんの大きさがどれだけ小さくなっているかにより確認します。白血病や多発性骨髄腫などでは、血液や骨髄検査の値で治療効果を確認します。

2.薬物療法で使われる薬の種類

薬物療法の薬は、がん細胞を攻撃します。がんの治療で使われる薬の種類には、「細胞障害性抗がん薬」「内分泌療法薬(ホルモン療法薬)」「分子標的薬」などがあります(図2)。薬の種類によって、がん細胞への攻撃の仕方が異なります。
図2 薬物療法と主な薬の種類
図2 薬物療法と主な薬の種類、細胞傷害性抗がん剤、アルキル化薬、代謝拮抗薬、微小管阻害薬、白金製剤、トポイソメラーゼ阻害薬、抗生物質、分子標的薬、少分子化合物、チロシンキナーゼ阻害薬、mTOR阻害薬、プロテアソーム阻害薬、HDAC阻害薬、CDK阻害薬、PARP阻害薬、抗体薬、細胞表面抗原に対する抗体薬、血管新生阻害薬、抗上皮成長因子受容体抗体、抗HER2抗体薬、免疫チェックポイント阻害薬、分化誘導療法、レチノイド(ビタミンA誘導体)、さん酸化ヒ素、免疫療法、免疫調整薬、免疫抑制阻害療法

1)細胞障害性抗がん薬

細胞障害性抗がん薬は、細胞の増殖の仕組みに着目して、その仕組みの一部を邪魔することでがん細胞を攻撃する薬です。がん以外の正常に増殖している細胞も影響を受けます。一般的に点滴で治療します。

副作用は、薬の種類や量、抗がん薬の組み合わせなどによって異なります。どのような副作用がいつ頃出やすいのかはさまざまです。

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2)内分泌療法薬(ホルモン療法薬)

内分泌療法薬は、ホルモンの分泌や働きを阻害し、ホルモンを利用して増殖するタイプのがんを攻撃する薬です。乳がんや前立腺がんなどの特定のタイプのがんでのみ使われます。内服や注射で治療します。内分泌療法薬の副作用として、ホットフラッシュ(ほてり)や生殖器での症状、関節や骨・筋肉での症状などが出ることがあります。

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3)分子標的薬

分子標的薬は、がん細胞の増殖に関わるタンパク質や、栄養を運ぶ血管、がんを攻撃する免疫に関わるタンパク質などを標的にしてがんを攻撃する薬です。分子標的薬には、「小分子化合物」と「抗体薬」の2つの種類があります。

(1)小分子化合物

小分子化合物は、分子標的薬のうち、薬の成分となっている物質(化合物)の大きさが小さいものです。がん細胞の増殖に関わるタンパク質を標的にして、細胞の中に入り込み、細胞を増やす信号が送られてきても受け取らないように阻害します。多くは内服で治療します。

「チロシンキナーゼ阻害薬」や「マルチキナーゼ阻害薬」、「mTOR阻害薬」などがあります。

小分子化合物は、標的とされたタンパク質だけでなく、それ以外のタンパク質にも影響を及ぼすことがあるため、皮膚の症状や薬剤性肺炎、下痢、肝機能障害、高血圧など、さまざまな副作用が出ることがあります。どのような副作用がいつ頃出やすいかは、薬ごとに特徴が異なります。

(2)抗体薬

特定のタンパク質を標的として働くタンパク質を抗体といいます。抗体薬は抗体を使った薬で、多くは点滴で治療します。

抗体薬の中には、がん細胞の表面にあらわれるタンパク質と結合して、がん細胞を直接攻撃するものもあれば、がん細胞を直接攻撃するのではなく、がん細胞の周りの環境に働きかけて作用するものもあります。環境に働きかけるものとして、血管をつくる働きや免疫の働きを利用したものがあります。

抗体薬には、「抗上皮成長因子受容体抗体」や「抗HER2抗体薬」などがあります。「免疫チェックポイント阻害薬」は抗体薬の1つです。最近は、抗体薬に細胞障害性抗がん薬を結合させ、がん細胞を効率的に攻撃する薬も開発されています。

副作用には薬の種類によって、「インフュージョンリアクション」といって治療の初期(多くは初回)にインフルエンザのような症状(高熱、関節痛、息苦しさなど)がみられることがあります。

(3)バイオマーカー検査について

分子標的薬の標的になるタンパク質の有無を、バイオマーカー検査で調べることがあります。その結果に基づいて治療薬を検討します。遺伝子の変異により作られたタンパク質を標的にする分子標的薬もあるため、特定の遺伝子変異の有無を調べることもあります。

