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がんやがんの治療による性生活への影響 がんと診断された女性へ

更新・確認日:2021年04月21日 [ 履歴 ]
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2021年04月21日 掲載しました。
がんやがんの治療は、治療中や治療後の性生活に影響することがあります。がんやがんの治療で体や心が変化すると、がんと診断される前や治療を受ける前とは、性生活に対する考え方が変わったり、性生活に気持ちが向かなかったりすることもあります。

がんの治療による性生活への影響について知ることは、今、困っていることや悩んでいることについて、パートナーや医療者などと話をしたり、相談したりするきっかけになるかもしれません。

また、性生活への影響は、がんや治療の種類などによってさまざまです。自分にどのような影響が起こる可能性があるのか具体的に知りたいと思ったときには、担当の医師に確認するとよいでしょう。聞くことは恥ずかしいことではありません。

1.性生活への影響について

性生活への影響は、がんの種類、治療の種類、治療に使う薬の量、治療期間、治療を受けたときの年齢、治療が終わってからの期間などによって異なり、一時的な場合と長期的な場合があります。

1)手術

子宮がん、卵巣がんなどの女性の生殖器がんや、膀胱がんや直腸がんなどの骨盤内にある臓器のがんの手術は、子宮や腟の一部を切除する場合や、性機能に関係する神経を傷つける場合があるため、性生活に影響することがあります。閉経前に両側の卵巣を摘出した場合は、女性ホルモンの分泌が低下するため、腟の潤いが低下してセックス(性行為)のときに痛みを感じることがあるかもしれません。

これ以外のがんの手術でも、例えば乳房切除や乳房再建、ストーマ造設、四肢の切断、顔面のがんの治療などによる体の機能や外見の変化が性生活に影響することもあります。

また、手術の種類や個人の回復の程度によって異なりますが、手術後のセックスは、手術した部分の出血や感染の危険性を高めることがあります。手術後のセックスの再開については担当医に相談しましょう。

2)放射線治療

子宮、卵巣、腟、大腸、膀胱などの骨盤内の臓器に放射線を照射した場合、女性ホルモンの分泌が低下し、腟の粘膜が乾燥したり、腟の弾力が低下したりする可能性があります。また、腟が狭くなったり、縮んだり、かゆみや炎症が起こったりすることなどによって、セックスのときに不快感があったり、多くの場合、痛みを感じたりします。

放射線があたった皮膚は、硬くなったり、乾燥やただれを起こしたり、ヒリヒリした感じがしたり、触れられた感覚が変化したりすることもあります。

3)薬物療法

一部の薬は卵巣の機能に影響を及ぼすため、女性ホルモンの分泌が低下します。女性ホルモンの分泌が低下すると、腟の粘膜が乾燥してセックスが難しくなったり、痛みを感じたりすることがあります。

また、薬物療法中やそのあとでは、腟分泌物に薬の成分が含まれることがあります。そのため、薬物療法を受けたあとしばらくの間は、パートナーが薬の影響を受けないように、コンドームを使うなどの対応が必要となることがあります。さらに、薬物療法の副作用で、白血球や血小板の数が少なくなる時期があります。白血球や血小板が少ない時期は、感染したり出血したりしやすくなるため、セックスを避けましょう。白血球や血小板の数が回復したあとは、セックスを再開することができます。

4)その他

造血幹細胞移植を行った場合には、移植前処置として行う放射線治療や薬物療法の影響で卵巣機能が低下し、女性ホルモンの分泌が抑えられて腟が乾燥したり、炎症が起きやすくなったりすることがあります。また、移植片対宿主病いしょくへんたいしゅくしゅびょう(GVHD)の影響で腟の粘膜が癒着することもあります。

2.こんなときは相談しましょう

聞きづらいこともあると思いますが、何らかの治療を受けている期間やその直後は、セックスをしてもよいか、いつ再開してよいかについて、体の状態をよく知る担当の医師に確認しましょう。直接尋ねにくいときには、看護師を通じて尋ねてもよいでしょう。

セックスに痛みがある場合には、我慢せずにパートナーに伝えましょう。そのときには、痛くない触れ方も伝えてみてください。前戯の時間を長くすることや、水溶性の腟潤滑ゼリーを使うことで腟の潤滑がよくなり、痛みが軽くなるかもしれません。体位を工夫したり、腟に力を入れずにリラックスしたりすることで、痛みが軽くなることもあります。

セックスに痛みがあるときや挿入できないときは、担当の医師にも相談してみましょう。がんの種類や受けた治療によりますが、ホルモン補充療法や、腟ダイレーターと呼ばれる腟の癒着を防ぐためのプラスチックなどでできた円柱状の医療器具を使うことができる場合もあります。また、セックスによって出血した場合、少量ですぐに止まれば様子を見てよいですが、多量だったり止まらなかったりするときにも、担当の医師に相談しましょう。担当の医師に相談しにくいときは、看護師に相談したり、看護師を通じて医師に尋ねたりすることもできます。

■医療者への質問例
・ 治療中にセックスしてもいいですか?気を付けることは何ですか?
・ 性生活はいつごろからどのように行えますか?
・ 手術後のセックスで気を付けることはありますか?
・ セックスの痛みは続きますか?

その他に、がん相談支援センターのがん専門相談員にも、困りごとや悩みごとについて相談することができます。がん相談支援センターでは、必要に応じて、院内や院外の専門職を紹介してもらうことができます。また、患者会や患者サロンなど、同じような体験をした人と話ができる場に関する情報をもらえることもあります。相談したり、話をしたりすることで気持ちの整理ができたり、解決の糸口が見つかるかもしれません。性のことをオープンに話すことは抵抗があるかもしれませんが、一人で抱え込まず、安心して相談できる場を利用しましょう。

3.参考文献

1) アメリカがん協会編.がん患者の<幸せな性>-あなたとパートナーのために.2007年,春秋社
2) National Cancer Instituteウェブサイト;Sexual Health Issues in Women with Cancer;2018(閲覧日:2021年4月20日)https://www.cancer.gov/

●本ページの情報は、「『がん情報サービス』編集方針」に従って作成しています。 必ずしも参照できる科学的根拠に基づく情報がない場合でも、有用性や安全性などを考慮し、専門家および編集委員会が評価を行っています。

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