1.検査の目的
病理検査は、がんかもしれない病変(正常ではない部分)が見つかったときに行う精密検査です。がんであるかどうかを詳しく調べたり、診断をはっきりさせたりします。
また、がんの治療中に、がんの広がり方やがんが取りきれているかどうか、転移の可能性があるかどうかなどを調べるために行うこともあります。
病理検査には、細胞を取って診断する細胞診(細胞診断)と、組織を取って診断する組織診(組織診断、病理組織診断)があります。
細胞診は、主にがんの疑いについてより詳しく調べるための検査です。これだけでは診断が確定しない場合もあります。
組織診は、がんであるかどうかを確定するための検査です。がんであった場合は、その性質も詳しく調べます。
どちらの検査を行うかは、病変の場所や状態によって判断されます。
2.検査の方法
病変から細胞または組織を取って(これを「生検」といいます)、病理医が顕微鏡で観察します。
痛みや刺激を伴う検査は、麻酔などで痛みを感じないようにして行います。
◆細胞診の方法
病変の場所によって、以下のように細胞を取ります。
- 粘膜をヘラやブラシでこする(口の中、子宮など)
- 皮膚から細い針を刺して取る(乳腺、甲状腺など)
- 尿や痰、胸水・腹水といった体液から集める
◆組織診の方法
病変の場所によって、以下のように組織を取ります。
- 病変の一部または全部をメスで切り取る
- 皮膚から針を刺して取る
- 内視鏡検査を行ったときに、専用の器具で採取する(胃や腸などの消化管や、肺、膀胱など)
検査の結果が出るまでには、数日〜数週間かかります。
3.治療への結びつき
病理検査によって、がんであるかどうかや、がんであった場合の性質や広がり方などが診断されます。治療が必要な場合には、この結果に応じて治療方針を決めていきます。
がんの治療中に行った場合も、結果をその後の治療に生かしていきます。
なお、病変の手術中に細胞や組織を切り取ってすぐに診断し、手術の範囲や方法を決定することがあります。これを「術中迅速病理診断」といいます。あくまで暫定的な診断ですので、これによってがんの診断が確定するわけではありません。
4.病理検査を行う主ながん
ほとんどのがんの治療は、病理検査で診断を確定したあと、方針を決めていきます。
ただし、肝臓がん(肝細胞がん)などでは、病理検査をせずに画像検査と血液検査(腫瘍マーカー)で診断することもあります。
また、卵巣がんや卵管がんなどでは、まずは疑われる病変を手術でできるだけ取り除き、そのあとに病理検査を行うこともあります。