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大腸がん

大腸がん(結腸がん・直腸がん) Q&A

「大腸がん(結腸がん・直腸がん)」の基本的な情報については、「大腸がんについて」をご参照ください。

  • Q1 下痢や便秘があります。どうしたら良いですか?

    A1

    下痢の場合は、水や湯冷まし、スポーツ飲料を少しずつ飲むと良いでしょう。下痢が続くと、体の水分がなくなって、脱水症状を起こすことがあるためです。また、おなかを温めることは、腸の過剰な働きを抑える効果があります。一方、食物繊維が多い食品、冷たい飲み物、牛乳、カフェインやアルコール飲料は腸を刺激し、下痢の原因になることがあります。

    便秘の場合は、食物繊維を多く含む食品を食べたり、空腹時や起床時に冷水、野菜・果物ジュース、牛乳などを飲むと、腸が動きやすくなります。ただし、大腸がんの術後1カ月ほどは、腸閉塞の原因となることがあるので、食物繊維などの消化しにくい食事を多くとりすぎないようにします。担当の医師に、便をやわらかくする薬を使えないかどうか相談してみるのも1つの方法です。

  • Q2 食事はどんなものを食べたら良いですか? 術前や術後の食事はどんなことに気を使えば良いのでしょうか?人工肛門(ストーマ)になったら食事内容に制限はありますか?

    A2

    手術前日の昼食までは通常の食事を取れることがほとんどです。ただし、がんのために腸が狭くなっている場合には、便秘を避け腸閉塞にならないように、豆類や海草などの食物繊維が多い食べ物や、消化しにくい食べ物は避けましょう。

    手術直後は水分やおかゆなどの消化の良いものから始めて、5日程かけて徐々に通常の食事に戻します。退院後の食事に制限はありませんが、手術から間もない時期は、食物繊維が多い食べ物や、消化しにくい食べ物は避けると良いでしょう。手術から1カ月たてば、元どおりの食生活に戻してかまいません。

    人工肛門(ストーマ)になっても、食事に制限はなく、食べてはいけないものはありません。

  • Q3 お酒は飲んでも良いですか?

    A3

    全く飲めなくなるわけではありませんが、飲み過ぎないようにしましょう。薬物療法など何らかの治療を受けている場合には、いつから飲んでも良いかを担当の医師に相談してください。

  • Q4 手術後腸を切った部分は空洞になるのですか?

    A4

    空洞になるわけではありません。手術の方法によって違いはありますが、がんがある部分の腸管を切除したあと、残った腸管をつなぎ合わせます。そのため、腸を切り取っても、その部分にはつなぎ合わせた腸管がおさまることになります。

    直腸と肛門を切除して人工肛門(ストーマ)を作った場合でも、腸を切り取ったあとの空間には、周りの臓器や組織がおさまります。

  • Q5 一時的に造った人工肛門(ストーマ)を閉鎖したあと、失禁するのですか?

    A5

    閉鎖したあと1カ月ほどの間は、しばしば肛門から失禁します。これは、便をためる直腸や、肛門を締める筋肉を手術することによって起こります。失禁は半年~2年ほどかけて徐々によくなっていきますが、切りとった大腸やその周りの状態が人によって異なるため、その後も多少の失禁が残る場合もあります。

  • Q6 がんの治療に使われる薬の副作用が不安です。

    A6

    がんの治療に使われる薬の副作用の1つである吐き気や嘔吐については、最近では、制吐薬によって、予防したり和らげたりすることができるようになりました。

    他にも、食欲低下、体のだるさ、口内炎、しびれ、下痢など、自分で気が付く副作用と、白血球や血小板の減少、肝機能・腎機能障害など検査で分かる副作用があります。

    副作用の種類や程度は、使用する薬の種類や、個人の体質によって異なり、すべての副作用が起こるわけではありません。副作用を過度におそれることなく、事前に起きるかもしれない症状を知り、どのような症状があったときに担当の医師に連絡したら良いのか、治療を受ける前に確認しておくと良いでしょう。

  • Q7 治療後、いつごろから仕事や普通の生活に戻れますか?

    A7

    治療の種類によって仕事や普通の生活に戻れる時期は異なります。内視鏡治療では、治療後1週間程度で治療前と同じような日常生活が送れるようになります。

    手術の場合は術後1カ月が目安です。ウオーキングやストレッチなどの軽い運動から始めて、1~3カ月程度で手術前の日常生活が送れるように、こまめに体を動かしましょう。ただし腹筋を使う激しい運動は数カ月間控えましょう。

    気持ちや体力すべてが回復したと感じる時期は、手術から2~3カ月後という調査結果もあります。自分の体力に合わせて徐々に行動範囲を広げていくことが大切です。

  • Q8 大腸は長いから、何回切っても大丈夫ですか?

    A8

    再発したがんが、手術によって完全に切除でき、体への影響が大きすぎないと判断された場合には、複数回の手術を勧められることもあります。

    手術に伴う合併症は、結腸がんと直腸がんで異なります。結腸の一部を切除しても、大腸の役割である水分の吸収は残った腸でもできるため、後遺症はほとんどありません。しかし、直腸の一部を切除した場合には、便をためたり、押し出したりする力が損なわれるため、排便の回数の増加などの排便障害が起こります。

  • Q9 転移をしていると言われました。治療法はないのでしょうか?

    A9

    大腸がんは、転移した場合でも、転移した場所や体の状態にもよりますが、手術によって治癒する可能性があります。また、手術ができない場合にも、薬物療法や放射線治療ができることもあります。

    具体的な治療の内容や、これからの生活については、担当の医師や看護師も一緒に考えていきます。また、がん相談支援センターでも相談することができます。ひとりで立ち向かう必要はありません。あなたを支えてくれる人がたくさんいます。疑問に思うことや、ご自身の希望など、気になることはどんなことでも、まずは相談してみてください。

「大腸がん(結腸がん・直腸がん) Q&A」参考文献

  1. 大腸癌研究会編.大腸癌治療ガイドライン 医師用2019年版.金原出版
  2. 大腸癌研究会編.患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2014年版.金原出版
  3. 日本がん看護学会監修.病態・治療をふまえたがん患者の排便ケア.2016年,医学書院

作成協力

この「大腸がん(結腸がん・直腸がん) Q&A」は、厚労科研(H29がん対策‐一般‐005)での患者・家族から尋ねられた質問や疑問についての調査結果を基に作成しました。患者・家族から尋ねられた質問や疑問についての調査は、全国がんセンター協議会および全国がん診療拠点病院等のがん相談支援センターのご協力により実施しました。

更新・確認日:2020年04月06日 [ 履歴 ]
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2020年04月06日 掲載しました。
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