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慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(まんせいりんぱせいはっけつびょう/しょうりんぱきゅうせいりんぱしゅ)

更新・確認日:2016年05月24日 [ 履歴 ]
履歴
2016年05月24日 タブ形式に変更しました。「造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版」「造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月(第1版)」より内容を更新し、タイトルを「慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫」に変更しました。
2007年03月16日 更新しました。
2006年10月01日 「慢性リンパ性白血病・小細胞性リンパ腫」を掲載しました。

1.化学療法

中心となる治療法は化学療法で、70歳未満やほかに病気がなく通常量の多剤併用療法が可能であれば、抗がん剤のFC療法(フルダラビン+シクロホスファミド)と分子標的薬のリツキシマブ(保険適応外)の組み合わせが標準治療となります。通常量の化学療法が行えない場合は、単剤での投与や薬剤量を減量して投与します。また自己免疫性溶血性貧血(赤血球に対する自己抗体ができて、抗体と結合した赤血球が破壊されていく状態)や血小板減少の症状がある場合は、副腎皮質ステロイドの投与を行います。リンパ節腫脹に対しては放射線治療が行われることもあります。

多くの場合、大量の抗がん剤を投与するため、開始当日から治療後数カ月にわたり、さまざまな副作用が起こりますが、予測される副作用に対して、可能な限り対策を立てて治療を行います。予想される副作用の状態について知っておいたり、予防や準備をしておくと落ち着いて対応でき、実際に副作用が起きたときにも早く適切に対処できるようになります。
【副作用と対策について、さらに詳しく】
治療前はがん細胞がふえている一方で、正常な血液細胞は圧迫されて減少しています。がん細胞を減らす目的で抗がん剤治療を行いますが、減少した正常な血液細胞もダメージを受けて、一時的にはさらに減少します。一般的な副作用は、骨髄抑制や吐き気、嘔吐(おうと)、下痢、口内炎、脱毛、発熱などです。

1)骨髄抑制

使用される薬の種類によっても異なり、個人差もありますが、抗がん剤治療後の7~14日ごろに、赤血球や血小板白血球(特に感染を防御する重要な役割を持つ好中球)が減少します。非常に感染症を起こしやすい状態であり、さらに細菌やカビなどのさまざまな菌やウイルスなどの病原体と戦う白血球が減るため、肺炎や敗血症などの感染症を起こすことがあります。

対策

時間がたつにつれて、白血球の数は自然に回復しますが、G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)という白血球をふやす薬を使うこともあります。感染経路を遮断(しゃだん)するためにも、手洗い・うがい、清潔を保つことを心がけます。また、感染症状について知り、早めに対処することで重篤な感染症を防止することができます。貧血や血小板減少に対しては、輸血を行います。
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2.分子標的治療

がん細胞の増殖に関わる分子だけを標的とした薬剤である分子標的薬は、主に抗がん剤と組み合わせて点滴や内服で投与します。

代表的な分子標的薬はリツキシマブ(保険適応外)で、B細胞の表面にある「CD20」という分子を標的とした薬剤です。CD20は細胞の活性や増殖に関わり、がんになったB細胞に多くあらわれます。リツキシマブはこのCD20を働かないようにして、がん細胞が増殖できないようにします。再発や難治性の場合は、「CD20」を標的とするほかの分子標的薬のオファツムマブが使用可能で、リツキシマブが効かなくなった場合でも効果がある可能性があります。また、「CD52」を標的としたアレムツズマブは染色体17p(17番染色体短腕)の欠失など予後不良の場合にも高い治療効果が期待されています。

3.造血幹細胞移植

造血幹細胞移植とは、大量の化学療法や全身への放射線治療などを行った後に、骨髄機能を回復させるため事前に採取した造血幹細胞を投与する治療です。染色体17pの欠失など予後不良因子がある場合や再発、治療抵抗性の場合などに長期予後を改善する治療法として実施が検討されます。移植を行う場合は、ドナーの造血幹細胞を移植する同種造血幹細胞移植が勧められ、全身状態や年齢、ドナーが見つかるかなどを考慮して、治療が検討されます。

4.支持療法

支持療法とは、がん細胞そのものを減少や死滅させる治療ではありませんが、症状や合併症、治療に伴う副作用を予防・軽減する治療で、血液のがんの治療を進めていく上で重要になります。

具体的には、治療に伴う白血球減少に備え、感染しやすい場所(口の中、気道、肛門周囲など)の治療やケア、白血球減少の状況での感染症の予防や治療のための抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌(カビ)薬の投与、貧血に対する濃厚赤血球の輸血、血小板の減少に対する血小板の輸血、その他、血液製剤や吐き気止めの使用などです。症状の緩和だけではなく、精神的な支援を含めて幅広い内容の支持療法が行われます。

5.生活の質を重視した治療

近年、がんと診断されたときから、クオリティ・オブ・ライフ(QOL:生活の質)の改善を目的とし、がんに伴う体と心のさまざまな苦痛に対する症状を和らげたり、患者さんとご家族がその人らしく過ごしたりするための緩和ケアが浸透し始めています。

緩和ケアは、がんが進行したときだけではなく、がんと診断されたときから必要に応じて行われるものです。痛みや吐き気、食欲不振、だるさなど体の症状や、気分の落ち込みや孤独感など心のつらさを軽くすること、また、その人らしい生活を送ることができるように、緩和ケアでは医学的な側面に限らず、幅広い対応をしていきます。

そのためにも、治療や療養生活について不安なこと、わからないことがあれば、ご自身の思いを積極的に担当医に伝えましょう。十分に話し、納得した上で治療を受けることが大切です。

緩和ケアについては、「緩和ケア」もご参照ください。
【参考文献】
  1. 日本血液学会編:造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版;金原出版
  2. 日本血液学会、日本リンパ網内系学会編:造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月 第1版;金原出版
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