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急性リンパ性白血病/リンパ芽球性リンパ腫(きゅうせいりんぱせいはっけつびょう/りんぱがきゅうせいりんぱしゅ)

更新・確認日:2017年02月23日 [ 履歴 ]
履歴
2017年02月23日 タブ形式に変更しました。「造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月(第1版)」「造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版」より内容を変更し、タイトルを「急性リンパ性白血病/リンパ芽球性リンパ腫」に変更しました。
2006年10月01日 「急性リンパ性白血病」を掲載しました。

1.検査

診断を行い、治療方針を決めるためには、さまざまな検査が行われます。検査は診断だけでなく、病型分類や、発症に伴うさまざまな異常や合併症の有無を確認する目的もあります。

代表的な検査は血液検査と骨髄穿刺で、治療開始後も定期的に検査を行い、治療効果を確認します。フィラデルフィア染色体にある異常な遺伝子(BCR-ABL融合遺伝子)を調べるための染色体検査遺伝子検査も重要な検査です。

1)血液検査

血液中の細胞の増減を顕微鏡で詳しく調べます。白血球の数は異常に高いこともあれば減少していることもありますが、多くの場合正常時はみられない芽球(白血病細胞)が出現しています。赤血球血小板は多くの場合減少しています。

2)骨髄検査

骨髄穿刺や骨髄生検は、診断と病型分類のために重要な検査です。採取した骨髄液や骨髄組織から染色体検査遺伝子検査、血液細胞の表面に発現している抗原を解析する細胞表面マーカー検査を行います。これらの解析は、治療効果を判定するためにも重要で治療中もたびたび検査を行います。

骨髄穿刺は皮膚を消毒し、局所麻酔のあとに腸骨(腰の骨)または胸骨(胸の中央にある骨)に細い針を刺し、骨の中にある骨髄液を注射器で吸引して採取します(図2)。この骨髄液中に含まれる細胞の形を顕微鏡で調べます。骨髄液を吸引する際に痛みがあり、この痛みは局所麻酔では抑えられませんが、通常は一時的な痛みにとどまります。骨髄生検では、腸骨にやや太い針を刺し、骨髄組織を採取します。
図2 骨髄穿刺の様子
図2 骨髄穿刺の様子の図

3)染色体検査

採取した骨髄液を用いて、フィラデルフィア染色体の検査を行います。フィラデルフィア染色体は図3のように、第9染色体と第22染色体の組み換えによって生じます。その結果、本来離れているABL遺伝子とBCR遺伝子が隣り合わせになり、異常が起こります。
図3 フィラデルフィア染色体の説明図
図3 フィラデルフィア染色体の説明図の図

4)遺伝子検査

採取した骨髄液を用いて、RT-PCR法で遺伝子検査を行います。BCR-ABL融合遺伝子など急性リンパ性白血病に特徴的な遺伝子変異を微量でも検出することができます。

5)胸部X線検査

縦隔(じゅうかく)の腫瘤(しゅりゅう)の有無などを確認します。

6)超音波検査・CT検査

臓器の異常や合併症の有無、症状により浸潤(しんじゅん)が疑われる部位の確認などのため、超音波検査(エコー)CT検査を行うことがあります。

7)髄液検査

脳や脊髄(せきずい)などの中枢神経に白血病細胞が浸潤していないか調べるために、治療開始前あるいは開始後に髄液検査(ずいえきけんさ)を行うことがあります。これは背中から細い針や管(くだ)を挿入して、脳や脊髄を包んでいる髄液(ずいえき)を少量とり、その中に白血病細胞が含まれているか調べる検査です。

2.病型分類

WHO分類では、急性リンパ性白血病とリンパ芽球性リンパ腫を同じ疾患とみなし、細胞の種類(B細胞系とT細胞系)や、特定の遺伝子異常があるかで分類しています。

フィラデルフィア染色体がみられる「t(9;22)(q34;q11.2);BCR-ABL1を伴う」病型は、急性リンパ性白血病全体の約25%を占めています。この病型はイマチニブやダサチニブという分子標的薬(参照:分子標的治療)の有効性が明らかになっているため、染色体検査・遺伝子検査でフィラデルフィア染色体があるかどうかを確認することが重要です。
表2 急性リンパ性白血病/リンパ芽球性リンパ腫のWHO分類
B細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫
・非特定型
・特定の遺伝子異常を伴う
・t(9;22)(q34;q11.2);BCR-ABL1を伴う
・t(v;11q23);MLL rearrngedを伴う
・t(12;21)(p13;q22);TEL-AML1(ETV6-RUNX1)を伴う
・hyperdiploidyを伴う
・hypodiploidyを伴う(Hypodiploid ALL)
・t(5;14)(q31;q32);IL3-IGHを伴う
・t(1;19)(q23;p13.3);E2A/PBX1(TCF3-PBX1)を伴う
T細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫
日本血液学会編「造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版」(金原出版)より作成
【参考文献】

  1. 日本血液学会編「造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版」(金原出版)

  2. 日本血液学会、日本リンパ網内系学会編「造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月(第1版)」(金原出版)

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