更新・確認日:2020年04月09日 [
履歴 ]
履歴
2020年04月09日 |
「5.カプセル内視鏡検査」を更新しました。 |
2020年01月30日 |
一部の文言を変更しました。 |
2018年06月12日 |
「大腸癌治療ガイドライン 2016年版」「大腸癌取扱い規約 第8版(2013年)」より、内容の更新をしました。4タブ形式に変更しました。 |
2018年02月21日 |
「大腸がん」のタイトルを「大腸がん(結腸がん・直腸がん)」に変更しました。 |
2016年01月06日 |
「表1 大腸がんの病期分類」「図6 大腸がんの深達度」を追加しました。「図5 大腸壁の解剖図」を変更しました。 |
2012年10月26日 |
更新履歴を追加しました。タブ形式に変更しました。 |
2011年11月09日 |
内容を更新しました。 |
1997年09月22日 |
掲載しました。 |
大腸がんの疑いがある場合は、大腸内視鏡検査を行い、がんかどうかの確定診断を行います。がんのある部位や広がりを調べるためには、注腸造影検査やCT検査、MRI検査などを行います。
1.直腸診
指を肛門から直腸内に挿し込み、しこりや異常の有無を指の感触で調べます。
2.注腸造影検査
バリウムと空気を肛門から注入し、X線写真を撮ります。この検査でがんの正確な位置や大きさ、形、腸の狭さの程度などがわかります。最近ではCTコロノグラフィ(後述)が代用されることがあります。
注腸造影検査の前には、正確で安全な検査を行うために腸管内をきれいにする必要があります。そのため検査前日から検査食や下剤を服用し、当日に多量(通常約2L)の下剤(腸管洗浄液)を飲みます。
3.大腸内視鏡検査
内視鏡を肛門から挿入して、直腸から盲腸までの大腸全体を詳しく調べます(図2)。ポリープなどの病変が発見された場合は、病変全体あるいは一部の組織を採取して(生検)、病理診断を行うことが可能です。画像強調観察や拡大観察(図3)を用いて、病変部の表面構造をより精密に検査することもあります。
大腸内視鏡検査の前には、注腸造影検査と同じように、腸管内をきれいにします。
4.CTコロノグラフィ検査(大腸3D-CT検査)
肛門から二酸化炭素を注入してCT撮影を行うことで、内視鏡を挿入せずに大腸の内視鏡と同じような画像を撮ることが可能な検査です(図4)。病変が疑われた場合には内視鏡検査が必要です。
5.カプセル内視鏡検査
カプセルの形をした内視鏡を水と一緒にのみ込み、腸管内を小型カメラで撮影して病変の有無を調べます。撮影した画像は、身に付けた記録装置に転送され、コンピューターで解析されます。2020年3月現在では、内視鏡検査を行うことが難しい一部の患者さんのみ保険適用となっています。
6.CT検査・MRI検査
CT検査はX線を、MRI検査は磁気を使用して、体の内部を描き出す検査です(図5)。治療前に、周辺臓器へのがんの広がりや転移がないかなどを調べることができます。
7.PET検査
PET検査は、放射性ブドウ糖液を注射し、細胞への取り込みの分布を撮影することで全身のがん細胞を検出する検査です。ほかの検査で転移・再発の診断が確定できない場合に行うことがあります。
8.腫瘍マーカー検査
腫瘍マーカーとは、がんの種類により特徴的に産生される物質で、血液検査などにより測定します。この検査だけでがんの有無を確定できるものではなく、がんがあっても腫瘍マーカーの値が上昇を示さないこともありますし、逆にがんがなくても上昇を示すこともあります。
大腸がんの腫瘍マーカーは、CEA、CA19-9、p53抗体です。通常は、手術後の再発のチェックや薬物療法の効果判定の補助に用います。
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