1.発生要因
膀胱がんの危険因子には、喫煙や、ナフチルアミン、ベンジジン、アミノビフェニルといった化学物質に長期間さらされることがあります。ナフチルアミン、ベンジジン、アミノビフェニルは、かつて染料、樹脂製品や薬品などで使われていた物質で、それらを長期間吸っていた人は、膀胱がんを発生するリスクが高くなります。
※危険因子については、がん情報サービスの発生要因の記載方針に従って、主なものを記載することを原則としています。記載方針については関連情報をご覧ください。
2.予防とがん検診
1)予防
日本人を対象とした研究では、がん全般の予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、身体活動、適正な体形の維持、感染予防が有効であることが分かっています。
膀胱がんを予防するために、たばこを吸っている人は禁煙しましょう。禁煙を始めてから年数がたつほど、禁煙しなかった場合と比べて膀胱がんのリスクを減らせることが分かっています。
2)がん検診
がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。わが国では、厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(令和6年一部改正)」でがん検診の方法が定められています。
しかし、膀胱がんについては、現在は指針として定められているがん検診はありません。血尿や頻尿など気になる症状がある場合には、泌尿器科などの医療機関を早めに受診することをお勧めします。
なお、がん検診は、症状がない健康な人を対象に行われるものです。症状をもとに受診して行われる検査や、治療後の経過観察で行われる定期検査は、ここでいうがん検診とは異なります。
更新・確認日:2024年06月28日 [ 履歴 ]
履歴
2024年06月28日 | 内容を更新しました。 |
2021年04月28日 | 「編集委員・作成協力者・作成委員」へのリンクを追加しました。 |
2021年04月01日 | 「膀胱癌診療ガイドライン2019年版(2019年)」より、内容を全面的に更新し、4タブ形式に変更しました。 |
2019年04月26日 | 「4.疫学・統計」の項目名を「4.患者数(がん統計)」に変更し、内容を更新しました。 |
2016年01月08日 | タブ形式への移行と、「腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約 2011年4月(第1版)」「膀胱癌診療ガイドライン2015年版」より、内容の更新をしました。 |
2006年10月01日 | 更新しました。 |
1996年09月20日 | 掲載しました。 |