1.発生要因
大腸がんの発生は、生活習慣と関わりがあるとされています。喫煙、飲酒、肥満により大腸がんが発生する危険性が高まります。女性では、加工肉や赤肉の摂取により大腸がんが発生する危険性が高くなる可能性があるといわれています。
また、家族の病歴との関わりもあるとされています。特に家族性大腸腺腫症やリンチ症候群の家系では、近親者に大腸がんの発生が多くみられます。
2.予防とがん検診
1)予防
日本人を対象とした研究では、がん全般の予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、身体活動、適正な体形の維持、感染予防が有効であることが分かっています。
運動は大腸がんの予防に効果的であることがほぼ確実であるといわれています。食物繊維やカルシウムの摂取も大腸がんの予防に効果的である可能性があるとされています。
2)がん検診
がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。わが国では、厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(令和3年一部改正)」で検診方法が定められています。
対象者は、男女ともに、40歳以上の人で、検診の間隔は1年に1回です。ほとんどの市区町村では、がん検診の費用の多くを公費で負担しており、一部の自己負担で受けることができます。
がん検診の内容は、問診と便潜血検査です。便潜血検査では、大腸がんやポリープなどによる出血が便に混じっていないかを調べます。通常、便潜血は微量で目には見えません。また、がんからの出血は間欠的である(出血する時もあればしない時もある)ため、2日分の便を採取します。
検査の結果が「要精密検査」となった場合は、必ず精密検査を受けましょう。精密検査では、通常、大腸内視鏡検査を行います。大腸内視鏡検査が難しい場合は他の検査を行うこともあります。
がんは1回の検診で見つからないこともありますので、毎年定期的に受診してください。また、検診と検診の間に発生して、急速に進行するがんもわずかながらあります。便に血が混じる、便に血が付着する、腹痛、便の性状や回数の変化など、気になる症状が続く場合は、次のがん検診を待たずに医療機関を受診してください。
なお、がん検診は、症状がない健康な人が対象です。症状をもとに受診して行われる検査や、治療後の経過観察で行われる定期検査は、ここでいう検診とは異なります。
2022年11月10日 | 「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(令和3年10月1日一部改正)」を確認し、更新しました。 |
2020年04月09日 | 「大腸がんQ&A」へのリンクを掲載し、「がんの冊子」の「大腸がん」の冊子を更新しました。 |
2020年01月30日 | 「6.患者数(がん統計)」を更新しました。 |
2018年06月12日 | 「大腸癌治療ガイドライン 2016年版」「大腸癌取扱い規約 第8版(2013年)」より、内容の更新をしました。4タブ形式に変更しました。 |
2018年02月21日 | 「大腸がん」のタイトルを「大腸がん(結腸がん・直腸がん)」に変更しました。 |
2016年01月06日 | 一部の文言を変更しました。「4.疫学・統計 1)統計」を更新しました。 |
2014年05月14日 | 内容を更新しました。 |
2012年10月26日 | 更新履歴を追加しました。タブ形式に変更しました。 |
2011年11月09日 | 内容を更新しました。 |
1997年09月22日 | 掲載しました。 |