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骨髄異形成症候群(こつずいいけいせいしょうこうぐん)

更新日:2016年06月17日 [ 更新履歴 ]
更新履歴
2016年06月17日 タブ形式に変更しました。「造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月(第1版)」「造血器腫瘍診療ガイドライン2013年版」「造血細胞移植学会ガイドライン 第3巻(2014年8月)」より内容を更新しました。
2006年10月10日 掲載しました。

1.骨髄異形成症候群とは

血液中には免疫をつかさどる白血球リンパ球、酸素を運搬する赤血球、出血を止める(止血)働きがある血小板などの血液細胞があります。これらは、骨の内部にある骨髄(こつずい)で血液細胞のもととなる造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)から増殖しながら分化(未熟な細胞が成熟した細胞になること)をしてつくられます(図1)。造血幹細胞は、骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞に分かれ、前者から赤血球、血小板、各種の顆粒球(かりゅうきゅう)や単球が産生され、後者からBリンパ球、Tリンパ球、NK細胞などのリンパ球が産生されます。
図1 造血幹細胞から血液細胞への分化
図1 造血幹細胞から血液細胞への分化
骨髄異形成症候群(MDS:myelodysplastic syndromes)は、3種類の血液細胞(赤血球、血小板、白血球)の大もとになる造血幹細胞に異常が起こった病気です。赤血球、血小板、白血球がそれぞれ成熟する3系統の過程に同時に異常が発生する場合だけでなく、まずそれぞれの過程に異常が生じて、次第に3系統へと進行していく場合もあります。1つの病気ではなく、複数の似たような病気の集まりと捉えられているため、症候群(syndromes)と呼ばれます。

異常な造血幹細胞からつくられた血液細胞には、機能の異常や、顕微鏡で観察したときの形の異常(異形成)が認められます。その異常のために、血液細胞の分化(参照:分化度)の過程で未熟な細胞のままで止まってしまったり、一応成熟したようにみえても無効造血(細胞が壊れる)などが生じて、血液の中を流れる血液細胞が減ってしまいます。そのため、骨髄異形成症候群では、まず血液検査で貧血(赤血球の減少)や血小板の減少、白血球数の異常(減少や増加)などの血液細胞数の異常が指摘されます。また、骨髄異形成症候群が進行すると、急性骨髄性白血病に移行することがあります。

急性骨髄性白血病については「急性骨髄性白血病 基礎知識」をご参照ください。

2.症状

骨髄異形成症候群では、血液細胞が減少し、正常に働かなくなるためにさまざまな症状があらわれますが、無症状のまま、健康診断の血液検査で血球減少などの異常により見つかる場合も多くあります。

症状のあらわれ方は、患者さんによって異なります。具体的には、赤血球減少による顔色不良、全身倦怠(けんたい)感、動悸(どうき)、息切れなどの症状や、血小板減少による皮膚・粘膜の点状出血や鼻出血などの症状があります。白血球の1つである好中球の減少や機能低下により感染症にかかりやすくなり、発熱などを伴うことがあります。

3.原因

ほとんどの場合、原因は不明です。骨髄の細胞の染色体を調べると、約50%に染色体異常がみられますが、これは先天的なものではなく、人に遺伝したり感染したりすることはありません。ただし、骨髄異形成症候群の中には、「治療関連骨髄異形成症候群(MDS)」と呼ばれるものがあり、これは過去に他のがんに対して細胞障害性抗がん剤(参照:抗がん剤)の治療や放射線治療を受けた数年後に、いわば治療の副作用として発症します。こうしたことから、何らかの原因によって血液をつくる細胞に遺伝子の異常が生じ、これが発症に関与すると考えられています。

4.疫学・統計

骨髄異形成症候群はあらゆる年齢層に認められますが、主に中・高齢者に多い疾患とされています。高齢化の影響もあり、発症数は次第に増加傾向にあるといわれています。
【参考文献】
  1. 日本血液学会、日本リンパ網内系学会編:造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月 第1版;金原出版
  2. 日本血液学会編:造血器腫瘍診療ガイドライン2013年版;金原出版
  3. 日本造血細胞移植学会ガイドライン委員会編:造血細胞移植学会ガイドライン 第3巻(2014年8月);医薬ジャーナル社
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