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乳がん(にゅうがん)

更新・確認日:2015年03月23日 [ 履歴 ]
履歴
2015年03月23日 タブ形式への移行と、「臨床・病理 乳癌取扱い規約2012年(第17版)」「科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン(1)治療編(2)疫学・診断編2013年版」より、内容の更新をしました。
2011年07月15日 内容を更新しました。
1997年10月01日 掲載しました。

1.治療後に日常生活を送る上で

乳がんは他のがんと比べ、比較的若い年齢で発症することの多いがんです。病気や治療後の後遺症、副作用などに加えて、仕事や就業、経済的な問題、家庭や家族、育児や介護、人間関係、性や妊娠・出産、手術後の乳房再建など、体や心の心配事が診断された直後だけでなく、治療中やその後の療養生活の間でも数多く発生します。

心配事を担当医や看護師などの医療者に伝えたり、今の自分の気持ちを落ち着いて整理したり、患者会などで自分と似た経験をした患者さんの話を聞く機会をもつことで、つらい気持ちが軽くなる、楽になる場合があります。病院によっては乳がんの患者さんの心や体のケアを専門とする「乳がん看護認定看護師」もいるので、話を聞いてみるのもよいでしょう。あまり否定的にならず、無理のない範囲で自分なりの方法を試してみましょう。

1)周りの人や親しい人の理解を得る

(1)治療前

乳がんの治療はがんの性質だけでなく、一人一人の患者さんの状態に応じて変わります。自分の状態を落ち着いて考えるために、率直な思いを周りの人や親しい友人に話してみたり、調べた情報を基に自分の気持ちを整理したりして、担当医の説明を聞くときに確認しておきたいことをまとめておくとよいでしょう。

(2)治療後

胸や腕の違和感やしびれ、体のだるさを自覚することが多いようです。治療後の自分を受け入れることが難しい場合もあるかもしれません。見た目は変わらないようでも、痛みやだるさ、つらさは本人が話さないと伝わりません。一人で無理をしないで、家族や周りの人に伝えて協力を求めるようにしましょう。「○○をしてほしい」と具体的に伝えるようにすれば、家族はあなたが今どういう動作がしにくいのか、どんな気持ちでいるかなどがわかり、一緒につらさを乗り越えるための手助けをしやすくなるでしょう。

2)食事について

食事については、特に制限はありません。栄養のバランスを第一に、気持ちよく食べることが大切です。ただし、化学療法中などで吐き気があるときには、担当医からあらかじめ処方された制吐剤(吐き気止め)を内服したり、食事を少しずつ何回かに分けて食べたりといった工夫をしましょう。

3)運動について

運動は、体力の回復に合わせて、散歩などから始め、少しずつ運動量を増やしていきましょう。家事をしている間は適度に体を動かすことになるので、腕や肩のよい運動になります。リハビリのつもりで少しずつやってみましょう。このとき、手を伸ばせる方向や位置に物を配置しておく、物をとるときには反対側の手を添えるなどの工夫も必要です。家族や周りの人の助けを借りながら、無理のない範囲で動いてみましょう。

スポーツは、種類や運動の程度にもよりますが、今まで行っていたことを徐々に始めて構いません。ただし、腋窩リンパ節郭清を行った場合、施術側の腕に強い負荷をかけるような運動は浮腫を発症させることもありますので、担当医に相談しましょう。

詳しくは、「乳房切除術後のリハビリテーションについて」もご参照ください。

4)性生活・妊娠について

性生活には、支障はありませんが、治療中は避妊しましょう。妊娠・出産を希望される場合は担当医とよく相談されるとよいでしょう。経口避妊薬などの特殊なホルモン剤をのむときも、担当医とよく相談してください。

5)仕事や社会復帰

がんと診断されたことで、必ずしも仕事を辞める必要はありません。社会復帰は、治療が一段落して、薬物療法放射線治療などの予定がはっきりしてきたところで考えるとよいでしょう。多くの場合、引き続き通院による治療が続くので、体調がすぐれないときには仕事をする時間を短くしたり、休んだりすることができるか、定期的な通院が可能かどうかなどを、確認しておくとよいでしょう。

また、治療後は体調が優れないことがあるので、時間や業務の内容を調整して無理をしないことが大切です。上司や同僚など一緒に仕事をする職場の人の理解を得ておくことも必要です。心配事があれば、まず相談しましょう。

仕事については「患者必携 がんになったら手にとるガイド」の「社会とのつながりを保つ患者必携アイコンをご参照ください。

2.治療後の経過観察と検査

術後の治療予定は、手術時の状態や、手術で切除したがんの病理診断の結果、はじめの治療の効果などによって個別に変わってきます。また、体調の回復具合や治療による副作用の程度などによっても異なります。治療を引き続き行う場合は治療の予定に応じて、継続して治療を行わない場合でも3カ月から6カ月ごとに、問診・視診・触診を中心とした診察を受けるために定期的に通院します。その後、体の状態をみながら通院の間隔を6カ月に延ばし、5年過ぎたら1年間隔にするのが一般的です。担当医によく確認しておきましょう。

乳がんは手術後5年あるいは10年過ぎてから再発するということあります。定期的な診察を受ける以上に、治療後の胸や反対側の乳房の自己検診を継続的にして、体調に変化を感じたときには医療機関に相談しましょう。
 

【がんになったら手にとるガイド】
自分らしい向き合い方を考える
社会とのつながりを保つ
経済的負担と支援について
療養生活のためのヒント

乳がん
144.乳がん(PDF)


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