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放射線治療の副作用

更新・確認日:2014年04月22日 [ 履歴 ]
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2014年04月22日 がん情報サービスの情報を再編集し、掲載しました。
ここでは、主に放射線治療によって、治療直後から1ヵ月の間に起こる副作用について述べています。入院中は医療スタッフによって支持療法が行われます。

時間が経過して生じる副作用は「晩期合併症」といいます。晩期合併症については「長期フォローアップと晩期合併症」をご覧ください。

どんな副作用があるかということ、症状を軽くする薬や方法があること、治療が終了すれば回復していくことなどをお子さんに伝え、少しでも不安を解消するようにしましょう。

放射線治療の副作用

放射線治療は外科手術、薬物療法(抗がん剤治療)とともにがんの治療の中で重要な役割を果たしています。放射線は手術と同じく、がんとその周辺のみを治療する局所治療です。手術と異なるところは、がんを摘出する必要がないため、臓器を温存することができ、そのため治療の前と同じような生活をすることが可能な治療手段であることです。

がんに対するほかの治療と同様に放射線治療にも副作用があります。放射線治療の主な副作用は治療した部位に起こってきます。副作用が出てくる時期は、放射線治療中または終了直後のもの(急性期)と、終了してから半年から数年経過してからのもの(晩期)があります。

皮膚炎

放射線療法で一般的に行われる治療法は、放射線を体の外から照射する「外照射」です。この「外照射」の場合、放射線は必ず皮膚を通過して病巣に達するため、照射された部位の皮膚に日焼けのような症状が起こります。皮膚の基底細胞(皮膚を作り出している細胞)は、がん細胞と同様に、分裂のさかんな細胞です。放射線には細胞分裂がさかんな細胞に働きかける作用があるため、皮膚は照射により炎症が出現しやすい部位の1つです。

皮膚炎の程度は、照射の量や、部位、照射方法により異なります。通常は、照射終了後1ヵ月程度で、ほぼ治療前の状態に戻ります。しかし、汗腺や脂腺の機能回復には時間がかかるため、乾燥肌となったり、汗をかきにくいなどの症状が残る場合があります。また、照射終了後、抗がん剤治療や、プールの塩素や温泉などの刺激がきっかけとなり、照射部位だけに炎症が起こる場合もあります。

<皮膚炎の症状>
・皮膚の乾燥やかゆみ、ヒリヒリ感、熱感
・色調の変化(発赤[ほっせき]、色素沈着、色素脱失)
・むくみ
・表皮剥離(はくり)

<日常生活上の注意>
・照射部位をこすらない
・ゴシゴシこすって洗わず、石鹸の泡をのせて流す
・化粧品や軟膏などを塗らない
・柔らかい衣服を着用する
◆こんなときは医療スタッフに連絡しましょう!
かゆみがおさまらなかったり、びらんがあるとき
(スプレーや軟膏の薬を使用する場合があります。皮膚の状態によって使用の有無の判断が必要で、使用時にも注意が必要なので、診察・処方を受けて使用しましょう。)

脱毛

放射線照射により、毛母細胞がダメージを受けて脱毛が起こりますが、脱毛が起こるのは放射線が照射された範囲のみです。

頭部への照射の場合は、照射開始後約2週間で脱毛がはじまります。

<患者さんの日常生活上の注意>
・あらかじめ柔らかい素材の帽子、ナイトキャップを用意しておくとよいでしょう。 照射方法により、帽子などが不要な場合もあります。
・髪の毛をあらかじめ短くしておくと、脱毛が起きた際に処理をしやすくなりますが、短すぎると抜けた髪の毛がちくちくと刺激になることもあります。
・洗髪は爪を立てず、やさしく行いましょう。いつも使っているシャンプーでもしみるようなら、刺激の少ないシャンプーを使ってください。
・髪への負担をなるべくかけないようにしましょう。柔らかいヘアブラシを使用したり、ドライヤーの温度を低めにするとよいでしょう。

口内炎、口腔乾燥

口腔(こうくう)や頭頸部の放射線治療の場合、口腔粘膜や唾液腺がダメージを受け、口の中が荒れたり、むくんだり、乾燥したりする場合があります。照射終了後1ヵ月程度で症状は改善します。
唾液腺は放射線により機能が低下しやすいので、照射線量によっては口内乾燥の回復が困難な場合もあります。

<口内炎の症状>
・口の中が荒れる
・口の中がむくむ
・口の中が乾燥する

<病院で処方される口内炎の薬>
・口内炎の痛みや炎症の程度によっては、粘膜保護剤や軟膏、トローチ剤、鎮痛薬を使用します。
・口腔乾燥では保湿効果のある口腔化粧品や唾液分泌を促進する内服薬もあります。

