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全ページ表示がんの冊子膀胱がん(ぼうこうがん)

更新・確認日:2021年04月28日 [ 履歴 ]
履歴
2021年04月28日 「編集委員・作成協力者・作成委員」へのリンクを追加しました。
2021年04月01日 「膀胱癌診療ガイドライン2019年版(2019年)」より、内容を全面的に更新し、4タブ形式に変更しました。
2019年04月26日 「4.疫学・統計」の項目名を「4.患者数(がん統計)」に変更し、内容を更新しました。
2016年01月08日 タブ形式への移行と、「腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約 2011年4月(第1版)」「膀胱癌診療ガイドライン2015年版」より、内容の更新をしました。
2006年10月01日 更新しました。
1996年09月20日 掲載しました。
診療の流れ、セカンドオピニオンなど、本格的に治療を始める前に知っておいていただきたい情報については以下の「治療にあたって」をご参照ください。

1.膀胱について

膀胱は骨盤の中にある袋状の臓器です。男性では恥骨と直腸の間、女性では恥骨と子宮、腟の間にあります(図1)。腎臓でつくられた尿は、腎杯じんぱい腎盂じんう、尿管を通って膀胱にたまり、尿道を通って体外に排出されます(図2)。この尿の通り道を尿路といいます。尿路の内側は、ほとんどが尿路上皮という粘膜でおおわれています。
図1 膀胱と周囲の臓器
図1 膀胱と周囲の臓器の図
図2 尿路の位置
図2 尿路の位置の図
膀胱には、尿を一時的にため、ある程度の量になったら体の外に出す働きがあります。尿道の一部分の周りには、尿道を締めることのできる筋肉があり、尿が漏れるのを防いでいます。膀胱に尿がたまってくると、刺激が脳に伝わり、尿意を感じます。膀胱の筋肉が収縮し、尿道を締める筋肉が緩むと、尿は尿道を通って体外に排泄されます。

2.膀胱がんとは

膀胱がんは、膀胱にできるがんの総称です。膀胱がんの大部分(90%以上)は膀胱の内部をおおう尿路上皮にできる尿路上皮がんです。尿路上皮がんは、がんが膀胱の壁にどのくらい深くまで及んでいるか(深達度)によって、筋層非浸潤性がんと筋層浸潤性がんに分類されます(図3)。膀胱がんには、尿路上皮がんのほかに扁平上皮がん、腺がん、小細胞がんなどの種類もありますが、このページでは尿路上皮がんについて説明しています。尿路上皮がん以外の膀胱がんについては、担当医に聞いてみましょう。
膀胱がんは、リンパ節、肺、肝臓、骨などに転移することがあります。

3.症状

膀胱がんの主な症状には、血尿や頻尿、排尿時の痛み、尿が残る感じ、切迫した尿意などがあります。血尿には、尿の色が赤や茶色になり目で見てわかる血尿と、顕微鏡で確認できる血尿があります。がんが進行すると、尿が出にくくなったり、わき腹や腰、背中が痛んだり、足がむくんだりすることもあります。
このうち、膀胱がんに特徴的なのは、痛みなどのほかの症状を伴わない血尿です。ほかに症状がなく、血尿も出たり出なかったりすることがあるため、受診せずに放置している間に進行してしまうこともあります。気になる症状がある場合には、早めに泌尿器科を受診しましょう。

4.関連する疾患

膀胱がんと似たような症状がみられる疾患として、膀胱炎、尿路結石、前立腺肥大症、前立腺がんがあります。早めに受診して検査を受け、原因となる疾患を見つけて適切な治療を受けることが大切です。

5.患者数(がん統計)

膀胱がんは、日本全国で1年間に約23,000人が診断されます。男女別でみると、男性では1年間に約17,300人、女性では約5,700人と男性に多い傾向があります。60歳ごろから増加しはじめ、高齢になるほど多くなります。

6.発生要因

膀胱がんの確立された危険因子は喫煙です。また、職場などでナフチルアミン、ベンジジン、アミノビフェニルなどの化学物質にさらされること(曝露ばくろ)によって、膀胱がんを発生するリスクが高まることがわかっています。
※がん情報サービスの発生要因の記載方針に従って、主なものを記載しています。記載方針については関連情報をご覧ください。

7.予防と検診

1)予防

日本人を対象とした研究結果では、がん予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、身体活動、適正な体形、感染予防が効果的といわれています。
膀胱がんを予防するために、たばこを吸っている人は禁煙しましょう。禁煙を始めてから年数がたつほど、禁煙しなかった場合と比べて膀胱がんのリスクを減らせることがわかっています。

2)検診

がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。わが国では、厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(平成28年一部改正)」で検診方法が定められています。
しかし、膀胱がんについては、現在、指針として定められている検診はありません。気になる症状がある場合には、医療機関を早めに受診することをお勧めします。
なお、検診は、症状がない健康な人を対象に行われるものです。がんの診断や治療が終わった後の診療としての検査は、ここでいう検診とは異なります。

8.「膀胱がん」参考文献

1)厚生労働省ウェブサイト;がん登録 全国がん登録 罹患数・率 報告 平成29年報告;2020年(閲覧日2021年2月18日) https://www.mhlw.go.jp/
2)日本泌尿器科学会 日本病理学会 日本医学放射線学会編.泌尿器科・病理・放射線科 腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約 第1版.2011年,金原出版.
3)日本泌尿器科学会編.膀胱癌診療ガイドライン2019年版.2019年,医学図書出版.
4)日本臨床腫瘍学会編.新臨床腫瘍学(改訂第5版).2018年,南江堂.
5)並木幹夫ほか編.標準泌尿器科学 第9版.2014年,医学書院.
6)勝俣範之ほか編.がん診療スタンダードマニュアル.2019年,シーニュ.
7)佐藤隆美ほか編.がん治療エッセンシャルガイド 4版.2019年,南山堂.
8)奧山明彦編.看護のための最新医学講座 第2版 22 泌尿・生殖器疾患.2008年,中山書店.

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