胚細胞腫瘍が疑われた場合には、腫瘍マーカー検査を行います。病期の診断には画像検査を行い、がんかどうかについて正確な診断をするためには、病理検査を行います。
1.腫瘍マーカー検査
胚細胞腫瘍が疑われたら、まず腫瘍マーカーを調べます。腫瘍の種類によっては、腫瘍マーカーと呼ばれるその腫瘍特有の物質(タンパク質など)が作られ、それが血液など体液から検出されるためです。
腫瘍マーカーを調べることは、腫瘍の種類の判定に役立ちます。例えば、ヒト絨毛性ゴナドトロピンβ鎖(β-hCG)は絨毛がんで上昇し、アルファフェトプロテイン(AFP)は卵黄のう腫瘍で上昇します。また、腫瘍の成分として両者が混在することもあり、その場合は両方の腫瘍マーカーが上昇します。それに加えて、腫瘍マーカーは治療効果の評価にも役立ちます。
胚細胞腫瘍の組織型のうち胚細胞腫、未分化胚細胞腫およびセミノーマには特異的な腫瘍マーカーはありません。
2.画像検査
腫瘍の状態や遠隔転移があるかどうかを調べるために、超音波(エコー)検査、CT検査、MRI検査、骨シンチグラフィ、腫瘍シンチグラフィ(腫瘍に集まる性質をもった微量な放射線を出す薬剤を静脈から注射して腫瘍の性質を調べる検査)などを行います。それによってどのくらい病気が進行しているかを知ることができます。
3.病理検査
最終的には、腫瘍全体、もしくは腫瘍の⼀部を手術で取って顕微鏡で調べること(病理検査)によって診断が確定されます。