<患者さんの日常生活上の注意>
・歯磨きは、適度な柔らかさでヘッドのブラシ部分が小さな歯ブラシを使用し、粘膜を刺激しないように注意します。
・口腔内が荒れてきたら歯磨きを中止し、うがいに切り替えて、口腔内の清潔を保つように心がけます。
・食事は、激辛などの刺激物や熱すぎるもの・冷たすぎるものを避け、よくかんで食べるようにします。水分の多い粥やスープ、柔らかくて通過のよいヨーグルトやゼリー、豆腐などが食べやすいでしょう。離乳食やゼリー飲料なども、食事の摂取量に合わせて併用します。
・唾液の量が低下して口が渇く場合は、こまめに水分補給やうがいをしたり、あめやガムを口に含んで唾液分泌を促します。りんごやたくあんも唾液が出やすくなるようです。
・唾液の分泌が低下すると、虫歯ができやすくなるため、照射終了後は定期的な歯科受診をお勧めします。さらに、照射範囲内の抜歯は骨髄炎の発症原因となりやすいため、放射線治療前に処置しておいたほうがよいでしょう。放射線治療終了後に歯科を受診する場合は、放射線治療を受けたことを歯科医師に伝えてください。

咽頭・食道炎

咽頭や食道が放射線の範囲に含まれていると、粘膜炎により、食事の際に違和感や痛みが出現する場合があります。

粘膜を刺激しないような食事や飲水を心がけることで、粘膜炎の出現時期や程度が変わります。
症状は、照射終了後約1ヵ月で改善します。

<病院で処方される咽頭・食道炎の薬>
・粘膜保護剤や鎮痛剤

<患者さんの日常生活上の注意>
・よくかみ、一度にたくさん飲み込まず、ごく少量ずつ飲み込みます。
・香辛料などの刺激物、温度の熱すぎるもの、冷たすぎるものを避けます。
・水分の多い粥やスープ、柔らかくて通過のよいヨーグルトやゼリー、豆腐などが食べやすいでしょう。市販の離乳食やゼリー飲料などもあります。

吐き気・嘔吐(おうと)

胃などの消化管が照射範囲に含まれていると、放射線の影響で消化機能が低下し、吐き気や嘔吐が出現する場合があります。症状にあわせて吐き気止めを使用します。照射終了後に症状は改善します。

「放射線宿酔(しゅくすい)」といって、消化管への照射以外の場合でも、照射開始後数日間に食欲低下や嘔気・嘔吐が出現する場合もありますが、出現頻度としてはまれです。放射線宿酔の場合は、通常2~3日で症状は軽快します。

<患者さんの日常生活上の注意>
・無理をして食べないようにし、回数を増やすことをお勧めします。
・口当たりのよい食べ物をとり、油っぽいもの、熱いもの、においの強い食べ物は控えましょう。
・水分をこまめにとって、脱水の予防に努めましょう。

下痢

放射線の照射範囲が腸を含む腹部や骨盤内の場合、下痢となる場合があります。照射開始後2~4週後に下痢が出現する場合が多いです。病院で下痢止めの薬が処方されることがあります。

<患者さんの日常生活上の注意>
・消化のよいもの(お粥や煮込んだうどんなど)を選び、食事は何回にも分けて、少しずつとるとよいでしょう。
・脂肪分の多い食べ物、牛乳や乳製品は避けましょう。また、香辛料を多く使った料理や、炭酸飲料などの刺激物も避けたほうがよいでしょう。
・十分な水分補給を心がけてください。冷たすぎる飲み物は避けましょう。
・スポーツドリンク類は電解質補給にもなります。
・カリウムの多い食品(バナナ、果物ジュースなど)をとるとよいでしょう。
・トイレのあとは必ず陰部を洗浄させてください(感染予防)。

倦怠(けんたい)感

放射線宿酔や通院によって、体がだるくなったり、疲れやすくなる場合があります。化学療法と放射線治療の併用の場合は、抗がん剤の副作用によりだるさが出現する場合もあります。

放射線宿酔の場合は、治療開始後2~3日で症状は軽快しますが、頻度としてはまれです。

だるさが出現している場合は、休息をとるよう心がけましょう。ただし、疲れやだるさがなければ安静の必要はありませんので、通常の生活で構いません。

<患者さんの日常生活上の注意>
・休息は、短時間の休息を回数多くとりましょう。夜は十分な睡眠をとることが重要です。眠れない日が続くようであれば、医師に相談して睡眠薬を処方してもらいましょう。
・吐き気や下痢で食事の摂取が不十分になり、倦怠感の原因となります。消化がよく、栄養価の高いものを摂取するようにしましょう。特に十分な水分摂取は、疲労物質を体外に排出させ、倦怠感の緩和に役立ちます。
・マッサージや入浴などで全身の血液やリンパ液の循環を促進することは、倦怠感の軽減につながります。また、適度な軽い運動も倦怠感を軽くしてくれることがあります。医師や看護師に相談しましょう。
・呼吸法や音楽など、リラックスできる方法を取り入れましょう。調子のよいときは、散歩をしたり、楽しむ時間をつくって気分転換するとよいでしょう。
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