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4)免疫チェックポイント阻害薬

免疫チェックポイント阻害薬は抗体薬であり、この薬を使う治療は「免疫療法」でもあります。点滴で治療します。

体の中には、異物の侵入を防いだり、侵入してきた異物を排除したりして、体を守る抵抗力を備えた「免疫細胞」があります。がん細胞の中には、免疫細胞と結合することによって、免疫細胞にブレーキをかけ、その攻撃から逃れる仕組みをもっているものがあります。このような、がん細胞と免疫細胞の結合を“免疫チェックポイント”といいます。免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞と免疫細胞が結合できないように邪魔をすることで、免疫細胞にかけられたブレーキを外して、自分の免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようにする薬です。

一度効果が得られると非常に長く持続する場合があり注目されています。一方でブレーキが外れた免疫が自分の正常な細胞を攻撃して、さまざまな臓器に症状が出る副作用を招く可能性もあります。そのため、がんとは関係ない思わぬところに副作用があらわれたり、点滴中や治療期間中だけでなく、治療終了から数カ月後にあらわれたりする場合もあるので、いつもと違う症状を感じたら、医師や薬剤師、看護師へ相談してください。

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3.薬物療法で注意しておきたいこと

薬により効果や副作用は異なります。中には治療後の生活にも関わるものもあります。また、食事や他の薬、すでにかかっている病気の影響も受けることがあるため、治療を始める前に十分な確認が必要です。使用する薬については、医師や薬剤師などから説明を受けてください。

1)細胞障害性抗がん薬の副作用について

細胞障害性抗がん薬の副作用には、治療直後にあらわれるアレルギー反応や、治療から1~2週間程度の期間にみられる吐き気や食欲低下、だるさ、口内炎、下痢などの症状の他、2週間以降からみられる脱毛や手足のしびれ、皮膚の異常(色素沈着や乾燥など)など、症状が出てくる時期がある程度一定しています。

また、採血をしなければわからない副作用として、肝機能障害や腎機能障害、血液の異常(白血球減少や血小板減少、貧血など)があります。これらの異常が出現する時期も、治療法によって、ある程度共通しています(図3)。

一方で、患者の体調によっては、副作用の出現時期が早まったり、症状が強く出たりすることがあります。
図3 細胞障害性抗がん薬の副作用と発現時期
細胞障害性抗がん薬の副作用と発現時期のイメージ図

2)新しい薬の副作用について

分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などのさまざまな薬が開発されてきて、これまでにみられなかった副作用があらわれることもあります。

分子標的薬は「がん細胞だけが特異的にもつ分子を標的としてつくられた薬」ですが、「副作用はほとんど出ないか、軽いものばかりである」というわけでは決してありません。重篤な副作用が出ることもあります。「細胞障害性抗がん薬とは異なる副作用が出るかもしれない薬である」ことを理解して、安全に治療を続けていくことが必要です。どのような副作用がいつ頃出やすいかは、薬ごとに特徴がありますので、医師や薬剤師の説明を聞いて確認してください。

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免疫チェックポイント阻害薬は、発生したがん細胞を異物として排除する免疫反応を強めます。免疫反応は、がんのない部位でも強くなるため、思わぬ副作用を起こすことがあります。

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3)注意しておきたい副作用の症状

副作用の症状の程度はさまざまで、中には今後の生活にも関わるものもあります。以下では注意しておきたい特徴的な症状をあげています。

(1)特徴的な皮膚障害

「EGFR-TKI(TKI:チロシンキナーゼ阻害薬)」や「抗上皮成長因子受容体抗体」による、にきびのような発疹(ざ瘡様皮疹:ざそうようひしん)・爪のまわりの炎症(爪囲炎:そういえん)は分子標的薬による代表的な皮膚症状です。この他、「マルチキナーゼ阻害薬」による、手足にしびれや痛み、赤く腫れるなどの症状が出る手足症候群や、その他、体幹の発疹や光に過敏に反応して起こる皮膚炎(光線過敏症)などの皮膚症状を特徴とする薬もあり、ひと口に皮膚障害といっても、その内容は薬によってさまざまです。

皮膚障害が出やすい薬の治療を受けるときには、「どのような皮膚障害がいつ頃から出やすいのか」「どのような予防法があるのか」をしっかり理解して、セルフケアに努めることが大切です。そして内服薬の場合は、「皮膚がどのような状態になったら内服をやめるのか」を、治療を始める前に担当の医療者に確認しておくことも重要です。

