骨肉腫が疑われた場合には、血液検査とともに、X線検査やCT検査、MRI検査などで画像診断を行い、どこにどれくらいの大きさの腫瘍があるかを確認します。これに加え、生検により腫瘍細胞の種類を調べます。適切な治療を行うためには正確な診断が必要であるため、経験の多い医療機関を受診することが大切です。
1.画像診断
診断には主にX線検査(レントゲン検査)が⾏われます。⾻⾁腫では、膝や肩の関節に近い部分の⾻が⾍に食べられたように壊されていたり、それに混じっていびつな形の⾻ができていたりします。例えば、図2では、{ 記号で示した範囲が腫瘍のある部位を示し、壊れているところは⿊っぽく、⾻ができているところは白く⾒えます。これは通常型と呼ばれる⾼悪性度のもので、⼩児に発⽣する⾻⾁腫の⼤部分はこの通常型に該当します。まれに薬物療法を必要としない低悪性度の⾻⾁腫もありますが、この場合、多くは⾻の表⾯に見られます。
骨肉腫では腫瘍が骨からしみ出して骨の外側にもかたまりを作ることが特徴です。しかし、この部分はX線検査で見えにくいため、CT検査やMRI検査(図3)などでその広がりを調べます。また、肺に転移があるかどうかを調べるためにCT検査を行い、別の骨に転移があるかどうかを調べるために放射性同位元素を⽤いる骨シンチグラフィ検査を行います。
2.血液検査
骨の腫瘍では血液検査をしても特別な異常は見られないことが多いですが、骨肉腫ではアルカリホスファターゼ(ALP)という酵素の値が高くなっていることがあります。骨の成長が速い小児では、もともとALP値は高いですが、治療効果や再発などの変化を反映する場合があります。
3.病理検査
確定診断は病理組織検査で⾏います。腫瘍の一部を、針や小手術で採取し(針生検、切開生検)、顕微鏡で診断(病理診断)します。患者には負担のかかる検査ですが、診断を確定するための大事な検査です。