- Q1 臨床試験の治療法は標準治療よりよい治療法なのでしょうか?
- Q2 臨床試験には誰でも参加できるのですか?
- Q3 自分の病状で受けられる臨床試験はどんなものがあるか知りたいのですが?
- Q4 担当医から臨床試験へ参加のお話がありましたが、どうするか迷っています
- Q5 がんが再発してそのことだけで不安なのに、臨床試験を勧められても考えられません
- Q6 臨床試験で、どちらかの治療(新しい治療か、現在行われている治療)に振り分けられるときに、一方を希望することはできますか?
- Q7 臨床試験に参加すると費用はかかりますか?
- Q8 臨床試験の参加に同意しなかったり、途中で参加をやめると治療が受けられなくなるなど不利益なことがありませんか?
- Q9 臨床試験で、わからないこと、気になることは誰に聞いたらいいですか?
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Q1 臨床試験の治療法は標準治療よりよい治療法なのでしょうか?
A1現在利用できる治療の中で、安全でより効果のある治療であることが、臨床試験などの結果から科学的に確かめられている治療方法を「標準治療」といいます。過去の臨床試験の積み重ねの結果、最良と判断された治療です。標準治療といっても、患者さんの状態やがんの進行度などによって治療内容が決まるため、同じ種類のがんでも違う薬を使ったり、違う治療を行う場合があります(図3)。
一方、臨床試験は、新しい治療方法がより最良なものであるかを評価する段階で行われますので、一番よい治療かどうかはその時点ではわかっていません。そのことを十分に理解する必要があります。臨床試験への参加を希望する前に、標準治療やほかの治療について担当医に尋ねてみましょう。場合によっては、セカンドオピニオンを受けるという方法もあります。参加を考えてみたい場合には、まず担当医にご相談ください。図3 治療内容は患者さんの状態や病期で異なる -
Q2 臨床試験には誰でも参加できるのですか?
A2臨床試験には、その試験ごとに適格基準という病状やそれまでに受けた治療など、参加するための条件が設けられています。その条件に合わない場合には、試験に参加することはできません。かかりつけの病院がその試験に参加していない場合もあります。参加を考えてみたい場合には、まず担当医にご相談ください。
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Q3 自分の病状で受けられる臨床試験はどんなものがあるか知りたいのですが?
A3臨床試験への参加は、通常担当医からお話があります。臨床試験の参加には病状やこれまでに受けた治療法などの細かい基準があり、また実施する病院も臨床試験ごとに決められています。まず、担当医に尋ねるのがよいでしょう。
なお、ご自身で臨床試験の情報を知りたいときは、がん情報サービスの「がんの臨床試験を探す」で調べることができます。 -
Q4 担当医から臨床試験へ参加のお話がありましたが、どうするか迷っています
A4臨床試験の参加を検討する上でわからないことや心配なことがあるときには、遠慮なく担当医や臨床研究コーディネーター/CRC、周囲の医療スタッフにご相談ください。
担当医へ次のような質問をしてみるとよいでしょう。
□ 私に臨床試験を勧めるのはなぜですか
□ 現在の病状に対する標準治療はどのようなものですか
□ 現在受けられる治療には、ほかにどのようなものがありますか
□ 臨床試験で被る不利益にはどのようなものがありますか
□ 臨床試験への参加を検討する時間はどのくらいもらえますか
担当医の説明を受け、臨床試験に参加することによって生じる有利な点と不利な点もわかった上で、臨床試験に参加するかどうか決定しましょう。
「研究段階の医療(臨床試験、治験など) 基礎知識」の以下の項目をご参照ください。 -
Q5 がんが再発してそのことだけで不安なのに、臨床試験を勧められても考えられません
A5がんの進行や転移がわかったとき、これまでの治療が手詰まりになったときなどに、臨床試験を勧められることが多いと言えます。また、がんとわかったばかりのときに、臨床試験を勧められることもあります。不安な気持ちでいっぱいのときに、臨床試験の話を聞きたくない気持ちもあるでしょう。臨床試験は現在の治療より優れていることを期待して行うものです。効果や安全性についてまだわからないことがありますが、治療の選択肢の1つとして捉えることもできます。担当医に上記(A4)に記した質問をしてみることで、今のご自分の治療を理解する助けになるでしょう。また、家族や身近な人に不安な気持ちや迷いなど、話を聞いてもらうのも落ち着いて判断する助けになります。
臨床試験に限らず、不安な気持ちを誰かに聞いてもらいたいときは「がん相談支援センター」をご利用ください。ご利用方法については「「がん相談支援センター」とは」をご参照ください。 -
Q6 臨床試験で、どちらかの治療(新しい治療か、現在行われている治療)に振り分けられるときに、一方を希望することはできますか?
A62つのグループを適切に比較するためには、さまざまな偏りを減らすよう振り分けられるため、残念ながら患者さんが治療方法を希望することはできません。また、担当医も選ぶことはできません。どちらのグループになるかは、その臨床試験を運営している大もとの組織から通知されます。
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Q7 臨床試験に参加すると費用はかかりますか?
A7検査・治療・入院などにかかる費用の多くは健康保険で賄われます。通常の診療費と同様に、健康保険の自己負担分はお支払いいただくことになります。保険で賄える費用は臨床試験によって異なりますので、担当医や臨床研究コーディネーター/CRCにお尋ねください。
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Q8 臨床試験の参加に同意しなかったり、途中で参加をやめると治療が受けられなくなるなど不利益なことがありませんか?
A8「臨床試験に参加します」という文書(同意書)に署名した後でも、試験の途中であったとしても、理由を問わず、いつでもやめることができます。臨床試験の参加を取りやめても、あなたに何らかの不利益が生じることはありません。臨床試験の説明文書には、そのことが必ず記載してあります。また臨床試験をやめた後は、臨床試験以外のあなたに最良と思われる治療が行われます。
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Q9 臨床試験で、わからないこと、気になることは誰に聞いたらいいですか?
A9参加中の臨床試験でわからないことや心配なことがあるときには、遠慮なく担当医や臨床研究コーディネーター/CRCにご相談ください。受け取った説明文書に連絡先が書いてあります。
また、関係者に直接相談しづらい場合などは、がん相談支援センターなどにご相談いただくこともできます 。ご利用方法については「「がん相談支援センター」とは」をご参照ください。