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(2)血圧について

分子標的薬の中で、血管をつくる働きを阻害する種類の薬を使うと、高血圧になることがあります。高血圧の症状のあらわれ方は、同じ種類の薬であっても異なり、急激に症状があらわれる薬と、徐々に血圧が高くなる薬があります。自分の薬がどのような特徴をもっているのかを知っておくことも大切です。また、不整脈や心筋障害を引き起こす可能性のある薬では、いつもと違う血圧・脈拍の数値をきっかけに、早い段階で発見できることもありますので、普段から血圧測定をしておくことをお勧めします。

(3)咳や呼吸困難

咳や呼吸困難といった呼吸器症状が出てきた場合の原因としては肺炎が多いですが、他にもさまざまな原因があります。細菌などの微生物が原因となる感染性肺炎もあれば、薬の直接的な障害によって起こる間質性肺炎もあります。その他、心不全やがんの悪化により胸水がたまった場合でも咳や呼吸困難になることがあります。咳や呼吸困難の症状が出てきた場合には、医療機関を受診し、診察・検査を受けることが大切です。

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(4)その他の注意しておきたい症状について

現在は薬物療法にさまざまな薬が使われていますので、すべての副作用を想定しておくことは困難であり、「この副作用に注意しておけば大丈夫」ということはありません。普段とは明らかに異なる症状や異常を感じた場合は、躊躇せずに病院に連絡し、相談してください。早い段階で医療機関を受診することが、副作用の重篤化を防ぐ一番の方法になります。

4)妊よう性について

妊よう性とは、「妊娠するための力」のことです。がんの治療のために、妊娠に必要な臓器を手術で切除する場合だけでなく、薬物療法を行う場合や、妊娠に必要な臓器に放射線治療が及ぶ場合に、女性も男性も影響を受けます。将来子どもをもつことを希望する場合には、妊よう性に影響がある治療を開始する前に、卵子や精子、パートナーがいる人は受精卵を保存する方法(妊よう性温存治療)があります。妊よう性温存治療を検討する場合には、担当医に相談し、必要に応じて生殖医療専門医を紹介してもらいましょう。

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4.サポート体制

医療の進歩に伴い多様化する、治療への対応や患者と家族の抱える問題に取り組むために、チーム医療による支援や生活の支援をする体制があります。

1)チーム医療による支援について

チーム医療とは、医師や看護師、薬剤師、管理栄養士、ソーシャルワーカーなど、さまざまな専門の職種が連携し、一人ひとりの患者の状況に合わせて提供する医療のことです。患者や家族もチームの一員です。薬物療法は、チーム医療体制の下で行われています。

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2)生活の支援について

(1)アピアランス支援

アピアランスとは、“外見、容姿”を表す英語です。薬物療法では、眉毛や髪の脱毛、色素沈着などの皮膚障害、爪の変形など、外見の変化を伴うことがあり、時に患者に精神的な苦痛をもたらし、社会生活を妨げる原因にもなります。アピアランス支援では、このように患者が悩んでいる外見の変化に対して、具体的な対処法の提案をしていきます。全国のがん診療連携拠点病院では、アピアランス支援の対応部署の設置が進んできています。外見の変化に悩みを抱えている人は、まずは、自分の病院の看護師や相談員に相談してみましょう。

(2)療養生活の支援

治療の選択や副作用に関わる悩み以外に、治療費などの経済的な問題や、仕事の悩み、療養環境や家族の悩みなど、療養上の悩み事は一人ひとりの患者で異なります。自分に必要な助成や支援の制度、介護・福祉サービスなどの情報は、院内の相談室や全国のがん相談支援センターに相談できます。

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5.薬物療法に関連する情報

●遺伝子検査と薬物療法

がんの医療では遺伝子情報に基づく個別化治療が始まっています。がんの種類によっては、バイオマーカー検査をして、特定の薬(主に小分子化合物)の効果が期待できるかを調べてから、薬を決定することがあります。生検や手術などで取り出したがんの組織からがん遺伝子を調べるのですが、特に多数のがん遺伝子を同時に調べる検査を、「がん遺伝子パネル検査」といいます。また、がん遺伝子パネル検査の結果を基にして提供される医療を「がんゲノム医療」といいます。

がんゲノム医療は、標準治療が終了したり、珍しいタイプのがんであったりするなどの理由で、治療法を見つけることが難しい場合に、薬物療法の選択の可能性をもたらす新たな医療です。

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●作成協力

この「薬物療法 もっと詳しく知りたい方へ」は、全国がんセンター協議会および厚労科研(H29がん対策‐一般‐005)の全面的なご協力により作成されました。
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