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下咽頭がん

下咽頭がん 療養

1.経過観察

治療によりがんが消失したと判断された後は、定期的に通院して検査を受けます。検査を受ける頻度は、がんの進行度や治療法によって異なります。

下咽頭がんは、再発する場合は、治療後2年以内が多いとされ、その後は緩やかに減少していきます。治療後2年以内は、継続的な受診が必要で、少なくとも5年間は経過観察のために通院する必要があります。通院の際には、内視鏡検査、首の触診、画像検査などを行います。なお、受診の間隔や検査の内容は体の状態などによって異なります。担当医と相談しながら通院しましょう。

2.日常生活を送る上で

規則正しい生活を送ることで、体調の維持や回復を図ることができます。禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、適度な運動などを日常的に心がけることが大切です。

症状や治療の状況により、日常生活の注意点は異なりますので、体調をみながら、担当医とよく相談して無理のない範囲で過ごしましょう。

日頃から口腔ケアを心がけることも大切です。口の中には、普段もたくさんの細菌が存在しています。しかし、治療を受けると、これらの細菌が原因で感染症になることがあります。これを防ぐには、粘膜に刺激のないやさしいブラッシング、うがいやこまめに水分をとるなど、口の中を清潔でうるおった環境に保つことが効果的です。また、定期的に歯科医師の診察を受けましょう。

喉頭全摘術後の日常生活

喉頭全摘術を受けた場合は、呼吸をするために首に開けた穴(永久気管孔)は、清潔に保つために、毎日ぬれたタオルで気管孔を拭く、ガーゼをかぶせて乾燥しないようにする、吸入や吸痰といった管理が必要になります。また、入浴の際には気管孔にお湯が入らないように注意が必要です。発声法の練習も無理のない範囲で取り組みましょう。

また、喉頭全摘術を受けた方は身体障害者3級に該当するため、認定のための手続きを行うと、自治体から援助を受けられるようになります。援助の内容は、市区町村によって異なりますが、電気喉頭・ファクシミリ・吸入吸痰器などの「日常生活用具」の給付または貸与と、交通機関の運賃割引や税金の軽減、控除などの「割引・助成」などがあります。

申請後、認定までに2~4カ月程度かかりますが、手術当日から申請手続きができるので、入院前に市区町村の窓口で書類を取り寄せるなどの準備をしておくとよいでしょう。詳しい情報は、お住まいの市区町村に問い合わせてください。分からないことや心配なことについては、がん相談支援センターにも相談できます。

性生活について

性生活によって、がんの進行に悪影響を与えることはありません。また、性交渉によってパートナーに悪い影響を与えることもありません。

しかし、がんやがんの治療は、性機能そのものや、性に関わる気持ちに影響を与えることがあります。がんやがんの治療による性生活への影響や相談先などに関する情報は、「がんやがんの治療による性生活への影響」をご覧ください。

なお、薬物療法中やそのあとは、膣分泌物や精液に薬の成分が含まれることがあるため、パートナーが薬の影響を受けないように、コンドームを使いましょう。また、薬は胎児に影響を及ぼすため、治療中や治療終了後一定期間は避妊しましょう。経口避妊薬などの特殊なホルモン剤を飲むときは、担当医と相談してください。

以下の関連情報では、療養中に役立つ制度やサービスの情報を掲載しています。

がんと診断されてからの働き方についてQ&A形式で紹介しています。
がんの治療にかかる主な費用や利用できる制度、相談窓口などのお金に関する情報について掲載しています。
治療で不安なこと、痛みやつらさ、治療費のことなど、がんに関するさまざまな相談に対応する窓口について紹介しています。
各都道府県等が発行しているがんに関する冊子やホームページへのリンクを掲載しています。
更新・確認日:2023年04月13日 [ 履歴 ]
履歴
2023年04月13日 「頭頸部癌診療ガイドライン2022年版」「臨床・病理 頭頸部癌取扱い規約 第6版補訂版」より、内容を更新しました。
2018年11月29日 「頭頸部癌診療ガイドライン 2018年版」「頭頸部癌取扱い規約 第6版(2018年)」より、内容の更新をするとともに、4タブ形式に変更しました。
2013年03月25日 内容を更新しました。
2012年11月15日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2006年10月01日 内容を更新しました。
1997年05月12日 掲載しました。
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