1.検査の目的
X線検査はレントゲン検査ともいいます。がんの有無や形を確認するために行う検査です。多くの場合、肺や骨、腹部などの状態を調べるために最初に行います。
2.検査の方法
X線検査は、X線を使って行います。
水分、骨、脂肪、空気など、体を構成している成分によってX線の通りやすさが異なることを利用し、体の内部の様子を画像として映し出します。X線を一方向から体にあてると、体を通過したX線の量の差が、影の濃淡としてモノクロ画像に現れます。胃や大腸などの消化管や、腎盂や尿管などの尿路系を調べる場合には、病変をより分かりやすくするために造影剤を使用することもあります。
3.検査の実際
X線検査では、金属やボタンなどが付いた衣類を着ていると撮影する画像に映り込むことがあるため、必要に応じて検査着に着替えます。撮影部位によっては、体の位置を変えたり、一時的に息を止めたりします。検査全体にかかる時間は5分程度です。造影剤を使用する場合には、胃ではバリウムを飲み込み、大腸では肛門からバリウムを注入します。また、腎盂・尿管では造影剤を尿道から注入します。
詳しくは、実際に検査を受ける病院で確認しましょう。
4.検査の特徴
X線検査にかかる時間は短く、撮影した部位を画像で比較的すぐ確認することができるため、一般的に広く行われている検査です。しかし、X線検査では体の中を一方向から画像にしているため、臓器の重なっている部分では、撮影する角度により詳しい診断ができない場合があります。
X線検査では、放射線であるX線を使用します。検査による被ばくの影響を過度に心配する必要はありませんが、胎児は放射線の影響を受けやすいため、妊娠している人、妊娠している可能性がある人は必ず医師に伝えましょう。
5.X線検査を行う主ながん
X線検査を行う主ながんには、肺がん、乳がん、食道がん、胃がん、大腸がん、骨のがんなどがあります。
(50音順)
6.Q&A
-
Q1X線検査ではどれくらい被ばくしますか?
A11回の胸部X線検査で受ける放射線量は0.06mSv程度です。
通常、人の健康に影響することが確認されている放射線の1回量は100mSv以上です。また、X線検査によって被ばくしダメージを受けた細胞のほとんどは、そのたびに修復されて正常な細胞に戻ります。
※Svとは、放射線が人間にあたったときにどれだけ健康に影響があるかを評価するために使う単位です。
このことから、検査による被ばくの影響を過度に心配する必要はありません。不安がある場合は気になる点を医師に伝えて説明を受けましょう。なお、胎児は放射線の影響を受けやすいため、妊娠している人、妊娠している可能性がある人は必ず医師に伝えてください。
放射線検査による被ばくと健康影響、放射線検査を受ける意義などについて解説されています。 -
Q2X線検査とCT検査の違いは?
A2どちらもX線を使いますが、X線検査は、通常は一方向から1回だけX線をあて、体の中の様子を平面上に映し出し、1枚の画像にします。一方、CT検査では、体の周りのいろいろな方向からX線をあてて、体の断面を画像にします。使用するX線の量は多くなりますが、面をずらした複数枚の画像を作成することで、体の中の様子を立体的に把握することができるため、がんの形や広がりがより詳しく分かります。
作成協力